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＠伊丹・アイホール(2012/9/21-23 4ステージ)
全自由 一般前売3000円 当日3300円 学生＆ユース（25才以下）前売2000円
当日2300円
作･演出：北村想 舞台監督：河村都 舞台美術：西田聖 照明：葛西健一
音楽：ノノヤママナコ 音響：今里愛 衣装：福田尚子 演出助手：高橋恵
写真撮影：石川隆三 主催：公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市
企画製作：アイホール 初演：清流劇場（演出:田中孝弥 2004年2月＠アイホール)
出演：
蟷螂襲[PM/飛ぶ教室]：貸間有二（かしまゆうじ）
片岡百萬両[ミジンコターボ]：下手村（へたむら）
船戸香里：神野弥生（かみのやよい）
2012/9/22(土)曇 7:04-8:32PM(1'28)最前中央 客席9割(100人)
客層：大人中心、男女半々。
客入れ：ひな壇に椅子8列。折り込みチラシそれなり。パンフ A4 3ページ。
嫌な世にべき、でしょとの挨拶。劇中唄の楽譜、歌詞。予定。開演前に想さんから
前説、諸注意、劇中歌CD付き台本PR。物販。その台本1200円。
以前観られなかった北村想書き下ろし作品、作家自身の演出で今回観られて嬉しい
ねこ。
舞台。純日本旅館の奥座敷設定。12畳間に座卓、壁際に茶タンスや平積の本、壁の
カレンダーは8月。上手に部屋の入口、木戸まで飛び石。下手に竹林、縁側に
よしず。戻って、座卓の真ん中には涼を呼ぶ氷柱、8mmカメラ。
お話。次回映画の脚本書きのため、温泉宿にこもっている映画監督と、身の回りの
世話もする助監督。題材は太宰治で決まっているが、肝心の内容が決まらない、煮え
切らない。そこに主演とだけ決まっている若手女優が乗り込んでくる。実は、かつて
監督は太宰治と一人の女性を巡って恋のライバル関係にあり。新人女優はその女性と
関係があることを示す、一句を携えている。監督は彼女と対面するのだが。
甘く痛く切なくも、雨のち晴れな大人カルピス。ドライにしがちな作家にしては
甘酸っぱいテイストとし。しっとり濡れた男と女の物語にユーモアをまぶし、ちと
デフォルメしたキャラ芝居をスパイスとほどよく添え。夏（初演は冬）の風物、
よしずに風鈴、縁側のある座敷、夕立のち青空、映える白いパラソルなど。本水の
雨を降らせたりで拘り、伺え。奥座敷から広がる光景が清々しく、監督らの希望の
芽生えと相まって、心地良いねこ。
役者。曲者キャラ好演。ロマンティックと涙もろさを偏屈で隠す、映画監督に
蟷螂襲。老けすぎ感じはあるけど、血が通った泣きの芝居にはしんみりしみじみ
ねこ。明るくて逞しい、ひまわりな新人女優に船戸香里。意地悪なお題・女性の
臭い穴をからりと明晰に弁ずる知性と思い切りのよさ。飛び石を駆ける仕草の面白さ
ら、お茶目と晴れやかな夏少女ぶり。心が少し浮きたち、軽くなるねこ。
監督の素直でない言動に振り回されつつ、まじめに愛のある応対を貫く助監督・
片岡百萬両。おぼつかなさにもユーモア、愛嬌がにじんで好感ねこ。
アフタートーク 8:37-9:04PM(27) 6，7割？居残り
深津篤史[桃園会]、北村想 司会：田中孝弥
以下記憶を箇条書き、不正確なことをお断りします。
司会 企画について。今回の作品と続いて再演される「オダサク…」が川島監督と
いう共通項があるが。
北村 川島監督の作品が好き。構想を暖めることはせず、だいたい思いつきで。
オダサクはこれまで関西ではやってなかったので。太宰は著作権が切れたので
（自分のみならず、業界はそんな動き）。
深津 （監督や文豪が登場するが）川島監督は知らず。坂口安吾は好きだった。
太宰も一つをのぞいて全部読んでいる。ただ大人になってからは読んではいない。
北村 （登場人物）フィクションとして、確かで八走飛びをする。監督は確か8mm
カメラで自分で撮っていた、多彩な人だった。
深津（感想）初演は冬でモノクロぽかった。今回は天然ではないが、パートカラー。
甘酸っぱい感じ（初演は真っ白な舞台からリアルな奥座敷になった）
北村（本は変えたのか）だいぶ変えた、夏と冬の違いとか。テーマ曲をつくった。
初演はゴンドラの歌だったが、女優には似合わないので変えた。ねらいはみんなの
歌。紅白出場をねらっている。唄いやすく、覚えやすい曲としている。縁側で
雨が降る。濡れ縁の風景が好きでいれたかった、本水使いたかった。
北村 オダサクは作品のシャッフルをやってみた。
深津（印象）面白い。台本は台詞、台詞の間だと思う。脚本を変えない、変なこと
をしない。斬新なものは自分勝手で失敗しがち。演出家が表にでてどうする。
北村 （演出の切り口。深津 稽古場の雰囲気が似ている。）自分は演出家では
ない。他力本願でスタッフに御害すてき。座卓を下げてくれと言ったら、きょとん
としていた。バストショットではなく。フルショットで撮りたかった（から邪魔な
座卓を下げた）。映画の話だし。雨がふるのとパラソルの女性も映画のイメージ。
深津 （予定）太宰の作品を上演する。近代から漱石、加速感のある漱石をやって
みたい。具体的には草枕。太宰なら、草枕。太宰ならグッドバイの全部。
北村 （連続上演が行われるが）もうこのあたりでやればいいのかと、再演を行う
こととした。そこまではやりたいという一方、そこはやりたくないと気持ちもある。
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