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 オフィスコットーネプロデュース「漂泊」

 @吉祥寺 吉祥寺シアター(2015/03/20-20 11ステージ)休演3/22,24,26
 http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/
 全指定 前売・当日5800円 シードチケット(25歳以下)前売・当日共3500円
 都民割引5500円(3/20、23、25、27S) アルテ友の会会員5300円
 
 作:蓬莱竜太[モダンスイマーズ] 演出:田村孝裕[ONEOR8]
 美術:長田佳代子 照明:奥田賢太(colore) 音響:原島正治(囃組)
 舞台監督:白石英輔(クロスオーバー)衣裳:花田絵美 演出助手:小形知巳
 宣伝美術:宇野奈津子 制作:江口紀子 プロデューサー:綿貫 凜
 協力:公益財団法人武蔵野文化事業団
 出演:
 市毛良枝    :夏子
 小林勝也[文学座]:良一(夏子の夫)
 清水直子[俳優座]:美加(娘)
 三津谷亮 :俊平(隣家の息子)
 若松武史 :佐山
 谷川昭一朗:塚本(自治会の人)

 2015/03/23(月)曇 7:35-9:21PM(1'45)最前方より 客席9割(160?人)
 客層:中高年最多に20才代も結構。女性過半数。
 客入れ:ロビーは花盛り。通常客席、バルコニー席は不使用。折り込みチラシ
 それなり。パンフ B5 3ページ。物販失念。カーテンコール1回1分。

 アガサ・クリスティのある小説(「春にして君を離れ」かな)をモチーフにした
 蓬莱竜太書き下ろし新作。蓬莱に負けず劣らず会話劇巧者の田村孝裕が演出。

 舞台。アーチ門型の出窓がある、開放的なリビング。ていうか教会堂みたい。
 上手にL字ソファとローテーブル、下手半分がダイニングキッチン。出窓下の廊下
 から右で玄関、左で母屋。

 お話。初老の夫婦。横浜に人もうらやむ一軒家を建て、子供たちも立派に独立し
 慎ましくも満ち足りた日々を過ごしている。海外へいる息子夫婦の初孫へ逢いに
 行こうとする前夜、とある男の言葉から、妻の心に幸福な日常への疑念が芽生えて…。

 とっても恐くて滑稽な家庭劇。絵に描いたような理想の家庭、その願望、絶対視が
 実に危ういことをスリリングに描いていく。押し付け愛という暴力を甘受してきた
 人達、彼らの裏切り。悪魔が撒いた疑念から迷い、妄想経由暴走へ至るくだんの女。
 いずれもの仮面が暴かれていき。そこでモダンスイマーズ公演同様、ストーリーテ
 リング、個々の人物描写に、蓬莱さんの筆は冴え渡り。ヤバいほどの快作とし。
 曲者俳優陣は濃く、細かな芝居で応え。優しい母なイメージの市毛良枝さん、狂女
 無自覚な毒婦ぶりに驚き、喜ぶねこ。謎の男・若松武史の得体の知れない無気味さが
 黒い快感を呼び。いずれも印象的な表情、目線芝居を交わして堪らないねこ。

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