＠横浜 ヨコハマ創造都市センター・YCC 1F(2012/7/20-8/12の金土日 12ステージ)
http://www.yaf.or.jp/ycc/index.php
全自由 一般3200円 学生2800円 当日3500円
振付：矢内原美邦 映像：高橋啓祐 音楽：スカンク 美術：カミイケタクヤ
衣裳：スズキタカユキ、高木ポップ 照明：伊藤馨 チラシデザイン：岡本健＋
チラシビジュアル：カミイケタクヤ 企画製作：プリコグ
主催：ニブロール 共催：ヨコハマ創造都市センター 助成：芸術文化振興基金
出演：
小山衣美、絹川明奈、福島彩子、山下彩子
絹川友梨、金子愛帆、望月美里、高橋和誠、クリタマキ、富松悠、柴山美保、
前川はるな 門田寛生、佐々木至、武田祐美子、大庭りり子、木下毅人、中野太超
2012/08/11(土)曇 8:11-9:15PM(1'03)中段中央 客席超満員(80人)
客層：20-30歳代中心に小学生〜じじばば、洋の東西と幅広く。女性過半数。
客入れ：整理番号順に呼び出し。桟敷1、ひな壇に椅子4列。後壁際席追加。
折り込みチラシそれなり。パンフA4 3ページ。挨拶、プロフィール、ステッフ、
予定。8/24-25本作品 越後妻有バージョン。物販。前回作品DVDほか。
カーテンコール2回1分。
美術、パフォーマとも新メンバーが加わっての新生ニブロール 本公演第一弾。
舞台。レトロなギリシャ風柱が並ぶ、真っ白な空間。正面奥側に朽ちかけた外装の
シーソーが置かれ。上手奥に紙くず(の中に花瓶）の山。白と透明な風船が浮かび。
構成。前半カンパニーメンバー4人、白の衣装で破壊と追想、平安への希求と危機の
表現。後半は公募出演者が大挙、黒の衣装で絶叫し倒れては、何でも復活、絶望と
再起の表現。
・小山衣美ソロ、指を上げて伸びる、つれて泡沫映像が沸き立つ。時に炎上、時に
光線となって放射される。
・椅子をもってデュオ。最後に見た海の光景ら、床にテキストを投影してあれこれ。
花を供える。森の映像、歯科の記憶。頭に木の枝をつけたパフォーマ2。
・4人、沢山の風船を持りはしゃぐ、時に嫌悪の表情を浮かべ。跳びはねると映像も
それに連れ。花火のように泡沫もわき上がる。
・水中か、ブルーの暗がり。風船を破裂させ。床に座り、足と手を打ち付ける。
光の柱がそれぞれに立つ。打ち付け、膝を抱えて座る，繰り返し。
家具や日用品が奔流となって飛び去っていく空間映像。絶叫して倒れる。映像は
白黒反転を繰り返しながら、勢いは止まらない。
・黒い衣装の一団がくる。総員で絶叫、まるでサイレンのように鳴り響く。白い衣装
のパフォーマは七転八倒。一面に光線が立ち上がる。シーソーを反対側に打ち
付ける轟音。
・黒い衣装の一団ははしゃぐが、網に絡め取られて、連れ去られる。シーソーの轟音。
キノコのように沸き立つ雲の映像。黒の一団は紙くずを正面に持ちこみ、床に
埋め尽くていく。黒の衣装の女性2人が立ち尽くし、慟哭。
・葬儀社の仕事していますと、黒の女性(絹川）のモノローグ。クズの中に花があるが
いまはもう誰も気に留めない。女性部下の失敗をなじる男。女がもつ黒の布を
裁ちばさみで切ろうと追いかける女。いさかいが蔓延する。
・衣美ちゃんと呼ぶ声。心音のような、ミニアルのリズム音。縦の光軸が縦横に
ワイプする。みな倒れ臥す。2人だけロール。
・金属蓋を床になんでも叩きつける。シーソーを揺らせないかと押す。
・何度も叩きつける。一同復活。町など日常の映像。崩れる一同。女性2だけ残る。
・何度も叩きつける。ある男性は僕のことが好きなんでしょと女性に迫るが拒絶。
一同倒れる。
・何度も叩きつける。衣美？は倒れたまま。
・何度も叩きつける。一同復活。床にもんどり打って、やがて動かなくなる。
海原の映像。また一同起つ。衣美？の方へ寄ろうとして倒れる。
・何度も叩きつける。椅子だけを残して、一端去る。再び現れて繰り返す。
何度も男に抱きつこうとするが、力なく落とされてしまう。
椅子を投げつけ、返されてきたのを床に打ち付ける。
・衣美？へ、4人はバケツの水を投げ掛ける。引っ込んだ一同から呼吸の音。
シーソーが傾ぎ、轟音。衣美ちゃんは闇に消える。暗転、呼吸の音だけが残り
突然止まる。
ガツンとくる新たな衝撃作品。震災ら災禍彷彿の空間美術の中、痛み抗いながら
死と再生を繰り返す。映像ほかスタッフワークはより磨かれて素晴らしく、圧巻。
前半はカンパニーメンバーで、ニブロール持ち前の高速で激しい動き。激情を刻み
つけていくような追い込みに胸打たれ。後半は公募メンバーが来訪、黒で埋め尽く
され、全体を覆う映像では日常品が怒濤と流されていく。叫び、倒れ、復活する。
繰り返しながら、ずきずきと皮膚感覚で迫る世界の終わりと再生。ぎこちなく、
ぼろぼろになっていくパフォーマの有り様も相乗して、切実に迫り。絹川友梨の
包容力のある声と表情がその中で沁みる。同時、どうしても実感ができない災禍との
距離感、客観視にずきずきくるねこ。
アフタートーク 9:19-9:34PM(15)中段中央 8割方居残り
矢内原美邦、メンバー10人
以下、記憶を箇条書き、不正確なことはいわずもがな。
自己紹介
質問に矢内原さんが応え。
去年の3/11，12だけ吉祥寺シアターにいて、他は韓国にいた。どんなことが起こった
のか、ネットで公募したところ240件が返ってきた。韓国で作った作品の発展形と
なっている。起こったことを身体に記憶しないといかない、その作業をしたかった。
公募メンバーは3ヶ月前募集。絹川さんほかはベトナムにいたので後で合流した。
最初1時間20分あったのを早くしろといって、短くなっている。
エキストラは本番1週間に応募してきた順に定員になるまでどんどん採用した。
オーディションをしなかった、また脱落者は1人もいなかった。
この作品はここだけのもの。今後の妻有は3歳から80歳までのメンバーで別の作品に
なる。アジアでは津波は一層深刻な動きになる。東北にはいなくて、客観的に受け
取っている人とは表現が違う。
メンバーへ一問一答。どんな気持ちで踊っているのか。
武田？ みんなの空気を感じて、その一部になろうとしている。
クリタ 助からない人を助けたい、でも助けられなくて加害者になるかもしれない。
小山 水を掛けられた時は溺れた人の気持ちになって。
門田 走ることを意識して。
望月 12回繰り返すと、きれい事でなくなる。大切な人の香りが蘇るようにと思って。
カンパニーの違い
高橋 スピードが速く、瞬発力がいる、フル回転。ハイスピードでキャッチボールを
している感じ。
山下 いろいろの意味でしんどい（どんな風になにがと突っ込まれる）体力、身体を
どうつなげるか。リアルに感じられてくるけど、しんどい。
木下 これがダンスシアターかと。
やってみたいこと
柴山 良い意味で影響されやすいよう。
（だれだっけ？） まじめと言われるので、まじめでなくやりたい。心構えは
奢らず、ウソがなくです。
客席からの質問無く、終了。
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