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 兵庫県立ピッコロ劇団第79回公演「あしあとのおと、ものがたり」
 兵庫県立ピッコロ劇団設立30周年記念

 @兵庫塚口 ピッコロシアター 大ホール(2024/05/31-06/02,08-09 5ステージ)
 全指定 一般3500円、大学生・専門学校生2500円、高校生以下2000円

 作:山本正典[コトリ会議] 演出:原 竹志[ピッコロ劇団]
 美術:池宮城直美 照明:南 亜紀((株)ピーエーシーウエスト)
 音楽:木下 出 音響:横田和也(ARTS Inc.) 衣裳:大平順子[安住の地]
 演出助手:中島深志 舞台監督:政香里沙 映像:サカイヒロト
 チラシデザイン:小泉 俊(KODEMA[小泉デザイン製作所])
 チラシイラスト:花屋敷 鴨[コトリ会議] 音声ガイド:菅原ゆうき
 鑑賞サポート:古川知可子、新倉奈々子、橋本実弥  制作:新倉奈々子
 制作助手:山中麻由 主催:兵庫県立尼崎青少年創造劇場
 出演:
 谷口 遼:遠野物語(大学生)
 樫村千晶:真野 実(遠野の先輩)
 有川理沙:真野 蝉
 今仲ひろし:羽村田 光(真野 実の元カレ)
 木下鮎美:十夜小夜(受験生)
 森好文 :十夜一廊(小夜の祖父)
 亀井妙子:十夜睦子(小夜の祖母)
 鈴木あぐり:女の人
 吉江麻樹 :祝世はふりよ
 三坂賢二郎:事伝ことつて
 木之下由香:幸さち
 岡島大祐 :境さかい

 2024/06/02(日)晴 11:01-12:43PM(1'40)中段中央 客席3割(130人)
 客層:3世代 2、3人連れ多め 女性7割。
 客入れ:感染対策 手指消毒任意。通常客席。当日パンフ A5 機関誌 作×演出対談
 収録。アンケートの回収良好の模様。カーテンコール2回。

 コトリ会議・山本正典、1年半ぶりの長編、外部劇団への新作書き下ろし。
 柳田國男「遠野物語」に着想、そのエッセンスを劇化。
 舞台。客入れ時は巨石7が点在、開演後は真ん中の黒曜石のみ残し。背景は竹林の
 水墨画、半透過でリアル→映像人物に切替えたり。絵本のような半円の山並み、
 彫刻な満月が浮かび。持ち込み式でベッド、マンションドア、階段装置。
 舞台額縁の上端に、その場面と1/100秒までの時刻動画を表示。常世と異世界、
 狭間の世界で特徴的に変化し。

 お話。大学生・遠野物語は先輩・真野実に告白、両思い、だけど1年だけと条件付き
 その訳は言えないと。嬉しかったのに不穏。一方、志望校調査表を祖母に勝手に
 書かれた受験生の孫・小夜は怒髪天、家出を決意。祖母が交通事故死した夜、生き
 返えさせられると真野実がやってきて。

 世界に表と裏があり、露わになって同居する、怪異なんだけど日常は変わらない
 不思議。人も人外も皆悩みを抱えてるし、優しいし。ストーカーがいてエグいけど、
 邪心なくていい奴だし。コミカルさと哀感が同居する案配が好み。死に別れ、
 生き返りともにルール、縛りがあるけど、越えてゆこうとする。不可解なのにその
 願いはとても判る。終盤はぐっと来ちゃいましたねこ。山本正典作品のお約束の
 ように、ヒロインの頭に棒(竹)が生えてましたけど…。
 美術装置の作り込み、物言わぬのにモノいう存在感ある岩、山と月の妙でスケール
 アップ。幅広い年代層の役者陣は適材適所、皆生き生きと応じてて素敵。在京の
 劇団も山本正典さんへオファー、上演機会をつくればいいのにと思うねこ。

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