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 エレベーター企画「アンソロジー3〜アンソロジートーキョー〜」

 @駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2002/1/5-6 3ステージ) 
  @大阪 應典院本堂ホール12/11-13
 全自由 前売り2000円 当日2500円

 脚本・演出:外輪能隆 演出助手:守時由希子[逆境VAND] 舞台監督:塚本修
 照明:葛西健一[劇団クセノス] 音響:長岡敏之 衣装:MINOBUTA
 制作:上末真深 宣伝美術:EVKK graphics
 劇団HP:http://www.evkk.net/
 「冬のサミット」フェスHP:http://www.agora-summit.com/
 出演:
 土本ひろき、松本喜美子、大野美伸、外輪能隆

 2002/1/6(日)晴れ 4:01-5:41PM(1'40) 前方より 客席5割(20人)
 客層:30〜40才代中心の大人客席。男性過半数。関係者多そう。
 客入れ:客入れ時不明。場内誘導なし。舞台を広く取り、客席は3列のみ。全椅子席。
 折り込みパンフ。A4 半分折り畳み。4ページ。挨拶、各作品解説、配役、スタッフ、
 予定掲載。次回公演。2月 大阪芸術創造館主催 クラシック・ルネサンス参加
 「近代愛」。7月大阪春の演劇まつり参加@森ノ宮プラネットホール。
 物販。過去公演ビデオ?(1800円)

 大阪のカンパニー。初見。演出の外輪さんは、2000年JPAF利賀演出家コンクールで
 「優秀演出家賞」受賞。翻訳作品上演では定評があるとか(「アンソロジー2」で
 テアトロ誌「2000年ベスト」)

 舞台。広く取った素舞台。上方、末広がりにナイロンロープ三本吊られ。装置持ち
 込み式。白布を広げ、ロープに電球を吊してその場所造り。
 お話。下記。
 
 男女間の交感を丁寧、微細な演技交換で描く。仄かに揺らぐ明かり、漂うソプラノ
 サックスの音色。その中、エロティズムの微香が立ち上り、乾いた哀感が忍び寄る。
 (紙風船、ダンスとか)とっても稽古が伺え、ほころびが見えない完成度の高さ。
 でも、よくできたガラス工芸な感触して、もひとつ愛情感じさせず。新劇テイストの
 演技もまたそう。小品構成のとっつき易さは○、機会があればみたいと思うねこ。
 
1「紙風船」(40分) 原作:岸田國士 出演:土本ひろき 大野美伸
 リゾート気分?、裸足に白いジャケット、ワンピース、帽子の男女。アンバーの
 明かり、白布を敷いた真白の空間にソプラノサックスの穏やか音楽。退屈な午後
 してる男女。女は男にあなたはだめ、と優しい口調で不満。自分に気をつかって
 くれないから。旅(ごっこ?)する二人。突然、まるで少女のように邪気のない
 物言いをする女。そんな姿に思わず欲望高じ、渇きを覚える夫。微妙に遷ろう明かり
 は揺れる男の心象のよう。風呂に入っていないと夫。女はあきらめ顔、彼が疎ましい
 ?。布の端にトランク(家?)。紙風船を見つけた女はまた少女の顔になり、一人
 遊び。夫は取り残されて、一人。

2「きたぞジャイアン」(20分) 原作:マーク・フェイダー 出演:外輪能隆
 デニム服の男。ノートを片手に早間の一人語り。13才の僕に、周囲はみんな敵に思え
 た。病弱の身、病院への地下鉄、夢は最先頭車両で外を眺めること。精神薄弱の青年
 がジャイアンの歌を唄いながら乗ってきた。運転室の窓におもちゃのハンドルを
 つけ、「運転転」する彼。自分ができなかったことをあっさり成し遂げる青年に
 嫌悪と親近感、そんな自分の気持ちに自己嫌悪する少年。ある日、自暴自棄に運転室
 の前、すれ違いざまの列車の窓にジャイアン青年。交わす敬礼。その時、感じた友情
 、生きる勇気を与えてくれたジャイアン青年のことは今も忘れない。

3「ダンスしないか?」(15分) 原作:レイモンド・カーヴァー
 出演:松本喜美子、土本ひろき、外輪能隆
 ショートヘア、シャツにベスト、ロングスカートのすらり女性。1と同じ麻ジャケッ
 トの男。夫婦は民家の軒先、ガレージセール!?に足を止める。ベットに寝る女。
 男は離れてたばこを吸う。どうして顔の妻は、そっけない夫にキスをせがむ。話を
 逸らす夫。縮まらない二人の距離に淋しい気持ち。「こんちわ。」家人?のデニム男
 が現れる。値段はいくらでも、言い値でOK、と何を考えているのか、やる気なし。
 ウィスキーごちそう。軽く酔った3人。レコード(掛ける動作でそのまま床に落とす
 。なんか殺伐。)、夫婦はチークダンス。カップをおいて(これもそのまま、床に
 落とす)、妻はデニム男を誘いダンス。あのペット気に入ってるの?、と妻に囁き、
 笑いながら帰るデニム男。
 
4「花嫁」(25分) 原作:ドーリス・デリエ 出演:松本喜美子、大野美伸
 雨。ショートヘアの女の車が事故。追突された相手、皮ジャン女は怒髪天。ともかく
 警察がくるまでと、ショートヘア女の車に乗り込んでくる。買い物?、結婚?、わざ
 わざ遠方・故郷の町でウェディングドレスを買いに?。へー。問わず語りにショート
 ヘア女が告白。本気で結婚したくはない、と揺れる胸の内。皮ジャン女は男に逃げら
 れた過去をあっけらかんと告白。ウェディングドレス、きていいかと皮ジャン女、
 喜悦満面。ショートヘア女は浮かない顔。でもしだいに、なんか和み通う二人。