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＠南青山 銕仙会能楽研修所（2025/05/28 1ステージ)
全自由 自由4500円 U25 2200円 ベンチシート（限定10席）5000円
仕舞
梅枝キリ（うめがえ）観世銕之丞
地謡 小早川康充、西村高夫、清水寛二、柴田稔
狂言 磁石（じしゃく）
シテ すっぱ 野村万之丞
アド 見附の者 野村拳之介
小アド 宿屋 河野佑紀
後見 野村万蔵
能 富士太鼓（ふじたいこ）
シテ 富士ノ妻 安藤貴康
子方 富士ノ娘 安藤継之助
ワキ 臣下 舘田善博
アイ 太刀持 野村眞之介
笛 一噌隆晴
小鼓 曽和伊喜夫
大鼓 亀井洋佑
地謡 小早川泰輝、青木健一、谷本健吾、長山桂三、観世淳夫、小早川修
後見 鵜澤久、浅見慈一
2025/05/28(水)晴 6:30-8:35PM(11/26/77/8)正面中段上手 客席9割(110人)
客層：3世代、子供連れ、学生〜ベテラン、女性8割。海外の方は見かけず。
客入れ：感染対策。手指消毒任意。いつものよう靴は靴箱へ、階段に座椅子席。
当日パンフ 機関誌 B5。
仕舞 梅枝 11分
お話。管弦の太鼓の役を巡って争いの果て、殺された男の妻。その霊が夫の舞楽の
衣装をまとい、夫恋しさを訴える。仕舞は女の霊が執着を払い、月下で舞うという
もの。
ゆるやかな素踊り、低い地謡が重なりあい、鎮魂の静けさ漂い。
狂言「磁石」26分
お話。遠江国に住む男が都見物の途中、近江国・坂本の市ですっぱに出会う。危うく
すっぱに売られそうになるが、察知した男は逆に自分を売った金を取って逃げだし。
気づいたすっぱは刀で切ろうとするが、男も負けずに自分は磁石の精だと名乗り、
太刀を飲もうとして…。
奇抜な発想のキャラと展開、磁石な男がゴジラ然と大口開けて立ち向かうのに受ける
客席。
能「富士太鼓」77分
お話。内裏舞楽の太鼓奏者を浅間と富士という二人が争い、浅間に決まったが、
なんでか浅間は富士を恨んで殺害してしまう。帰らぬ夫を尋ねて来た富士の妻と子は
夫の死を嘆き悲しみ、形見の装束をまとい、舞楽を舞う。次第狂乱の体となり、
太鼓を敵と打ちかかるが…。
執拗な恨みの表現が恐ろしくも、もの哀しい。リアル子役が健気。鼓を乗せた彩り
豊かな台がエキゾチック、親子の衣装がきっちりキレイな和服、一方狂乱の体で
女がつけるかぶり物頭巾が妖しい。色々見所あり。
能楽小講座 鵜澤光 8分
実は梅枝と富士太鼓は同じ題材。前提となる話しが違う。富士は奏者が決まっている
ところに落選、さらに浅間に殺される、ほっとけば良いのに。梅枝はこの逆転、富士に
決まり、浅間が憎んで富士を殺す。これで劇作が変わる。
富士では妻は旦那の霊がついて、太鼓こそ仇とうつ。直接的に怒りをぶっつける。
梅枝は打つというワードが少ない。妻は死んでいて、幽霊が形見の服を着て舞う。
狂乱というより恋慕、女の情念がふつふつと湧いている。
是非梅枝をみて、どう印象が変わるか感じ取ってほしい。
パンフレットに実際の事件に取材したと書いているが、実際は役を奪い合った事件では
ない。構成とか厳しくてよく揉めていた、貴族の争いが5回あったらしい。