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＠下北沢 ザ・ズズナリ (1998/7/13-29 22ステージ、追加5ステージ)
全指定 前売り4000当日4500
作：寺山修司 構成・演出・音楽・美術・美粧：J.A.シーザー
出演：篠井英介（毛皮のマリー）、海津義孝（下男）、由地英樹（水夫）
内田滋啓（美少年）、鈴木飛雄（美少女）、井内俊一、小林桂太、小林拓、
関根信二、若松力、前田零、新屋敏幸、ヒロシ、千代田夏夫、中島庚介、立野京介
山口洋哉、瀧川英次、横山和裕、吉野俊則
1998/7/19(日)くもり 2:10?-3:45PM 前方より 客席超満員(160？人)
客層：20-30?才代のおねえさま中心。野郎は20強人程度か。
客入れ：当日券、開演一時間前から。最後尾前に挿入した１列(15人)と前方下手端
(15人)。連休中日で人出が少ないのか、販売時でも10席ほど空き。いつものように
開場開演同時、場内トイレは使用不可なので注意。１０ブロックほどに分かれ、先
頭にプラカードもたせて、住宅街路の奧まで整列。係の人は具体的に番号を確認し
ながら誘導してて○。公演パンフ(1000)、ポスター(5000、限定30？部の大判リト
グラフ)。
三輪明宏さんの以来４年ぶりのマリー。万有引力の海津義孝主催公演。密か待望の
篠井・マリー（あと海津・下男も）が嬉しい今回。
舞台。紅い絨毯なサロン。段差つけた小ステージの小島。中央、柱時計を掛けた細
い柱に囲まれ、マリーさんのバスタブ、便座。手前階段の薔薇絵ワンポイントがな
んか嬉しい。下手に蓄音機置いたフローリング床と背後に無用階段。上手床は下手
と対。奧に縦横にひび割れた大鏡。３方壁にマリーさんの肖像画。後方と上手手前
に青空色が覗く小さな窓。客席側の左右、無用扉。天井にきらめくシャンデリア。
上演中は美少年達が生ける絵画、彫刻になってそこかしこに。
今回、何よりスズナリで上演してくれたのが嬉しいねこ。マリーの閉じた夢想世界
を実感させてくれる劇場だから。お客もサロンの一員。とすると、むさい野郎がつ
まらない。男性客は化粧（アイシャドーとリップだけでも）して「加工」すべき。
２，３年前シルヴィア座（元・状況劇場の人が主宰）つうとこの公演で、男性客は
みんな変態の設定、女装化粧してから入場させてたのあり（で、終演後に化粧落と
し類は渡されず、そのまま新宿二丁目の街にでるの趣向付き。）。何年か後の次回
公演で実現してほしいねこ。
お話。男娼・マリー（篠井）は美少年・欣也（内田）、下男（海津）と密やかに現
実の貧窮もどこへやらと雅やかに生活。マリーは体毛を日がな下僕に剃らせ、欣也
は外にでることを許されず、部屋うちで蝶を追う日々。とある日、美少女（鈴木）
が迷い込んできて。
カラフル、ムーディなマリー。「彼女」の夢想を具体化する、絵になる（つうかし
てる）美少年達のサロン世界◎。日本人離れに綺麗な子、現実的にセクシーな子と
とりどりで楽しいねこ。醜い女マリー（海津）の妄想にしても、ロッキーホラーま
たは世界の発明・新宿二丁目（(C)喰始）な趣のレビューショー仕立てで体現。人
間はその内で役者を演じている、そのままの賑やかな演出。原作の男根モチーフな
ど猥雑なイメージもコミカルにさらりと入ってて○。J.A.シーザー音楽なれど、い
つものプログレ色なし。タンゴ、ブルース、歌謡曲やらで、これも適時ムーディで
いい感じ。全体、あっちの世界にいけた楽しさある1.5時間。終盤、美少女〜欣也と
マリーの絡みがあっさり目印象に感じたのは、も一つ不満ねこ。
役者。内側に引きずり込まれるよな、凄みある三輪マリー。篠井マリーにその求心
力は感じないけど、まっこと綺麗であるほどに女に固執する切実さは一層。男と女
を行き来する変化も鮮やか。すらりとした美しい容姿、衣装替えはファンでなくと
もお楽しみ。年齢の切れ目ごととか、これからも上演希望したいねこ。精悍な容姿
とガタイに似合わない女装の海津さん。気恥ずかしげなお茶目ぶりを観られたのも
収穫。欣也役、内田君。ギムナジウムな萩尾世界まんまの美少年。はかなげないた
いけさ○。水夫役、由地さん。泥臭さもほどよいキャラ。ガタイの現実的セクシー
さは危険。美少女役、鈴木さん。危うい女装加減○。