[ホーム] ［月間一覧］ （本ページは劇団ページが出来次第、そちらにリンクします。）
＠下北沢 駅前劇場 (2000/4/13-18 8ステージ)
前売当日共2,500円（日時指定整理番号付き）
舞台監督：渡辺浩一[プロジェクト・ニュートラル] 照明：松田充博
音響：田上篤志 衣裳：加藤正美 舞台美術：松本わかこ
宣伝美術：千絵、妻鹿安宏 舞台写真：ヤギノリコ 演出助手：岡崎智明
制作：田島和美、小畑敦子 企画・製作：演劇屋バンソウコウ3
出演：
榎原伊知良：王太子・イイルクーン （理想家な王子、のちに冷徹な王となる）
小林高之 ：平民・アルトゥール （イイルクーンの親友、後に敵通しに）
直井美絵 ：平民出身・王太子秘書官・ファランギーズ （同上）
平川雅美 ：主席補佐官・貴族シールギール（イイルクーンの片腕）
荒井仁明 ：平民出身・侍従長ゾラーク
須賀智香 ：王太子妃・イスキエルダ
浪ノリコ ：近衛隊長・貴族マルケス
樫田真紀 ：補佐官・貴族ホサファーン
小池利明 ：平民・デレーチャ
2000/4/14(金)晴れ 7:35-9:15pm(1'40) 前方より 客席ほぼ満員(80)
客層：200才代中心、女性過半数。
客入れ：当日券は前売りと同料金（偉い）、入場は前売りの15分後。全椅子席。
足のばし可の前後間隔。それでもダメな荷物はロビー預かり可。折り込みパンフ。
役者の顔写真付きで親切。物販なし。
西田シャトナー（元惑星ピスタチオ）のワークショップ公演出演者による劇団。
なにかと噂にみにいったねこ。
舞台。王宮遺跡然。先端で内側に曲がった大理石角柱４。床と後方壁が残存。
それらを隠すよう、ベルベットカーテンが中央広く、斜に掛けられ。
お話。とある時とある王国。敗戦後講和の一見平和状態。王太子の隣国との縁組
もその一環。王太子は庶民と親しく交わり、啓蒙を唱える理想主義者。とりわけ、
居酒屋・アルトゥール、巫女・ファランギーズとは深く親友の間柄、また恋を
秘めたライバルでもあった。
旧態依然、覇気喪失の王家への不満を抱く王太子。急進の志をもつ臣下と自然に
同調、王たる実父へのクーデターを決起、成功。がしかし、王となった王太子は
なぜか冷徹な圧制をしき、庶民の暮らしは楽になるどころか、苦しなる一方。
親友の心変わりに疑問疑念、反感を抱く親友達。アルトゥールは真意を確かめる
べく、唯一接触手段として革命を選択するのだった。奸計と裏切り、欲望が渦巻
く王宮、憤り蜂起する庶民、そして２人の男と彼らを見つめる女の友愛、が綾なす
ドラマ。
しっかり、きびきび楷書の趣。古典なお話に新味なく、詰め込み△なれど、統制
された舞台とその意気込み◎。恥ずかしげなとこもそれ故嫌み成らず。場面転換
に天衣無縫の志、とってもスピーディ。冒頭後しばしの場面とか快感なほどに。
１人何役もスイッチング（バトンタッチか）しながらのスムース手法。でも、
何役もして、キャラが変わらないのはうーん。それも演出意図かしら。衣装の
前掛けを前後入れ替えて印にする工夫あれど、時々！？するねこ。
細かいカット割りで構成、カットバック、オーバーラップ（回想台詞を複数の役者に
言わせるとか）を効果的に使用。なんか映画（アニメか）みたいね。
殺陣、小気味よし。決闘場面では「１役３人」、種々フォーメイションでみせ、
面白し。ピスタチオの後継手法なり。よく稽古されて◎。単体の動きがまた
きっちり。剣を扱う仕草のマイムに細けぇと呆れるねこ。宙に浮いてるような走法
にも独特のこだわりあり。
きっちりしてる分、ちょっとのほころびが目立つ。惜しい。歴史劇体裁のせいか
漢字熟語してる言葉使い多々。身に合わず？、台詞につまる、こぼすことあり。
もったいないなあ。群像劇でもあり、さまざまな人物に目配りがきかせる。けど
個々場面が短く、舌足らずでわかり難いとこも。主役３人にもっと絞ったほうが
○とも思ったねこ。王太子の不明が主軸。とわいえ、行動動機がわからなすぎ。
ラストの孤独と滅びへの願いが唐突に思えたねこ。他の登場人物も大なり小なり
もっと突っ込み希望。
音楽。舌足らずを埋めるように、エモーショナルにジプシーキング全編。舞台に
合うけど、ちょっと頼りすぎ印象。でも、これがスタイルなのかな。
役者。発声がよいひとばかりで好感。王太子役、榎原さん。きりっとした、いい男
ぶり。色悪な役とかやらせたい。ファランギーズ役、直井さん。。伏し目がちの
憂い顔が気になり。デレーチャ役、小池さん。格別濃いキャラ、芝居がかりも
それ故面白く。
［月間一覧］