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＠王子 王子小劇場(2006/5/6-7 3ステージ）
http://www.en-geki.com/
全自由（前売当日とも上演台本付き）前売1500円 当日2000円
作：小沢哲人 演出：山中隆次郎[スロウライダー]
照明：吉村愛子 音響：平井隆史 企画・主催・製作：王子小劇場
出演：
松浦和香子[ベターポーヅ]
内山奈々[チャリＴ企画]
山口奈緒子[明日図鑑]
板倉チヒロ[クロムモリブデン]
數間優一[スロウライダー]
稲川実代子[菅間馬鈴薯堂]
2006/5/6(祝木)晴 8:07-8:47PM(40) 後方より 客席ほぼ満員(55人)
客層：20-30歳代中心、女性過半数。
客入れ：雛壇に全パイプ椅子席の通常配置。空席誘導、積極的にあり。
折り込みパンフ厚め。折り込みパンフ A5 3ページ。挨拶、出演、スタッフ
、予定。上演台本同梱。カーテンコール1回。
劇場が行ってきた新作戯曲企画、公募作品。リーディングとして上演。
舞台。中央に雑誌をおいたテーブルと椅子。上手手前にノートパソコン、下手に
雑然と段ボールの山。正面奥に女性達が座り、壁際に店長代理が立つな配置にて。
お話。風俗店、女の子達の控え室。店長が売り上げを持ち逃げ。閑古鳥の営業も
これを潮に変更、給料減額の方針が出されている。やめることを考えている女の子、
それでも採用される新人、店長代理達の「いつもの」会話。そんな中も、息子の
不始末を詫びに、旧店長の母親がやってきたり、その店長らしき男を新人が目撃
したり。
特異な場所でとりとめなく、時々事件も流されていく会話劇。ぽつぽつと現れては
立ち消える、登場人物のざわめきを興味深くみるねこ。孤立していく新人、離れて
いく子ら、登場人物の距離感の変化もまた。演出いくつか、会話を引き立てる工夫
入り。母親役の人は本を持たず、離れて客席側に座るとか。途中、配役を変えて
しまうのにはほよよ、混乱させられて面白し。役者は手堅く、きっちり演技。
じっくりと耳、そして目で楽しませてくれ。
アフタートーク 8:58-9:25PM(27) 50人参加
小沢哲人、ブラジリィー・アン・山田[ブラジル]、名執健太郎[smartball]
司会 玉山悟（王子小劇場）
5/7m 小沢哲人、山中隆次郎、土屋亮一[シベリア少女鉄道]
司会 紹介。秋の演劇祭の参加劇団であるブラ、名執さんにも出演してもらった。
ではみた感想を。
名執 面白かった。興味の対照に共感。ただしゃべっているだけの中に劇的なものを
みつけるところとか。
ブラジリィー 登場人物が途中変わったりするところとか、面白いところが何点か。
曖昧なところを曖昧に描いているところに戯曲の面白みがある。
小沢 面白かった。女優さんの仕草がかわいいなとか、うんぬん。
司会 戯曲は一言だけいって帰るとことか、ドラマになっているなと。今日は脚本に
ついて話したい。何気ない言葉に強く返したりとか、納得いかないのにそうですね
と返したりとか、行き違いの描き方が面白いなと。息苦しさを書いているのも
面白いなと。脚本の感想について。
名執 「ああ」という台詞は僕も好き。肯定するでも否定するでもない、しゃべり
言葉が、日本人の会話で結構な部分を占めていると思う。ストーリーの展開の中に
曖昧な言葉がある。会話の展開＝ストーリーの展開であるところに「そういえば」
とかいれるのは、危険だと思う。でも、「ああ」という雰囲気の中では成立する。
話の作り方として、曖昧な言葉が入ってくるのが面白かった。
ブラジリィー 緩急の付け方、シリアスと軽いとことか巧く繋げて、最後にパッキと
折れてしまう。なにも解決しないエンディングだけど、きれいに終わっているなあ
と。タイトルはどういう？。
小沢 タイトルに意味はない。以前、木下順二の夕鶴の演出をやってほしいと言われ
て、なにもプランが浮かばず、断ったことがある。では自作でやってみようと、
きっかけが夕鶴だったのでタイトルにした。恩返ししようとするけどできないと
いう裏の設定は一応ある。
司会 台詞に関して。「なんか」とか「だけど」かとか意識的に使われている。
きれいな日本語か、かっこ悪いしゃべり言葉か、どの位の比率で使われますか。
名執 100％きれいじゃないほう。日常で芝居がかった言葉を思いついたときは、
括弧書きで＝格好をつけてしゃべるとかはある。あと役者さんのボキャブラリーに
あれば成立すると思う。
ブラジリィー 昔の人より迷いながらしゃべっていると思う。その辺を意識しないと
予定調和で、客席のリアルと違って、胡散臭いものになってしまう。
司会 他人との距離を意識した日本語を使っているから、舞台も配慮しないといけ
ないと。お二人は作家兼演出家ですが、この作品を上演するオファーがきたら
引き受けますか。
名執 断れる立場にない。やるとしたら、ぐちゃぐちゃになるでしょうね。
ブラジリィー 依頼がきたらやります。笑いの感じがあると思うので、もう少し明確
にしたい。女の子の距離感とか僕にはない感じで面白いし、やってみたい。
質問コーナー
Ｑ１ 戯曲にラストシーン案１、案２があるがなぜ。
Ａ１ 決まらないままに応募してしまった。ものを使うのでどちらが簡単かなと。
Ｑ２ ３人に。面白い戯曲で書くために、重点をおくところは。
Ａ２ 名執 それがわかったら苦労しません。 ブラ 自分が本当に思っていること
を書くこと。小沢 今回は必要に迫られて。無駄話でなにも解決せずになんか
見えるものが書けたらなと（このあと唯一の風俗体験で痛い目にあった話）
司会 名執さん、ブラさんの秋の演劇祭の予定
名執 観た人全員が死にたくなるような陰惨な芝居。自殺した人がみな同じ芝居を
見ていたと後でわかるようなのがやりたい
ブラジリィー まだ決まっていませんが、名執さんの舞台の後、明日も生きてみよう
かなという芝居をやりたい(笑）
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