むっちりみえっぱり 第4回公演「地肌すぐ」
＠小竹向原 アトリエMODE (1999/9/17-19 5ステージ) 前売り500当日700
作・演出：むっちりみえっぱり 舞台監督：石山金光 照明：猪川哲 朗
制作：淵上愛亜、吉田麻子 チラシ：古谷充子 主題歌：MY SHOWER TIME
ＣＧ制作：小柳晴美 スタッフ：江藤純、小早川晋、中道智子、二本木克好、
前田雄輝、小早川晋
出演：
江川瑠衣：SUMIRE（丸えみ子） 現役人気アイドル。SAKURAとミュージカル同期。
佐藤沙恵：RUN （川勝綾子） 鉄人レースに努力の人。
鳩口徳子：PANSY いまは仕事がなくて暇すぎて、自閉ぎみ。KIKUに
ペンギンがいる北の国？でスカウトされる。
古谷充子：SAKURA（片岡未咲）「アニー」で主演なミュージカル出身。仕事なし。
山本由佳：UME （小川乃笛） 巨乳を売りにされるのがいや。後に巨乳をやめる。
吉田麻生：KIKU （菊池・J） 姉御な存在のマネージャー。一目置かれてる。
突拍子なく意味不明なるも、妙に重みある発言する。
小手伸也：伊藤としあき（写真のみ出演。イケテないアイドル。SUMIREとラブラブ）
1999/9/19（日）曇 2:05-3:50PM(1'45) 後方より 客席満員(60人)
客層：２０才台男女中心。カジュアルな装いな学生ぽい。友人知人が多そう。小手
伸也さんも前列で観劇。
客入れ：整理券はなし。きびきび受付、誘導。奥から詰めるのはこの劇場のやり方。
劇中歌？のテープ物販（300円だっけ）。パンフが奇天烈。「いさみ」つう寿司屋＊
のお品書きの中にとじ込んであるもの。なにかと思ったねこ。客入れ音楽がオリジ
ナル？。ラフでかわいいな。劇途中で停電あり（なんでも金曜もあったとか）、最初
演出かと思ったねこ。＊タウンページでみると、全国で１８８店（いさみ、勇）あるんね、
って閑話休題。
ＨＰみると、世田谷田谷パブリックシアター・ワークショップで知り合ったメンバで
結成したよう。今年のガーディアンガーデン最終選考にノミネート、一躍注目に
みにいったねこ。
舞台。稽古場、たまり場、合宿所。板敷き、周囲に雑多雑貨、マンガやらをいれた
棚、箪笥。服が脱ぎ散らかし、コタツ布団引きぱ放し。壁際にＣＤ、雑誌。片付け
なさ〜い。これでいいんだから、お父さん触らないで！な娘部屋模様。「アニー」
ポスターは良けれど、ユンケル・タモリ看板は解せぬところ（PANSYキャラ趣味）。
前方に１畳の上がり台、将棋など指すもよろしかろうな。背景壁に一面大スクリーン。
クレジットのスライド、ＴＶ番組なビデオを投影。
お話。１年ほど前までなわとびアイドルとして一世を風靡したグループ「Someting
to Dring」。暇そうな見た目どおりに今は仕事無し。一部の子だけは売れてるけど
大抵閑古鳥。メンバーそれぞれに思うとこあり。ＵＭＥは巨乳を売りにされるを
反発、それより学級委員になって憧れの彼とうふふ(ハートマーク）と逃避行・夢想
中。それを諌めるように仕事をもってくる、ＫＩＫＵは元ロックンローラー？。発想
がとっぴ過ぎて、ついていけないその会話。でも、妙に説得力ある感じで渋いし。
闊達な普通の人ぽいＳＡＫＵＲＡ。まっとうそうなのに仕事ほんとなくて、とほほ。
彼女にミュージカルの主役を取られた過去をもつ、売れっ子のＳＵＭＩＲＥ。沼津
がいかに大都会かとしょうもない、不毛なお国自慢バトルをＳＡＫＵＲＡにしかけたり。
可愛いけど、憎たらしさ無自覚にだして。そんな中でキャプテンって感じに
八方美人なＲＵＮはいい人。なわとびしながら歌うアイドルを着想した本人は
スポーツ努力の健康人。そんな、いい人や売れっ子に挟まれて、とりえがない自己
嫌悪のＰＡＮＳＹは土壺にはまってさあ大変、無気力に一人落下中。だからって、
とうもろこしを足で寄せては何をか訴えようとされても・・。と、周囲は困惑しつつも
ほったらかし。そんな彼女達のてれ〜としたつかみ所のない日常を、身内の事件
まじり、痛々しさやら多感な少女ぽさも、ちと交えつつ、スケッチしてく。
たらたら、きゃいきゃい、時にとげとげ。およそ肩から力抜けた会話模様が楽しい
ねこ。キャラは概ね脱力なのに、やたらなわとび上手だったりが、うーんなんとも
いい。挿入歌の笑らける歌詞、ナイスなメロディ一が観終わって、じわじわお気に
入り中。テープ買えばよかった（入ってた？）。現地潜入ルポ番組ビデオのなんか
抜けた加減、スライドのすらっとした使い方もいい感じ。
一見ナチュラルでかわいげな外観に、いがみあいやら焦燥の醜さ内面もぽちぽち
浮上。ファニーで残酷。それも泥沼化させず、醸す程度で軽く過してく、クールさあり。
どんどん飛んじゃう会話、展開ねたの囚われない感性が瑞々しい。なわとび
アイドルの発想からそう。キャラはとりどり。捻ったへんてこさ持ちつつ、くっきり起ち。
高じると意味不明な言葉を放つＵＭＥ（途中から巨乳を即物的にやめるわがまま
ぶり） なに考えているか？な、なんか凄い唯我独尊な集中力キャラのＫＩＫＵ
（アドリブぽい会話あるんだけど、だとしたらなおさら注目の吉田麻生さん演じ。）
脱力の具合が堂に入っている、ＰＡＮＳＹとか。
ラストがいきなし劇的。疎外感に自閉なＰＡＮＳＹ。熊と化して、幸せな周囲を
食らい尽くす。酷いけど、ぽわりんとファニーな鬱積イベンジ模様が○。
全体、型にはめられた完成度をな既存エンゲキにない、ラフな魅力。おじサンが
まぶしい、彼らが言いがちな遊び感覚ですか。日本の女の子達のキュートさ、
自在さ、クールさがあって◎。珍しいキノコ舞踊団と同種の愛情を感じちゃてるねこ。
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