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＠芝・増上寺 野外特設ステージ (1998/10/16-20 5ステージ)
原作：小林恭二 構成・演出・脚本：安田雅弘 美術・音響プラン：飴屋法水
照明：関口祐二 音響：水村 良 衣装プラン：国広ミカ
宣伝美術：マエヤマヨウコ 制作：奥林啓史、宮城 聰
出演：水寄真弓（饗庭はつゆ）、阿部一徳(石脇久紀［ク・ナウカ］)、
志賀廣太郎(二川ツトム［青年団])、、川相真紀子（細川真瑠安）、
内藤千恵子（佐伯るる）、三村
聡（江口幸生）；オーディション受験者
二口大学（飯田正巳）、村上哲也（堀内桂馬）、大久保美知子（須阿夏海）、
山本芳郎（伊太呂太郎）、山田宏平（卯井芥子郎）；スタッフ
倉品淳子（アナウンス）
1998/10/18(日)台風一過 6:25-7:50PM(1'25) 上手中段より 客席9割(350人）
客層：20〜30才台中心。男女半々。
客入れ：台風影響の暴風雨のため、機材（照明と文字電飾の大型装置）が破損。
野外故暗くならないと再調整できず、開演25分遅れ。スタッフの方ご苦労様でした
入場は本殿前石段の段ごと、50人ずつ整列。入場はスムーズで○。整列まで路上で
の獅子舞、ミイラ状の人がなにやらのパフォーマンスを見ながら時間つぶし。フェ
ス共通パンフ(500？）には、小林恭二、安田雅弘、飴屋法水の座談会収録。
BeSeTo演劇祭；Be(Beijing)、Se(Seoul)、To(Tokyo)＝中国、韓国、日本の首都の
頭文字を冠したそう。ソウル、東京、北京ときて東京帰還の今回。会場の寺境内
では同時多発のようにパフォーマンス、お芝居が行われ（アジアの演出家によるワ
ークショップもあるよし）
超国家状態に至った遊園地の衰亡を描いた、12年ほど前の同名小説が原作。
会場、舞台。浜松町から東京タワーを目印にてくてく。でかい門をくぐり、本殿前
これもでかい石段をあがった広場が会場。巨大本殿と階段、"HAPPY
BIRTHDAY!!"の
大文字を背景に、本殿越しに上手のリアル東京タワーを見上げ、下手の対角位置床
の模型東京タワーを見下ろす、トリッキーで面白い構図。床には木箱（積み木）が
いくつか。ここを挟み、両袖に照明タワーの列。後半には「ヒト科・・」と大墨書
されたパッケージで巨大兄弟像登場。物量の圧倒感より、それぞれの存在感でみせ
たイスタレーションしてる美術が○。会場は久々好天、広がりを感じさせる青天井
空間で心地よいねこ。
お話。「ゼウスガーデン」内オーディション会場。受験者は「積み木」の課題に取
り組み中。その中で交わされる「鮫入りプール」とかアトラクションのうわさ。お
次は奇妙な「お手玉」の課題。やがて、スタッフが採点、なんか不明確に合否判定
それを機に不明のオーディションへの積もった不安と焦燥が一部で噴出するのだっ
たが。
ゼウスガーデンが成ったわけをいままでの山の手手法で描く、裏読みゼウスガーデ
ン印象。カラフルなパッチワークな衣装とは裏腹に、登場人物は彩りがない表情、
ぎこちない動き。不明な仕事、自分にストレス感じながらも、呑気に流す日本人の
姿？な。ゼウスガーデンの使い捨て享楽に走るのもさもありなんな、仕事ぶりがリ
アル。このへん、いままで同様の表現で確かに見せるけど、新味はあんまなし。
オーディション新人の意外な正体、謎のうわさとぽつぽつドラマが兆して、ラスト
で真相が明かされる進行。イノセンスな子供を生産供給してのおもうがままの家族
ゲームアトラクション、その親を選出するオーディションであったと。このアイデ
ィアを最初から展開させたほうが、淡々と進められたオーディションより面白そう
なれど、ちと昔のエンゲキになっちゃうかな。絶望、そのまま過ごす人がでておし
まいなのが、お預け気分でうーんねこ。
得体のしれない、バックグラウンドノイズな演出がちょこちょこ関心をくすぐる。
動物の鳴き声、ラジコン車、床転がるボール、くねくねダンス（ルパム？）、場内
スポットアナウンス、意味不明に彩る照明、なんかありそな巨大本殿、ラストから
すると皮肉なHAPPY BIRTHDAYの大文字など。秘密ありげな感じが○。全体、ルパム
（群舞つうの）小、台詞芝居中心の室内劇印象ねこ。野外なんだから、もうちと派
手なサービス趣向があっても思うねこ。妙な期待をしすぎか。役者は個をさほど感
じさせず。テーマに沿ってるんだろうけど、もひとつ。