＠初台・新国立劇場 小劇場 (1999/1/7-17 15ステージ) 全指定前売り当日共6500
作：A・エイクボーン 翻訳：池内美奈子ほか 演出：山田和也
美術：田中直樹 衣装：宇野善子 音響：井上正弘 照明：高見和義
舞台監督：石井みほ 制作：山本源太郎ほか
出演：
佐藤オリエ（ちとずれたのほほん主婦 シーラ）
大沢 健 （シーラの夫、フィリップ）
宮本裕子 （かつてフィリップと訳あり、現グレッグの恋人 ジニー）
安原義人 （ジニーの恋人 グレッグ)
1999/1/9(土)晴れ 1:30-3:15PM(1'40) 前方より 客席ほぼ満員(400人)
客層：老若男女。おじさまおばさま率が高し。まあ、チケット代高いし。
客入れ：開演１時間前から受付。当日券は後方中心に30席ほどが点在。2Fは1Fと
同一料金。前よりの席とったら見にくい平床で△。A4パンフ(1000)。ちと高め、内容
は平均。山田和也さんへのインタビューなどあり。開演前諸注意。携帯ベルに動揺
した俳優が演技を続行できない恐れがあるので切ってくださいとか（なんか最近の
コメディ系芝居の前説常套句かしら）
なんと30年以上前の作品。全然古さを感じさせず、後でパンフ読んで驚いたねこ。
舞台。グレー基調の壁にパステルカラーの調度、すっきりした女の子部屋。焦げ茶
の鉄骨然柱や壁がそのままのオープンセット風。花束がそこここに。中央壁際に朱
色のベット、壁やボードには写真、チラシなどが貼り付け。下手にモダンなエンジと
黄緑背もたれの椅子とテーブル。上手に明るい黄緑の洋服箪笥兼化粧台。上手袖
にキッチンスペースがグレーの衝立の影に。芝居後半、グレッグ夫妻宅に壁を変え
お庭テラス設定に。これもまたすっきり爽やか。
お話。恋人ジニーにいいよる男、それもおやじ？がいそうとちと悋気な青年フィリップ
彼女が訪ねていった「両親」にあって結婚を承諾してもらおうと、ジニーよりお先に
到着。そこで、彼女の元恋人なおじさんグレッグを恋人の父親と思いこんでしまう。
一方、グレッグは自分の妻シーラの浮気相手の疑いを青年に掛ける始末。そこに
ジニーが未練たらしいグレッグときっぱり別れを告げようと乗りこんできて。
思いこみと勘違いが見事はまったおかしさ。後半、展開が廻り始めるにつれ、くす
くす笑いが絶えない、巧みなシチュエーションコメディ。彼や彼女などの呼び方など
言葉の意味が２重設定。舞台上ではなにげに通じているのに、真相を知ってるお客
にはその誤解が可笑しくてしょうがないな。伏線もあれこれある混乱の面白さを
すっきりと判りやすく展開したホン◎。お客も知らない（伏線はちゃんとあるけど）
シニカルなラストをもってきたり、笑いの内に夫婦や男女の機微を浮かばせたりして
、まあにくい。微笑みないい気持ちで帰れるのが○。これで4,000円程度なら広く
お奨めできるのに高い料金にはうーんと二の足ねこ。
演出は(後半）ハイテンポ、からっと仕上げて心地よし。翻訳劇臭くないこなれ具合○。
とりどりキャラクターの登場人物への役者芝居の色づけもいい感じ。上演時間の
足りないくらいの短さもまた○。
役者。佐藤オリエさん。T.P.T.じゃ観られない、天然なおとぼけキャラ。笑いをとり
にいかないのにとても可笑しい、という役所を好演。安原義人さん。結構しつこい
キャラなれど、嫌らしさを感じさせない巧さ。のほほんとした風情○。大沢 健さん。
ベテランの間合いのよさ。宮本裕子さん。自然体の芝居に好感。