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＠富士見 キラリ☆ふじみマルチホール(2013/3/5-10 9ステージ)
http://www.kirari-fujimi.com/
全自由(整理番号付) 一般3500円 前半割3000円 シニア（65歳以上）2500円
学生2000円 高校生以下1000円 リピーター割500円引き
作：W.シェイクスピア 演出：多田淳之介（芸術監督）
舞台美術:島次郎 映像:吉光清隆 照明：黒尾芳昭 音響:泉田雄太 衣裳:正金彩
演出助手：郷淳子 舞台監督:伊東龍彦 宣伝美術:内川たくや
主催：財団法人富士見市施設管理公社 助成：平成24年度文化庁優れた劇場・音楽堂
からの発信事業」
出演:
米村亮太朗［ポツドール］:旅役者、王子、ハムレツト
大鷹明良 :旅役者、新王、クローディアス
内田淳子 :旅役者、王妃、ガートルード
大塚洋 :旅役者、大臣、ポローニアス
山縣太一［チェルフィッチュ］:旅役者、道化、ホレイショー
榊原毅 ［三条会］:旅役者、大臣、レアティーズ
斎藤淳子［中野成樹＋フランケンズ］:旅役者、王妃、オフィーリア
猪股俊明 :旅役者、先王、亡霊
佐藤誠 ［青年団/渡辺源四郎商店/東京デスロック］:旅役者、幼なじみ、ローゼンクランツ
福田毅 :旅役者、幼なじみ、ギルデンスターン
山内健司［青年団］:旅役者ほか
夏目慎也［東京デスロック］:旅役者ほか
土田祐太 :旅役者ほか
2013/03/09(土)晴 2:00-4:31PM(2'31)あちこち後方 客席9割？(90人？)
客層：学生〜じじばばまで、20-30才代を中心に幅広く。男女半々。
客入れ：整理番号順に入場、開場時30人ほど。折り込みチラシそれなり。
パンフ A4 8ページ。芸術監督×館長対談5ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。
次回公演。7月「シンポジウム」＠STスポット、キラリ☆ふじみ。物販なし。
カーテンコールなし。
多田淳之介最新演出、ホームグラウンドのレパートリーとなる作品初演。
趣向。原作を再構成、場面とも観客が移動して観劇。
構成。
1＠マルチホール 四方壁にスクリーン、床にてんでの方向をむいたパイプ椅子。
自由に座る内に大鷹さん演じる新国王と王女。留学先に戻ろうとするハムレットを
引き留める姿がビデオ上演。ついで夜のきらりふじみ野外に先王の亡霊が現れる映像。
2＠同 旅の一座の芝居上演。映像で配置図、椅子をもって円弧状になるよう
座席移動。原作にはないハムレット少年期と家族の芝居。一般の学校に通わせること
にするが、王族故に特別扱いは避けられず。反抗するハムレットはプロレスラーに
なると言い張り、ジム通い。ついで、留学生。かったるいと仲間（ローゼンと
ギルゼン）とだべる今時大学生なハムレット。賢いホレイショーと出会い、手下に
する。
3＠同 新王戴冠式 再び各自椅子を持ち、中央を通路にして両脇にわかれて移動。
オフィーリアとの対話、有名な台詞。新王の疑惑を暴くため、旅一座にお願い。
4＠メインホール（ここまでで1時間24分） 旅一座の暴露芝居上演。800人キャパの
劇場へ移動。王様と王妃、ハムレットとオフィーリアは二階席、一般客は１Ｆに
思い思いに座り。90人ほどなのでがらんとしてます。無言劇で殺人の一部始終。
王様は激高してでていってしまう。
5＠マルチホールの２階。7分ほどメインホールで「観劇」後の移動。
床には畳まれたパイプ椅子が散乱、中央に一脚のみ立ち。王妃とハムレットの対話。
レアティーズがハムレットに殺され。椅子を外向きにして円状に並べられる。中に死んだ
オフィーリア、ついで原作の死者達が内に入る。ハムレットは輪の外で悲しみの
表情を浮かべ、みつめる。椅子は再び畳まれ、床に散乱しておかれる。
ハムレットの孤独、アウェー感を表出。そんな気分とムードを醸す、贅沢で空虚な
空間演出を堪能するねこ。落ち着かない世情とも重なり、今につなげて新鮮。
全編現代口語で若者と親、上司との関係性として表現、親しみやすく。
つけたりカットしたり、原作をリミックス。決闘全員死亡のカタルシスでサービス
しない寸止めで気持ち悪く終わり、苦笑ねこ。合わせて移動型趣向で劇場小ツアー。
大ホールでの寸劇上演は贅沢な虚無感があって、宮殿のそこら体感させ。
米村ハムレットは今時の若者、クレバーも暴力的で鮮烈。どうしようもない取り
残された絶望感ハンパなく、号泣寸止めなラストの表情が印象ねこ。
アフタートーク 4:36-7:03PM(27) 半数居残り
多田淳之介
解説も野暮だが。レパートリー作品として自分は2作目、他のアーティストの方も
創られている。この劇場しかできないように思われるかもしれないが、構造上は
どこでもできるので、興味を持った劇場関係者は声かけしてほしい。
上演を決めたのは一年前。経緯はパンフに書いてあるので時間があるとき読んで
ください。この舞台をみてもわからないハムレット。前半は突然おわるがと、
粗筋を説明する。今回除いた最後決闘場面のこと。最後は偏見だけど、フォーティン
ブラスに国家を取られてしまって終わる。映画があって、4時間、結構面白い、
字幕も味わいがある。
演劇をみることは何か、どうやったらハムレットの気持ちが判るのかと、稽古場で
俳優と話していた。東京デスロックでシェイクスピアは4作、次はオセロかと。
戯曲を口語でやるのは初めて。普段はそのまま上演するが、俳優にやってもらって
台本にしていった。ほとんど原作通りだが、子供の頃ハムレットがレスラーを
目指していたというのはねつ造です。
シェイクスピアをいろいろな形でできたらと。ファンが多いのでいろいろ言われて、
やりがいがある。まじめに演出するのが多い。韓国の俳優とやってことがある。
翻訳を送ったら言葉が堅いのでおじいさんだと思われてしまい、会ったら驚いて
いた。韓国では翻案するのが普通でこれはショックだった。日本人は判るのかと
聞かれて、判らなくとも日本人はみていると説明した。
ハムレットの初演は1602年、関ヶ原の合戦のころ。英語が古いので英国の大学生は
ウザいといっている。劇場も外でやった。今の日本でどう上演するのか考えるのも
面白い。
質問コーナー
Q1 キャスティングについて
米村のハムレット。長いつきあいでポツドールで共演したこともある。なるべく
現代的な人、ナイーブだけど凶暴性がある人として選んだ。彼はコワモテだけど、
実際はナイーブ。悩んで芝居をつくる姿をよくみる。悩んだ末になぜか破天荒な
結果になってしまう。三浦大輔の岸田戯曲賞の授賞式でとっても嬉しくて祝いたい
気持ちがいっぱいになり、悩んだ末にスゴい格好で現れた。ハムレットぽい。
大鷹さんとは初めて、館長と話していて紹介してくれて。どんな要求にもついてきて
くれる方でありがたい。米村とは同世代感覚でつくれた。
Q2ハイライトの決闘をなぜカットしたのか。
お客さんをハムレットにしたかった。終わらせたくない。王妃の部屋で帰って
もらってもいい。ハムレットが決断する前の姿は僕らの日本人の姿。中途半端に
終わらせたかった。to be not to be は如何様にも翻訳できる。日本はどっちに
いくのか判らない状況にある。死んじゃうのでハッピーでない印象が残るだろうが。
Q3 音楽にムーンチャイルドを使った意図。
曲調が大事、庭園とか人が来るイメージがある。自分の事情だが、キングクリムゾン
宮殿の5曲目。有名な曲の前に10分前の、うぉーまでの寸止め感。ムーンチャイルド
が聞けなかったらイヤという寸止め。あと、ベルベットアンダーグラウンドの
シャドーという曲を何カ所かで、鏡がキー。なぜか偶然にもシェイクスピア・
シスターズというバンドがカバーしているので聞いてみてください。
ハムレットを今回初めて観た人、きらりふじみに初めて来た人を挙手アンケート。
どっちがマイナーかという。
キラリ☆ふじみについて。多目的に使われるので壁が黒ではないこと。千秋楽は
売り切れだが、椅子はいくらでも増やせる公演なので、とりあえず来てみてといって
ください。
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