ナイロン100℃ 22nd SESSION「ノーアート・ノーライフ」
＠下北沢 本多劇場(2001/11/1-13 16ステージ)
http://www.honda-geki.com/honda.html
全指定 前売4500円 当日4800円
作・演出：ケラリーノ・サンドロヴィッチ
舞台監督・美術：福澤諭志＋至福団 照明：関口祐二[balance inc.]
舞台美術アドバイザー：池田ともゆき 音響：水越佳一
衣装：山本有子［ミシン☆ロックス］ 映像：上田大樹[instant wife]
演出助手：相田剛志 アートディレクション：日比野克彦 宣伝美術：カトク
宣伝写真：桐島ローランド 制作：花澤理恵 企画・製作：（株）シリーウォーク
出演
みのすけ：ヒライ（売れない芸術家）
山崎 一：タイナカ（その仲間）
三宅弘城：オケタニ（その仲間）
温水洋一：ユハラ （バーテン）
大倉孝二：メグリ （新参の人）
廣川三憲：モズ （口うるさい人）
大山鎬則：トニー （ブローカー）
吉増裕士：スケダイラ（強面の人）
東京公演（アナザーバージョン）1/8、11 下北沢本多劇場
作：ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出：タイチ（静かの海）
出演
阿部泰明、伊藤弘雄、大江雄一、佐藤剛成、柴田雄平、西永貴文、日栄洋祐、
柚木幹雄
2001/11/11(日)快晴 2:05-4:45PM(75/休15/70) 前方より 客席超満員(450人)
客層：20-30才代中心。女性過半数。コメディ好き？のおばさまＧｒも数組あり。
客入れ：当日券。通路補助30以上、階段席あり。折り込みパンフ。キャスト、データ
Ｓ、予定収録。次回公演、フローズン・ビーチ再演。
物販。多数。パンフ（1700円 25cmレコード大 48ページ。エンボス模様の表紙
やらアート指向。デザイン：日比野克彦×カトク、撮影：桐島ローランド）KERA、
いとうせいこう対談、時代背景の説明が親切。Ｔシャツ(2200円)、ナイロンバック
(700円）、ライター(150円)、ストラップ(800円)。外で使えるデザインが○。
本公演は初のＤＶＤ化予定（発売来春）。
全国ツアーを控えての東京皮切り公演。
舞台。古ぼけた酒場にアート指向の調度品。上手、後ろの棚に酒瓶沢山のカウンター
下手入口とのくすんだ紫の壁は一部アーチやら、ロココの趣。入口前に帽子掛け、
メタリックなシンプルなガラステーブル、赤、黄、白の曲線たっぷりの椅子。
２，３段前方にさがり、下手壁際に古風なジュークボックス。階段前になんかこう
玉の回りにワイヤーのオブジェ、中央、メタリックなガラス長テーブルとトルコ
ブルーのシンプルな椅子。上手、アーチを描く開口（トイレ入口）その手前に高い
ストールと半月のカウンターテーブル。
お話。1970年代、パリ。ピカソがたむろってたラパン・アジル（ＨＰ 注・曲鳴り）「地下」
にある日本人だらけの酒場。時代や常識とずれている、才能がないアーティストの
吹き溜まり。日本人なのに自称スティーブの新米バーテンは店のことがなんも
わからない。今日も意味もなく偉そう、作家志望のモズに酒瓶の場所を聞いている。
メグリがなんかいつも忘れ物をしている。タイナカはしょうもない自作の絵をオケタニに
穴をあけられて激昂中。ヒライはタイナカの悪友、実はかつて恋敵。モズは流行歌の
作詞をＴＶ局のスケダイラに依頼され、〆切を煽られる。とヤクザな強面のスケダ
イラがスティーブを兄貴扱いしたことから、一騒ぎとなって…。
ずれた間の笑いで描く、挫折と絶望。突っ込み所満載の非常識な人々。勘違いと間違
いの微妙な間合いがおかしいねこ。いわば漫才みたいでわかりやすく、客席の絶えな
い笑いもなるほろ。タイトル「芸術なくば、人生もなし」にうむむのシニカルな顛末
人生のテーマ＝芸術を掲げて見栄を張り、結局、芸術も人生も満足に得られない男達
悪意を感じるほどのダメさ加減に哀歓滲ませ、味わい。とわいえ、クールでドライな
視点は関係性に主を置き、個々人に感情移入を許さない印象。器用に面白いけど、
ちょっともの足んないのは、このせいかしら。
役者。個性と巧さの男役者を揃え。もういるだけで○な。名優・山崎一。偶然成功し
誇りをもちつつも後ろめたく、自虐する姿を痛々しく。しみじみねこ。
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