＠中野 ウエストエンドスタジオ(2001/4/19-22 6ステージ)
全自由 前売2000円 当日2200円
作・演出：ノゾエ征爾 舞台監督：徳田五郎 照明：久賀和浩 音響：井上直裕
舞台装置：和田崇 宣伝美術：野添貴之 補佐：斉藤久美子 制作：斉藤智恵
出演：
町田水城 ：喜代春 （元ヒットマンの父親、務めを果たして娑婆に戻る）
高木珠里[ドーナツもぐもぐクラブ] ：マナコ（その娘、過食症、イカレテル）
杉田明彦 ：キタジ（町の役人、マナコの恋人、潔癖症、イカレテル）
羽田謙治 ：ケンゾウ（喜代春の養子、ドラッグクイーン）
竹口健成 ：イッコ （喜代春の養子、一見ノーマル、女とみれば犯してしまう）
サトヲ実りん：キナコ （イッコの幼馴染、劣等感を抱いている）
鈴木まき ：キヌサヤ（交通事故に遭う、実子イッコに犯されてしまう）
ノゾエ征爾：純水（ずみみず 喜代春が投獄中ちゃっかり父親化、にせ身障者）
滝沢寛[桜丘社中]：元吉（頭のねじがゆるい青年）
井内美和子：ワカバ（元吉の公称姉、実は実母、世間に生き地獄責めを志向）
カオティックコスモス：中田（バー経営者、自称ぼんぼん、ワカバと飼い犬に恋）
岡野裕 ：マルオ（喜代春の巨体妻を溺愛する直情男、頭のねじが外れている）
海老沼イニキ ：ナオミ（喜代春の若い愛人）
2001/4/22(日)晴れ 1:35-3:45PM(2'10) 中段より 客席9割(70人）
客層：20才代前半男女中心。松尾スズキ、谷川昭一郎も客席に。
客入れ：荷物預かり、場内誘導あり。桟敷3列、後方3列パイプ椅子。２階立て舞台
もひな壇客席で見やすく。折込パンフ。キャスト、予定(たくさん）掲載。
物販なし。客入れ音楽、注意アナウンスとも、粘っこく濃い口でムーディ。
ねこ初見。主宰ノゾエ氏は98年度ENBUゼミ松尾スズキクラス出身（＞卒業公演）
役者として、日本インターネット演劇大賞 2000年度新人賞を受賞。
舞台。下手階段〜中二階通路、下に入り口開口の二層式。手前に移動式イントレ。
２階部屋、土手演出で使用。配色はブルー壁に赤のドアなど、きつめにポップ。
上手客席がわにアップライトピアノ。宙吊ありで仕掛けあり。
お話。惚れた女を奪うため、ヒットマン（殺害場面が冒頭）。刑期を終えて帰宅も
家族様変わり。長女は過食症でキ◎ガイ。その恋人は潔癖症で実交渉不能。養子
息子はだれだよおめえ？なドラッグクイーン。殺しをやってまで一緒になった妻は
２階からでられない、ジャバザハット状態。なんか吼えたりしてこええよ。
おまけに、偉そうな障害者（にせ）が父親面して、住まい。さらに付属品。ジャバ
ザハットに溺愛する熱血男＠２階在住。変態と化け物をみちゃ、別の若い女のもとで
代理セックスもまあ致し方なし。
そんなヒットマンが逃避をしてる町は海抜低い河川敷。住民はみな移転して、残っ
てるのは世間からつまはじきものばかり。開通した橋を走る電車は試験走行。騒音
撒き散らして、ストレスいやがおうでも増し。
ドラッグクイーンが働いてる在所に唯一バーの店長。愛犬に口移しで食事を与える
溺愛ぶり。不安は町に横行する犬猫薬殺魔。やすらぎにクール女にポロポーズ。
クール女には頭のねじが外れた弟（実は息子）あり。こいつがとち狂ってて、危な
すぎ。２階熱血男とキ◎ガイ同士、怖いものなしと意気投合、ちょっと哀しく。
ポロポーズok、早速店長、クール女の慰みものにされ。アッサリ死んじゃつまらない
いきてこその生き地獄と。おまけに店長愛犬は毒殺されてクール女は服毒自殺、
どうしようもなし。
ヒットマンのもうひとりの息子。流れ着いたいわくあり女が、私実母と告白。なん
だよ、いまさらに、と母を強姦するもうひとり息子。淫蕩の血たぎり、穴という穴
に突っ込まずにはいられない。母親への愛憎絡み、もう犯さないではいられない、
自己嫌悪に死にそうになりながらも。もどって、長女。恋人を食い殺したいほど好き
な過食症。相手の男は死ぬような思いして抱くほどな潔癖症。ラブシーン命がけ。
代理父は同情し、認めてもらえるしと障害者してたけど、もうやめ。なんか疎外感
感じちゃってるし、最近。
地獄絵巻の最中に申し訳ありませんが、洪水警報。役所はスラムな彼らに救いを
ださず。２階のジャバザハット母は当然避難できず。熱血とキ◎ガイ男は橋を
爆破、防波堤の試み。ドラッククイーンは自称女神？化して、人柱な歯止めの
試み。自然の力に勝てるわけもなく、全滅（後、クール女自殺）。まあそういうこと。
理性と衝動の危うさ。奇天烈に過剰に盛り込んだ荒くれぶり、が面白いねこ。狂気を
みつめる醒めた視点が字幕説明などで伺え。絶対などない世界の不明を受け入れる
戸惑い顔の素直さに好感。望み適わずじたばたとする人ばかり、その哀感も忘れず
描き。ドライにはなりきれないおセンチ、悲しみの隙を与えるところがいいやら、
悪いやら。表面で描かなくとも、滲ませられれば、なお○と思うねこ。
カットバックを多用、モザイクな進行。殺害場面の誤記訂正で最後に真相を描くなど、
面白し。ダンス、スローモーション、同時進行、宙吊りとか、既成手法をあれこれ。
まとまりないほどに、勢いを感じさせて○。
役者。ノゾエ氏。小ざかしいクール顔がなんかむかつかせて◎。
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