日本総合悲劇協会 vol.3「業音 ごうおん」
＠青山一丁目 草月ホール(2002/10/9-26 20ステージ)
http://www.sogetsu.or.jp/begin.html
作・演出：松尾スズキ 舞台監督：青木義博 照明：佐藤啓 音響：藤田赤目
舞台美術：星 健典 衣裳：戸田京子 振付：康本雅子 音楽：伊藤ヨタロウ
宣伝美術：松尾スズキ、齋藤 拓 ロゴデザイン：吉澤正美
演出助手：大堀光威、佐藤涼子 制作：長坂まき子
出演：
荻野目慶子：荻野目慶子
片桐はいり：片桐
村杉蝉之介：友和
皆川猿時 ：皆川
松尾スズキ：松尾
伊勢志摩 ：志摩
内田滋啓 ：克夫
平岩紙 ：粥
康本雅子 ：踊り子
2002/10/12(土)晴れ 7:05-9:01PM(1'55) 中段より 客席超満員（540人）
客層：20歳代中心、女性過半数。学生か名残学生な印象。
客入れ：当日券は電話予約、あまりがあれば劇場で直接販売と掲示。入り口でカメラ
チェックあり。張り出し舞台 SC最前列〜SE、Ａ〜Ｋ列と並び。千鳥配置＋スロープ
で配慮、意外と舞台に近いのが○。折り込みパンフ。A4 1枚。配役、スタッフ、
次回予定。次回公演。新春1/3 グループ魂ライブ。ゲスト多数、とか。
2月「ニンゲン御破算」チケット争奪戦必至の出演者。本チラシあり。勘九郎と松尾
に思わず笑い。物販。今回用はなし。
松尾スズキ久々のＰ公演・日総悲。赤裸々自叙伝が同時期に出版された、イッテる
演技◎の荻野目慶子を前面にして。
舞台。真っ白。巻き貝の螺旋一部みたいな壁。下手側に凸、上手〜中央凹の組み合わ
せ。ど真ん中は、ほとんど布で覆われ、開演後まもなく撤去。覆う布のっぺらな壁に
仕掛けの様子。人型の輪郭、ドア、タンス引き出し、小さなモニタスクリーンとか。
お話。母親介護を負っている新進演歌歌手はもうぎりぎり。なのにこの上、加害事故
もう上の空。被害者はとんでもない女傑。すべてを支配し、亭主も隷属の身。へん
てこな使用人がやたら絡むのも、実のところ愛情の現れ、歪んでいるにしても。
さて亭主、妻不明に愛の行方不明、茫然自失。演歌歌手はさらに彼の彷徨う愛を負う
ことに。それって、不幸中の幸いかも？。でも、予想もつかぬどんでん返し、生き
地獄が待っていて…。
松尾スズキ SIDE-B。懸命健気に、面白さとは別のところを見せる力作。複雑な事情
に、単純な切ない恋慕がぷかり。いい人すぎて生きづらい、主人公二人の薄幸さに
泣けてくるねこ。振り回し、脅したりすかしたりの周囲は一見奇天烈キャラ。
でも、自分を創造しすぎちゃって、自己喪失。自分探しあるいは暴走のこれも哀しい
顛末。対象キャラをおいて、他の人間臭さ対照。絶対強さなアンドロイドみたい妻・
伊勢志摩、飄々と場を空に描く踊り子・康本雅子◎。
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