＠与野本町 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(2007/6/22-7/1 9ステージ)
http://www.saf.or.jp/index.html
全指定 前売2500円
作：岩松了 演出：蜷川幸雄
演出補：井上尊晶 美術：安津満美子 照明：岩品武顕 衣裳：小峰リリー
音響：市川悟 振付：広崎うらん ファイトコリオグラファー：國井正廣
演出助手：藤田俊太郎、石丸さち子 舞台監督：山田潤一
制作：三崎力ほか
助成：財団法人地域創造 製作：財団法人埼玉県芸術文化振興財団
出演：さいたまゴールド・シアター 下記
2007/6/30(土)曇 2:05-4:39PM(1'10/休16/1'04)側面後方 客席ほぼ満員(300人)
客層：中高年中心に幅広く町内会な客席、お友達親類縁者関係多そう。女性7割。
客入れ：船尾デッキを囲むように馬蹄形客席、ひな壇6列で見やすく。サイドの追加
席（Ｏブロック）だったけど、後方のため見晴らしよく、問題なし。対面の客と役者
の集中を削ぐため、扇子遠慮のお願いあり。折り込みチラシ若干。折り込みパンフ
A4 10ページ。作演出他のあいさつ、写真付き配役、カンパニーの経緯報告など。
物販なし。カーテンコール 配置を変えて4分2回。
ただのじじばばで終わらないぞ！劇団、1年の訓練期間を経ての旗揚げ公演。岩松了
書き下ろしを蜷川幸雄演出という豪華版にて。
舞台。どかんとリアルサイズ、舞台奧方向へ進路をとる客船。後部デッキ両側、
海に向かい、白い椅子８、反対側にベンチ３。船尾近くに船内への階段入口。船首
側に大きく操舵室？、上部にベンチと万国旗がいく張り。船内位置にあたる会場内
トイレには厨房？らしきSE、懲りすぎ。
お話。ホテルグループをリストラされたベテラン授業員たち。幸い、海外の新ホテル
へ再雇用され、向かう船上。再就職の喜びと不安、はっきりしない職場への猜疑心。
残した家族への思い。同僚達との協調と反目など、一見のどかな日々も様々な感情
が入り乱れている。同船するホテル経営者が、40年前父親の反対から別れた恋人と
結ばれて結婚、パーティが開かれる。祝賀ムードも高まる中事件、漂流していた
難民達を救出。言葉が通じず、得体の知られない彼らによって、不穏な空気が漂い
始める。
パンフの顔写真と舞台の役者が一目瞭然くっきり一致。それほどに色濃くリアルな
個性が粒だつ群像劇。40人超と前代未聞の大人数も、まったく岩松了。穏やかさを
装いつつ、人間関係には小さな波風が立ちまくり、緊迫感絶えず。鋭く細心に描く
個々と関係性に興味津々ねこ。
難民の登場から、船上のピクニック＝戦場のピクニックに戦時下の世界とのどかな
日本へと視野が広がり。謎が深まる船旅、不安が拭えず、見えない明日。高まる
不安とカタルシスが未来図を暗示してるよで鳥肌立つねこ。
演出はオーソドックス、鮮烈なイメージでみせるのはラストのみ。個々と関係性を
じっくりと丁寧に描いていく。そんな人がそんな風にいる。それぞれの役者の人生
経験を裏打ちに、登場人物がリアルに立ち上がり。高年齢の役者、一個人として、
切迫、高揚感と喜びが伝わり、胸を揺すぶられるねこ。
役者。巧拙あれど、力強く、しなやかな演技には驚かされ。益田さん、石田さん
ら、押し出し（我？）の強い演技が印象に残ったねこ。
登場順（年齢)
上村正子（59） ：伏見（干しぶどうを配る）
益田ひろ子（62）：石田（月をみる）
高階菖子（71） ：桑江（黒衣につば広帽子）
美坂公子（61） ：浅香（そう気味 崎坂誉に甘える）
田村律子（67） ：川村（亡くした子供の夢をみる）
小林博（81） ：左（カメラじいさん）
加藤素子（60） ：つるえ（ピアノを弾く）
北澤正昭（65） ：崎坂誉（宇津井グループ担当）
小川喬也（69） ：多田（曲がったことが嫌い）
宇畑稔（72） ：安井（温厚なまとめ役）
重本恵津子（81）：山本（おっとり）
小渕光世（61） ：足立（名前を覚えてもらえない 桑江に好意的）
神尾富美子(71) ：木全（冷静）
寺村陽子（58） ：谷山（押し出しが強い女性達のリーダー格）
田内一子（61） ：土佐（詮索好き）
大串三和子（73）：山崎（船酔い勝ち）
滝澤多江（60） ：前田（疑心暗鬼）
宮田道代（58） ：豊島（まね演技をしておどける）
林田惠子（57） ：双葉
百元夏繪（64） ：みどり
倉澤誠一（62） ：藤田（やかましい）
遠山陽一（71） ：佐々木（海上を歩く妄想を抱く）
森下隆一（78） ：岡本
葛西弘（76） ：青木（ハイテンション）
大神信（71） ：伊力
関根敏博（77） ：松山
渡部純二（65） ：佐藤（まとめ役）
杜澤充英（71） ：ツトム（給仕）
吉久智恵子（62）：ヤエ（給仕）
佐藤禮子(73) ：タヅコ（給仕 ツトムの妻）
小林允子(63) ：ウメコ（給仕 含み笑いをする）
中村絹江(56) ：サキ（給仕 真と懇意）
中野富吉(76) ：崎坂啓司(宇津井グループ専務 誉の父）
宅嶋渓(68) ：宇津井真（宇津井グループの御曹司）
徳納敬子(72) ：月島久美（真の婚約者）
竹居正武(64) ：難民（リーダー)
西尾嘉十(71) ：難民
高田誠治郎(75) ：難民
中島栄一(76) ：難民
石川佳代(63) ：難民
谷川美枝(65) ：難民
森安恵(65) ：難民
永橋敏子(72) ：難民
渡邉杏奴(65) ：難民
茅野弘子(74)
高橋清(79)
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