＠下北沢 本多劇場(2009/4/17-5/17 34ステージ)
http://www.honda-geki.com/honda.html
全指定 6800円
＠名古屋 愛知県勤労会館（つるまいプラザ） 5/21 1ステージ
＠大阪 イオン化粧品シアターBRAVA! 5/23-24 2ステージ
＠広島 アステールプラザ大ホール 5/26 1ステージ
＠福岡 北九州芸術劇場 中劇場 5/30-31 2ステージ
作・演出：ケラリーノ・サンドロヴィッチ
音楽：朝比奈尚行 美術：BOKETA 照明：関口裕二（balance,inc.DESIGN）
音響：水越佳一（モックサウンド） 映像：上田大樹、荒川ヒロキ
衣裳：前田文子 ヘアメイク：武井優子 演出助手：相田剛志
舞台監督：宇佐美雅人（バックステージ） 宣伝美術：雨堤千砂子（wagon）
宣伝写真：江隈麗志 宣伝衣裳：堀口健一（フロムアップ）
宣伝ヘアメイク：山本絵里子、浅沼靖 プロデューサー：高橋典子
制作：仲谷正資ほか 広報宣伝：米田律子 製作：北牧裕幸
企画・製作：シリーウォーク キューブ
出演：
峯村リエ ：女１（サトウケンタロウの母親）
山内圭哉 ：男１（サトウケンタロウの父親）
犬山イヌコ：女２（スズキサチオの母親）
山崎一 ：男２（スズキサチオの父親）
水野美紀 ：女３（サトウケンタロウの家庭教師）
みのすけ ：男３（サトウケンタロウ）
大倉孝二 ：男４（ユウチャン＝動物園の飼育係）
長田奈麻 ：女４（隣家の主婦）
植木夏十 ：女５（男１の母親）
藤田秀世 ：男５（子供達の担当教師）
廣川三憲 ：男６
猪岐英人 ：男７（刑事）
白石遙 ：女６（近所の女）
2009/4/18(土)晴 7:05-10:10PM(80/休13/89)中段上手 客席超満員(380人)
客層：20-30才代中心、おじさんちらほら、女性過半数。
客入れ：ロビーは花結構。長丁場なのでトイレなど留意。折り込みチラシ 極厚
タウンページ並。折り込みパンフ A5 4ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。
次回公演。9/28-10/12「未完成(仮題)」＠本多劇場。カフカ作品草案とか。
物販。パンフ B4 2000円。部屋に飾れる大判写真が素敵。読み物適度。ポスター
500円。カーテンコール3回3分。熱心で暖かい拍手が続き。
できる個性的客演を迎えてのKERA最新作。タイトルは、かつてのKERAバンド・
有頂天の曲からとか。
舞台。雨風に晒され褪めた家壁。中央に窓配置。家外に砂利、とこどここんもり。
調度をおいた屋内は淡く陰影を重ねてスモーキー。銅版画のような、いままでの
ナイロン美術にないムード。
お話。動物園前の3階建て古屋。ヒッキーの息子を守る母親、彼女の尻に敷かれる
父親。動物園の飼育係は頻繁と入りびたるが、家庭教師はなぜか長続きしない
模様。胡散臭い自称神様は、家庭教師を仲間呼ばわりするが、耳を傾けるものは
いない。そんなところへ、ヒッキーに息子を暴行された両親がやってくる。ほしい
のは反省と謝罪の言葉、ところがクレイマーよばわりされ、あろうことか言い
掛かり。怒る、いや狂う、どちらが？、どっちも！。
サスペンスとナンセンス、緊迫と弛緩の変事連綿の会話劇。得体の知られぬ暗雲の
元、面白やりとりが続く、珍しい前半。謎が明らかとなり、狂気、悪意が重なって
いく、日常的な毒気溢れた後半。
子は登場せず（いても分身）、親の視点で語られて浮かぶエゴ。その愚かさと悲し
さ。女の怖さ、男の情けなさもまた不条理の中の条理と浮かぶ。およそ笑えない
状況で笑いを誘う、恐ろしく見事なシリアスコメディ。
役者は狂っても冷静に演じ、ええ感じの体温の低さが文字通りクール。一重では
ない、曲者な人物像を台詞を超えて描いて、巧み。珍にして玄妙なKERA健在、
しかもこれまでのように常に新しい。演劇に飽きた演劇ファンにこそお勧めしたい
ねこ。
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