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 飴屋法水「コルバトントリ、」

 @清澄白河 SNAC(2015/4/2-5、8-12 12ステージ)
 http://snac.in/
 全自由 前売3500円 当日3800円

 原作:山下澄人「コルバトントリ」(文藝春秋刊)ほか 演出:飴屋法水
 上演台本・音響・美術:飴屋法水 衣装:コロスケ 演出助手:C、コロスケ
 グラフィックデザイン・記録写真:石塚俊 記録映像:河合宏樹、粟屋武史、
 前島ももこ 録音:葛西敏彦 企画:佐々木敦 制作:土屋光
 制作:SNAC 主催:吾妻橋ダンスクロッシング実行委員会
 助成:公益財団法人セゾン文化財団、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都
 歴史文化財団)
 出演:
 青柳いづみ
 郷拓郎(detune)
 安藤真理[チェルフィッチュ]
 山下澄人
 
 グルパリ
 くるみ
 飴屋法水
 受付の人

 2015/04/04(土)曇 3:06-4:49PM(1'43)最後尾立ち見 客席超満員(80?人)
 客層:20-30才代中心、男女半々。
 客入り:前売り瞬時完売。当日券。商店街なので長時間の行列はNG。12:00から
 昼夜分販売。昼は18枚と掲示、販売30分前で12人、15分前?には定員、結局3,4人
 ほどごめんなさいだった模様。開場は開演定時10分前から整理番号で呼び出し。
 当日券は開演直前に入場、最後尾に奥詰めで立ち見。ひな壇に椅子4列。上手より
 の後列が見易し。通り側に開いた半野外趣向なので途中入退場は不可。トイレなど
 注意。前列は野外の気温と同じなので防寒にも注意。折り込みチラシ少々。
 パンフ。A4 メモパッド 厚紙に糸綴じ体裁。物販。原作本、あとグルパリさんの
 絵日記とCDも手売りしていた模様。 カーテンコール1回+演出継続。

 古株の演劇ファンにはFICTION主宰で知られた、小説家・山下澄人の小説原作。
 作家当人も出演し、ほかミュージシャンら多彩なメンバーにて。
 会場舞台。粗大ゴミかという椅子、縁台、自転車、三輪車、犬の人形らが置かれ。
 傾ぎ、パンク、分解と、いずれも欠落している。
 お話。盲目の少女と月を探す少年の出会い。両親ら他者との、追想か過去から見た
 未来か、混同する中での対話。途中、飴屋→山下の創作の根本に関わるトーク折り
 込み。

 時間軸と視点が飛躍し重なっていく、とっても劇的な舞台。肉体と記憶、平常心の
 欠落を扱い、日常・おとぼけ/異常・狂気が不思議に同居しながら様々な場面で
 綴られていく。いずれにせよ、おもろくて切ない、山下澄人世界が反映され、
 懐かしくみるねこ。他者(自分を含む、人に限らない)の目(感覚)を通して語られる
 生き様というのが奇妙でいて、鋭く深い。借景に通りを行き交う人(必ずといって
 いいほど二度見していく)を加えたのもその旨と思われ。飴屋の読み込み方そのもの
 のようで、原作者を登場させ、内省で心理を深掘りしていくとか、まあ凄い。
 原作により関西弁中心、追想の標準語使いとか効果的。

 無頼な盲目少女に青柳いづみ、ミスしがち踏み外した母親に安藤真理。2人とも
 しっかりと演じ、支え。ストレスフリーなくるみちゃんが適度に風を通し。
 月を探す少年、ミュージシャン・郷拓郎が、小劇場の中堅俳優なスキルで驚き。
 ラフでいて繊細な父役、山下澄人の演技は昔変わらず、今後も時々は舞台に立って
 ほしいねこ。

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