[ホーム] [月間一覧]  (本ページは劇団ページが出来次第、そちらにリンクします。)

 劇団 空中バレエ4th act 「No Salt on Her Tail」

 @神楽坂 die-pratze (1999/5/7-9 5ステージ) 全自由前売り1800当日2000
 作:深井散 演出:坂享宣 照明:三谷洋平 音響:染谷樹 衣装:園田ハルヲ
 宣伝美術:細田美装 制作:大田俊介
 出演:
 末澤陽子(緑子 一成と同居する「子供」)、坂享宣(一成 大学生)
 大庭亜希(有希 一成の友人)、川崎誠司(上原 会社員 一成の兄)
 関根雅史(渋沢 上原の会社同僚)、染谷樹(おっさん 緑子の父親)
 町田裕明(黒田 有希の元恋人)、神野ゑみり(元彼女 渋沢の元恋人)
 須田由里子(子供)、新清敬子(子供)

 1999/5/9(日)晴れ 5:10-7:10PM(2'00) 前方より 客席8割(50人)
 客層:20才代中心にとりどり。親類縁者?なおばさんもちらほら。
 客入れ:受付で荷物預かり積極的にあり。場内誘導、適時あり。

 初見。センス入ってるチラシ、劇団名からはどんな芝居か?、なんでいったねこ。
 舞台。こだわりありそ。部屋内を示す柱と鴨居に囲まれた中央、にベンチ、TV、
 、物置壁。PCの隣に立木と杭。両袖手前、壁に掛けられた服、バービー人形の家
 を置いたカラーボックスとか。三方の壁はレリーフをモザイク状に張りつけたような
 、しっかりした造り印象。衣装。ありげなシャツとかなれど、シーン毎にちゃんと
 着替えたりする。

 お話。一成は、小学生のようにも見える緑子とアパートに閉じこもり生活。兄や
 女友達・有希はそんな2人を気遣うが、なんか訳あり。というのも、一成と有希の
 一夜の浮気現場をみたショックからか、緑子は「子供」に後退してしまったからだ。
 緑子と一成の自閉をなじる有希。緑子と彼女の父親の再会。逃避しつづける緑子
 の前にも、否応なく現実は立ち現われる。留まることも進むこともできず、緑子は
 自殺、一成は1人取り残されるのだった。2人のお話と並行して若い恋人達、会社員
 のまあまあ幸せだけど、どこか不安なあり様も描いて行く。

 思わせぶりな前半、急転な後半。見えているのになかなか転がらない展開にうーん
 ねこ。ハスキーなヴォーカルやら歌、シリアス場面で文章する台詞は孤独感ととげ
 とげしさを醸すけど、ムードにたよりすぎに思えちゃう。なぞめきな主人公2人の
 関係をもっと細かに表現(演技、演出)希望ねこ。異常な状況にいる、その訳と
 気持ちが、説明無し進行でも感じ取れるほどだといいんだけど。取り巻く人々の
 孤独や不安が、2人と根元で繋がってるのは感じられる。でも、各挿話に時間を
 掛けたことで2人の存在が薄くなった、中途半端な印象もあり。

 文句ばっか書いたけど、若さゆえの脆さ、危うさ、今しかない彼ら自身の感覚が
 あるのがなにより○。その辺がもっと巧く表現されればなあと思うねこ。
 役者。末澤陽子さん。活き活きした眼と表情が○。

[ホーム] [月間一覧