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 グローブ座 春のフェスティバル 《春のフェスティバル プロデュース公演》
 「どぽんど(陥人)〜ヴェニスで溺れて」

 @新大久保・東京グローブ座 (1999/3/24-28 6ステージ) 指定前売り4000当日4200
 作・演出:松村武 美術:杉山至+ZEST 照明:林之弘[六工房] 音響:伊東尚司
 衣装:加藤真理茂、木村猛司 立ち回り:桜月流美剱道 制作:ネルケプランニング
 出演:<配役もとねた>
 腹筋善之介[惑星ピスタチオ]  :バッサーニオ<ヴェニスの商人>/パルコポーロ
 小林愛[TEAM発砲・B・zin]    :ポーシャ<ヴェニスの商人>
 池田鉄洋[猫のホテル]      :アントーニオ<ヴェニスの商人>
 弘中麻紀[ラッパ屋]        :ヘレナ<夏の夜の夢>
 千代田信一[拙者ムニエル]   :ダンカン<マクベス>/ドローミオ<間違いつづき>
 今林久弥[双数姉妹]       :オセロー<オセロ>
 加藤直美[ベターポーヅ]     :デズデモーナ<オセロ>
 山崎樹範[カムカムミニキーナ] :イアーゴー<オセロ>
 泉陽二[東京オレンジ]      :キャシオー<オセロ>
 中坪由起子[Highleg Jesus]   :シコラクス<テンペスト>
 小手伸也[inner child]      :キャリバン<テンペスト>
 松村武[カムカムミニキーナ]  :シャイロック<ヴェニスの商人>

 1999/3/27(土)雨 2:05ー4:15PM(2'10) 1F最前列より 客席7割(450)
 客層:20-30才代中心。女性過半数。
 客入れ:3Fは閉鎖?、全体ゆるい客入れ。集客力、力足らずって感じ、ちとあり。

 小劇場の人気役者を集めたお祭り公演。グローブ座フェス参加作品。

 舞台。白木細工の宮殿と町並みがすっと。中央、運河な通路と奧に宮殿な門構え。
 上手小部屋に格子柄の戸板、アーチを描く柱。下手に煉瓦な家壁の連なり。

 お話。やりこめられた、ユダヤの商人シャイロック。これでは済ませぬとヴェニス
 の連中に復讐の企て。魔女シコラウスの力を借りて、アントーニオには権力欲の悪
 魔の甘言、友人でもある元首殺害の。おとしめた張本人なポーシャには金銭欲・賭
 事の甘い罠。相関関係図に連なる人々は次々と転がるように、罠にはまり墜ちて行
 く。満願成就と思いきや、無頼のよそ者が登場したことで、企ては思わぬ方向に。

 復讐の連鎖な物語をシェイクスピアな人物、筋書きをサンプリング、リミックスし
 て描く。美味いこと本歌取りしてるのにふーん、結構目茶してるのに苦笑いねこ。
 虚栄心に操られる、コンプレックス溢れた人々。その愚かさ、滑稽さな原作のポイ
 ントを押さつつ、ベタならず、おちゃらけるお馴染みのパターン。ノンストップで
 走る力ずくの勢い○。オペラアリアや映画音楽ぽいのの多用はスペクタクルさ醸し
 レトリックほどには深みがない台詞はいまいち。憎しみを浄化するラストは唐突印
 象でほよよ。後半の展開は松村さんらしいけれど、もっとシニカルなほうがねこは
 好み。

 役者。持ち味の役者芝居しながらも、台本に御されてる印象。アドリブぽいとこあ
 れど、バトルには至らず、してる暇もないよな。楽しませてくれつつ、物足りない
 欲求不満ねこ。あと。中坪由起子がクールに都度場面を締めてくれて○。

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