[ホーム] ［月間一覧］ （本ページは劇団ページが出来次第、そちらにリンクします。）
＠神楽坂・セッションハウス (1999/1/17,18 4ステージ) 全自由前売り2500当日2700
作・演出：豊田夢太郎 美術：角田敦子 照明：若尾美穂ほか
小道具・衣装：本間恵里 舞台監督：川畑浩 制作：本間恵里
出演：内川秋人 （カメラマン、フサオ）
和田江理子［青年団] （フサオの姉）
内山厳 （姉弟の友人）
黒田有紀子（姉弟の友人）
1999/1/17(日)晴れ 2:35-3:30PM(1'25) 前方より 客席ほぼ満員(80?人)
客層：20才代女性中心。子供連れの家族までとりどり老若男女。
客入れ：ぽつぽつと埋まる客席。高低差をつけたボックスベンチ席と後方背もたれ
付き椅子席。特に誘導はなし。
舞台。コンクリート打ちっぱなし。広い空間に白、グレーのモノクローム配色調度
どこぞのアートスタジオ雰囲気。中央、白いテーブルと椅子。その奥にいくつかの
ポラロイド写真を貼ったラック、横向いた大きめ写真パネル。下手にミニコンポを
載せたカウンター（内側にキッチン設定）。上手のコンクリート柱上部にさかさに
吊られたドライフラワー。手前の床、無造作に詰まれたハードカバー本、ポラロイ
ドカメラとフィルム。
お話。今現在。一線を越えた関係にある姉弟（和田、内川）。今日はその姉の29回
目の誕生日。友人の婚約している男女（内山、黒田）がパーティに出席。すぐさま
ちくりちくりと繰り出される、それとない悪意、誹謗。姉のやっかいとなっている弟、
2人の穏やかな生活が気に入らないとでもいうように。やがて、それぞれの連れ合
いに隠れての欲望の関係が浮かんでくる。姉と男、弟と女の。また、もう一人の
招待客は来ず、別れ際に病で命危いことを姉弟は知らされる。脆い関係の彼ら
なるも、最初と変わらず、なにげに別れ、残される二人。弟は姉にプレゼントを
用意したと告げる。部屋に取りにいった姉の悲鳴、２度。それきり戻ってはこない。
弟は姉の持ち物を全てゴミ箱に捨て、ケーキに火を灯す。想い描く愛しい姉は
やさしく彼を擁き、ろうそくを吹き消す。ブラックアウト。そこからの離別と開放な癒し
は弟に至ったのかしら？。
閉塞感ありあり世界、どこにもいけない人達の不安と苛立ちを穏やかな流れに描く
今と私達しかない、９０年代・静かな演劇系統。ささやかに、でもあけすけに覗く
悪意ある言葉、受け流す応対がいや〜な瞬間、緊張感を醸し。かといってエキセン
トリックに走らず、表面上は穏やかに過ごしてく。危さを秘めつつ、なにげにして
るところが興味深いねこ。目線や間合いなどの動きで、隠された感情を伺わせよう
とする演出。でも、ちと思わせぶり、ムードに流れ過ぎな印象もあり。
役者。弟役の内山さんがナイーブな心情を憂いある瞳に伺わせて○。姉役の和田
さん。青年団では見られない、ミステリアス、セクシャルな部分と、いつもの愛らしく
和やかな笑顔の取り合わせ。不可思議で○。恋人な男女役の演技はあからさま過
ぎ、裏に隠された心情がいまひとつ見えず、つうか表裏なしで興に欠ける印象ねこ。