＠渋谷 シアターコクーン(2008/5/4-27 26ステージ)
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/index.html
全指定 S席10000円 A席8000円 コクーンシート5000円
脚本：清水邦夫 演出：蜷川幸雄 美術：中越司 照明：大島祐夫
衣裳：小峰リリー 音響：友部秋一 主催：Bunkamura 企画・製作：Bunkamura
出演：
野村萬斎 ：斎藤実盛
尾上菊之助：斎藤五郎(実盛の息子。亡霊）
坂東亀三郎：斎藤六郎(実盛の息子)
津嘉山正種：藤原権頭
川岡大次郎：郎党時丸
秋山菜津子：巴
邑野みあ ：ふぶき
廣田高志 ：中原兼光
、大石継太 ：中原兼平
大富士 ：郎党黒玄坊
長谷川博己：平維盛
神保共子 ：乳母浜風
二反田雅澄：城貞康
清家栄一、岡田正、高橋広司、井面猛志、篠原正志、時田光洋、関戸将志、高橋行、
中村大輔、安斎芳明、加藤亮佑、窪田壮史 ：木曾軍、平家の兵
2008/5/11(日)曇 2:03-4:40PM（1'09/休16/1'07）1階最前方 客席満員(750人)
客層：20-30才代最多に大人寄りに幅広く。女性8，9割。
客入れ：当日券不明、立ち見はいたのかしらん。物販。パンフ A4 50ページ 1800円
写真と文章バランスよく。ポスター 大1000円小700円。 カーテンコール3回5分。
1980年初演作品。尾上菊之助＋野村萬斎の眼福共演にて。
舞台。横開きの紗幕壁を開けると、水墨画のような深山幽谷。吊り物あり、高い岩場
ありと、景観あれこれ転換。
お話。源氏再興の旗を揚げた木曽義仲、迎えつつ平家に老武将・実盛あり。かつては
源氏方で幼い義仲を助けたこともあり。息子の五郎は戦死し、幽霊となって父のもと
へ帰っている。五郎は実盛にしか見えず、周囲はすわ狂ったかと危ぶんでいる。
ついで、弟の六郎が義仲方へ身を投じてしまう。義仲は死に場所をもとめて、戦場を
彷徨。帰還した六郎は、父親達に狂気に走る義仲主従の有り様を暴露するのだった。
美しい俳優と場所で、人間くさい物語の味わい。疑心暗鬼から暴走する武装集団と、
幽霊の息子に本音を引き出されてしまう武将の父親。恐怖と優しさの二重写しに、
人の二面性が現れ、厚く深いタッチ。
柔軟な発想をもつ実盛に萬斎。飄々としながらもぶれのない有り様がハンサムで
素敵。超えられない父に愛情を持って寄り添う五郎に菊之助。中性的な風にそよぐ
花のような有り様が香しい。いいコンビだなあと微笑みをもって見守るねこ。
木曽軍の緊迫感ある痛い愛憎ドラマも、がっつり見応えあり。心を一突きされる
ねこ。ほか、口跡のいい役者揃いで耳に快感ねこ。けぶる森、澄んだ空らビジュアル
は淡色のしみじみ沁みる美しさで印象。
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