http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/
無料(事前申込み、要企画展チケット)
出演：白井剛
2015/1/23(土)快晴 11:02-12:05PM(1'03)正面最前 客席満員(22人）
客層：中高年最多。女性過半数。
客入れ：靴を脱いでアトリエ内。二方囲み、ベンチと椅子2列。折り込みチラシ数枚。
パンフなし。エアコンを止めることもあり、事前注意の通り、防寒は各自へ願い。
カーテンコール1回。
水戸出身の洋画家 中村彝（つね）、アトリエ(レプリカ）での企画公演。
公演前に美術館内にてプロフィール、作品と背景など、学芸員永松左知さんから
15分ほどレクチャーあり。新宿中村屋の創始者がパトロン、その娘との悲恋、
体が弱くアトリエからほとんど外に出られない、その分筆まめ、カルピス大好き等
興味深く聞くねこ。
会場舞台。柔らかい日差しが注ぐ大きな窓と天窓の部屋。イーゼル、蓄音機、ギター
点滴リンゲルにトライアングルとペットボトル(水）、カルピス。デスマスク、花瓶。
構成。・白井さんから画家での手紙。挨拶。似るようにしたが髭が未達。38才で亡く
なったが、ほぼ自分と同い年。
・手紙を口にほおばり、出してほぐして読み出し。録音へ引き継ぎ、筆でエア絵画。
丈夫になりたいと椅子上で浮遊。種々、レコード盤などパレットに見立てて、空に
ギターに窓に、観客の体に絵筆を当てて描き、舞う。
・窓辺に座る。トライアングル一擲。恋人からの別れの手紙。ギターをリンゴ、筆先
などで奏する。
・MC 中村屋のレトルトカレー。恋人は別れた後、匿われていたインド人活動家と
結婚、それを機会にカレーを扱うようになった。
・スプーンをくわえ、足の指に筆を挟み、歩行。椅子に浮遊。長唄？レコードを
流し、後ずさり。手振り、かまえ、ロール、仰向けに寝る。起きて舞い。
・カルピス好きだった。当時の包装紙は水玉と地の色が今と逆だったのだ、つねの
絵からわかる。ギター弾き語り、トライアングルの音らサンプリングして、一人多重
コーラス。トークして、つねのために薄めたカルピスをつくってあげる。どの位の
濃さがお好みでしょうか。自作「カルピスの歌」を三番まで歌い。
・手紙朗読〜録音。歴代の自画像を見せ。筆の束をもち、仰向け。胸板の上に
落としていく。アベマリア♪。死の直前、支援者への感謝の手紙を読む。くったく、
起立、操られたように舞い。賛美歌♪。筆で空に描きながら舞う。窓を開け放ち、
描きながら戸外に消える。
・カーテンコール。最後に死ぬ前日12/23日の手紙を読む。元気になって皆様の中へ
世話をやいてくれた老婆の絵をどんな光の元置くか、お願いする。
画家を想い、意志と感情を音楽、所作、ダンスらに転位して表現する。中村の境遇に
寄り添って演劇的なダンスは多弁、持ち前の美しさとも充足感あり。全身で演じる
画家とそれを見まもる白井剛のありさまがナチュラルで○。好奇心、敬意と愛情を
感じさせて好感を抱くねこ。中村の魂を解き放つラストが爽やかで滋味を感じさせ。
朗読、ギター演奏とも録音、サンプリングの手法を巧く併用して○。
