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 カトリ企画UR 第3回公演「チェーホフのスペックII 熊/アントンのアングル」

 @横浜 STスポット(2012/2/2-5 5ステージ)
 http://www.stspot.jp/index2.html
 全自由 前売 事前振込2500円 PeaTiX取扱2500円 当日精算3000円 当日券3500円
  @那須 シローズアングル 1/29 1ステージ

 作:A・チェーホフ 構成・演出:鈴木史朗
 映像・音響デザイン:飯名尚人(dance and media japan) 照明:半田哲郎
 宣伝美術:大楠孝太朗 制作:菊池ゆきこ プロデューサー:カトリヒデトシ
 製作:(株)エムマッティーナ
 http://www.katorihidetoshi.com/kk/index.html

 出演:
「熊」41分
 大川翔子[劇団競泳水着]/熊川ふみ[範宙遊泳]:スミルノーフ(中年の地主)
 酒巻誉洋  :ポポー(若い未亡人、女地主)
 スズキシロー:ルカー(ポポーの老従僕)
 大崎美穂  :旦那の幽霊

「アングル」60分
 夏目慎也[東京デスロック]:ラネーフスカヤ(女地主)
 酒巻誉洋 :トロフィーモフ(大学生)
 熊川ふみ :アーニャ(ラネーフスカヤの娘)
 大川翔子 :ワーリャ(同養女)
 大崎美穂 :ロパーヒン(商人)
 スズキシロー:男

 2012/2/2(木)快晴 7:35-9:28PM(41/休11/60)中段中央 客席7割(23人)
 客層:20-30歳代男性7,8割。単独客中心。
 客入れ:ゆるひな壇にベンチ4列の通常客席。両壁に映像、客席側でパフォーマンス
 があるので後方のがいいのかな。好き好きでOK。折り込みチラシそれなり。パンフ
 A5 5ページ。挨拶、作品紹介、配役、スタッフ、予定。次回 7月 津、五條、京都。
 物販。テキスト?かなんか。 カーテンコール1回。

 劇評家カトリ氏セレクション。A.C.O.A.@那須 主宰・鈴木史朗、映像作家・飯名尚人
 を迎えてのチェーホフ モチーフ公演。

 ・熊
 舞台。クラシカルな家具調ステレオ、A.C.O.A.おなじみのトランクボックスを周囲に
 壁と詰み。
 お話。未亡人ポポーのもとに、熊のような男スミルノーフが突然現れ、生前夫に
 貸した金の返済を迫る。従僕ルカーも絡み、なんだかんだの末に2人は夫が形見に
 残して拳銃で決闘することになる。撃ち方を知らない未亡人に、男は撃ち方を教える
 のだが。

 まるっとまるごとファルス(道化芝居)。全員前を向き、大仰しごくな滑稽ぶり。
 通常演劇ファンには「低級」(笑)な演技を繰り広げ。ポポーは有閑マダム然、
 くねくねと動いて落ち着かず。スミルノーフは2人一役・シャム双生児と紅白紐で
 つながれ。女優2人は髭をつけ、口角泡を飛ばすやくざもんに分し。侍従は○眼鏡と
 耳飾りでコマネズミの体。旦那の幽霊は豚鼻をつけて、おどおどと様子をうかがい。
 哀感を忍ばせがちなそこらチェーホフを笑うかのような、全身喜劇ぶりが見事。

 ・アングル
 舞台。トランクを並べてベンチ。両壁に雪原に遊ぶ登場人物達の映像。客席通路に
 マイクスタンドを置き、娘役2人が影ボイスで常駐。
 お話。世間知らずの女地主ラネーフスカヤをピックアップした「桜の園」。

 ノースリーブの赤いドレス姿で装う女地主・夏目慎也が挑戦的。毅然と貴族演技、
 持ち前の集中力で真摯しごく、であるほどに滑稽、忍び笑い。彼女にスポットを当て
 周囲は空間演出内。声はすれど姿が見えない娘達は無邪気に浮き世離れ。他の登場
 人物は映像の中だけで、それ故の距離感感じさせ。女地主を案じるロパーヒンは、
 しかし豚鼻と俗物風刺。薄闇の中、女地主は登場ならびに退場、ラストシーンでは
 そのまま老侍従の台詞語りへと。疎外感の重り合いがしみじみ沁みるねこ。

 
 チケットは蝶型・グミ製。

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