＠森下 ビニサンピット(2005/10/9-11/13 42ステージ)
全指定 前売当日とも 一般5000円 学割3000円
地方公演下記
作・演出：永井愛 美術：大田創 照明：中川隆一 音響：市来邦比古
衣裳：竹原典子 舞台監督：菅野将機 歌唱指導：日沖和嘉子
宣伝美術：マッチアンドカンパニー 宣伝写真：ノニータ
宣伝ヘアメイク：武井優子 制作：弘雅美、安藤ゆか
出演：
戸田恵子 ：仲ミチル（音楽科講師）
大谷亮介 ：与田是昭（校長）
小山萌子 ：按部真由子（養護教諭）
中上雅巳 ：片桐 学（英語科教師）
近藤芳正 ：拝島則彦（社会科教師）
2005/10/15(土)曇 2:08-3:50PM(1'40) 後方下手より 客席満席(170人)
客層：大人よりの老若男女。いつもよか男性(中年層）多く、4割方。
客入れ：当日券不明。結構勾配の雛壇に21×8列で見やすし。折り込みチラシ、
それなり厚さ。折り込みパンフ、いつものA5冊子6ページ。配役、スタッフ、
年表。次回講演。来年9/30-10/15＠パブリックシアター 樋口一葉の半生「書く女」
物販。パンフ(B5 20ページ 500円) 石坂啓×永井愛対談、日の丸・君が代をめぐる
年表収録。カーテンコール3回2分。
都下高校の「君が代」斉唱問題を巡る、永井愛新作。当初、英国劇場との提携作品
として企画も、英国人には理解不可と却下されたとか。ふーん。
舞台。極度にパースが効いて歪んだ学校保健室。直ぐ上には日の丸を掲揚した屋上が
乗っかり。正面奥にベットと薬収納庫。上手入口と壁沿いに机、黒板。下手側に校門
が見込める窓。手前中央にソファ、ガラステーブルと椅子。壁同様、引き戸、黒板ら
も末広がりに傾斜が付き。扉など立て付けが悪くないから不思議。
お話。都立高校、卒業式の朝。校歌、君が代のピアノ伴奏を命じられた音楽講師。
元シャンソン歌手の彼女、実はピアノが下手。練習のしすぎで休んでいるところへ
心配した校長がやってくる。今年こそ教育委員会の指示通り、滞りなく君が代を斉唱
し、卒業式を進めたいのだ。しかし、音楽講師はただでさえ下手なのに、コンタクト
を無くして、ピンチ。社会科教師から度が合うメガネを借りようとするが、なんと
彼は「君が代」斉唱反対派だという。
深刻テーマを骨太の笑いで描く、巧者永井愛の真骨頂。ある種の極限状態から人間性
を描く、シチュエーションコメディ。堅くいっちゃうと、国家と個人の軋轢、個人の
尊厳や自由つう、万代不易の問題へどうあるか。を、門外漢からみれば馬鹿らしくさえ
感じられ「君が代」斉唱強制を巡る、どたばたコメディの中に浮かばせていく。
理屈でなく、丁寧な人間ドラマで描くとこに、面白みと説得力あり。鋭い観察と、
通底するいじましい人への愛情。分かり易くも味わい深くものとしてるのはいつもながら。
斉唱不起立派の社会科教師、実は弱腰、でも譲れない信念を必死に守ろうとする。
強硬手段にでても推進したい英語教師は、「理想の改革」に燃えるおぼっちゃま。
養護教諭は、知らぬぞんぜぬとずるく距離をとる無関心派。七転八倒して説得する
校長は、立場の異なる不起立派も理解し、幅の広さをみせる。コメディアンな音楽
講師は自らを照らし、弱きものへの理解、人生の機微を知ることを覗かせる。
など。勝ち負けでなく、人と意見がそれぞれ対等の立場で描かれているのに感服。
立場を越えて、個々人が向き合っていく後半、とりわけラストの愛しみにはしみじみ
ねこ。内心は自由、外心に転ずれば法度というわがままを平然と放つ、困った
偉いさん等へ見せてやりたいねこ。
役者。反対派・近藤さん。とりわけ健気、誠実。哀しさと雄々しさをともに伝えて
味わい。校長・大谷さん。包容力、大きくでもいじましい、人間的魅力大。音楽講師
・戸田さん。晴れやか、微笑みの中の影もまた魅力。
全国ツアー
＠長野 まつもと市民芸術館 実験劇場 11/17 1ステージ
＠滋賀 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール 11/20 1ステージ
＠大阪 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ 11/23 2ステージ
＠岐阜 可児市文化創造センター・小劇場 11/26 1ステージ
＠茨城 水戸芸術館ACM劇場 11/29 1ステージ
＠神奈川(橋本) 杜のホールはしもと ホール 11/30 1ステージ
＠愛知 名古屋市民会館中ホール 12/1 1ステージ
＠新潟 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場 12/4 1ステージ
＠亀戸 カメリアホール 12/6 1ステージ
＠宮城 えずこホール 12/8 1ステージ
＠神奈川（湘南台） 藤沢市湘南台文化センター市民シアター 12/10 1ステージ
［月間一覧］