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＠新宿・パークタワーホール (1999/2/26-28 5ステージ)
全自由前売り2800当日3200 ※永谷亜紀(3/5-7)との共通チケット5000
構成・演出：杉本圭司 パフォーマンスデザイン：有村肯也
構想・美術・テキスト：杉本圭司、有村肯也
映像：黒澤潤 音楽：粉川一機 音響：山田基浩 照明：大迫浩二、杉本圭司
衣装：前田彩子、有村肯也 舞台製作チーフ：横山直樹
舞台監督：津田貴司[PNdB] 制作：高沼育代ほか
宣伝美術：江野耕治 宣伝写真：須崎祐次
出演：有村肯也
1999/2/27(土）晴れ 8:05-9:00PM(55) プロジェクター側より 客席満員(110人)
客層：20-30才代中心に老若男女。子供連れ、老年の夫婦ととりどり。
客入れ：ロビー会場：開演30分前、ホール会場：開演10分前。整理番号順に入場。
キュービックな会場の２辺に客席３段ずつ。クッションなけれど、座り心地は悪く
なし。映像とパフォーマの演技を重ねみるなら、プロジェクター側が○。もう一辺は
パフォーマ至近となる場面あり。
会場、舞台。真紅な布で囲われた12m角・巨大キューブ内にて。場内はすべて真紅。
正方形二辺に客席雛壇。舞台をやや見おろす視点。座る場所等間隔に、詩と本物の
羽毛が添えられたメッセージカード。舞台。客席とも中央に横倒しの黒いアップライト
ピアノ（なんか小さいような）。スツールは壁際に起立して置かれ。角には仕立て用の
白い人型と、糸と大きな針が吊られ。糸の束はまた、前方客席よりにもあり。
壁一面にプロジェクタで「今一番楽しいことは？」など問答メッセージ、舞台の女性が
砂原を行く場面などビデオ映像を、エフェクトをいれて投影。
私たちの内側にあるEVIL（悪）。神戸の小学生殺人やら、近年の醒めた殺意にイン
スパイアされて描く。
壊すー呻くー休止するの一途な繰り返し。壊しながら、慈しみの言葉を連ねる矛盾
の同居。危うさを全編に漂わせた自閉世界を、即物的に表した会場、構成。赤の空
間は女性の生き場の無い生、ピアノに打ち込むナイフは身内の破壊衝動とか。視覚
聴覚、場の空気感、と生理に訴える体感演出が○。非日常の空間に、まったく日常
な出で立ちのパフォーマが現れたのには、どきりねこ。殺意が日常と隣り合わせな
今を感じさせて○。ただ、読ませるテキストがちと多すぎ。興ざめしちゃったのは△。
主な構成（区分けはねこの勝手）
１上手から床下を芋虫のように這って、パフォーマ登場。ずりずり。中央をほぼ一周
したところで、ナイフで切り裂きでてくる。ボブの黒髪、グレーブラウス、黒スカート、
タイツ、靴。ちと昔な女子学生な真っ当な服装が意外。毛糸玉を床に投げて。
２スライド。今一番楽しいこと。君の感覚は君自身のものかなど、質問文。
３女、ピアノに跨り、ナイフをふるって、ひたすら傷つける。照明に浮かぶ白い人型
背景に森と鳥のビデオ。
４カエルの鳴き声。手を止め、立ち上がる女。暗転。のっぺりした白い仮面をつけた
女、こくりと頷き。暗転。毛糸玉でお手玉。取り落とす。暗転。
５ピアノと突き立てられたナイフを見おろす女。足でこづく。ピアノの蓋を開け、音だし。
スライドには死んだ犬のしっぽ〜な客に配布された散文詩を投影。音叉を見つけ、
叩いてはピアノに当て聞き入る女。水が流れる音。ピアノに白墨で、怖がることは
ないなど、書き連ね。暗転。横たわる女。
６ビデオ。砂原を歩く女。白黒、たまに横ノイズが入る画像。街頭の喧騒が流れる。
砂をナイフで掘り続ける女。しだい大きく深く、自分が埋もれてしまうくらいに。
７長い暗転。小さなうめき声。女屈曲して横たわり、呻き続け。背景のスライド。死
んだ犬のひからびた尻尾にテントウムシがたかっている・・。カエルの鳴き声。
バスドラムの連続音な音楽、しだい激しく。女、ぜん動するように這い始める。
明かりが入り、燃えるような赤の周囲。女は人型を目指して這い進む。飛びついて
暗転。ピアノをナイフでつく。周囲は真っ赤。手をとめ、周囲を見回す女。
８スライド。質疑応答。一番楽しいこと＞殺すこと。自らの死を恐れる。壊すことを
恐れない。その必要性は生きる証。意識は常に自分のものである。二番目に
好きなもの＞答えは投影されず。暗転。
９ピアノによりそう女。ナイフをもって壁に近寄り、引き裂く。外にでて、内側にあ
った針と糸で縫い閉じる。ナイフを、隙間から自分がいままでいた、今や内側に
ほうり入れる。フラッシュライト。場内を映したポラロイド写真が舞い落ちる。