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＠吉祥寺 吉祥寺シアター（2025/06/11-15 ステージ)
全指定 前売5500円 当日6000円 シニア4500円(70歳) ハンディキャップ割引4500円
学生2500円 高校生以下500円
＠京都 ロームシアター京都 ノースホール 6/20-21
＠岡山 ハレノワ小劇場 6/24-25
＠北九州 Ｊ:ＣＯＭ北九州芸術劇場 小劇場 6/28-29
作：ピンク地底人3号[ももちの世界] 演出：生田みゆき[文学座]
美術:杉浦充 照明:桜井真澄 音響:藤平美保子 衣裳:樋口藍 演出助手:岩佐美紀
舞台監督:八木澤賢 制作担当:栗原暢隆、佐藤結、鍋嶋大輔
企画:渡辺弘(岡山芸術創造劇場 ハレノワ 劇場長兼プロデューサー)
プロデューサー:名取敏行
助成：文化庁文化芸術振興費補助金（舞台芸術等総合支援事業（公演創造活動））、
公益財団法人セゾン文化財団
出演：
平体まひろ[文学座]：キリノアカリ(ユウスケの娘)
みのすけ[ナイロン100℃]：キリノユウスケ(アカリの父/キリノ工業社長)
鬼頭典子[文学座]：キリノカナエ(ユウスケの姉/アカリの叔母)
清水明彦[文学座]：近藤健人(拓也の父/近藤工業社長)
西山聖了[名取事務所]：近藤拓也(健人の息子/従業員)
松本紀保：筒井昌美(弁護士)
山下瑛司[文学座]：サカモトノリオ(従業員)
森尾舞[名取事務所]：ミドリカワ マキ(トラック運転手)
2025/06/13(金）曇 2:00-4:09PM(2'09)後方上手 客席満員（180人）
客層:3世代 学生〜ベテラン多め（2,3割）女性過半数。
客入れ:感染対策 手指消毒任意。通常客席 最後尾10列目まで埋まり。
バルコニー席も満員。当日パンフ B5 5ページ。物販。上演台本。
カーテンコール2回。
舞台。解体業者 休憩所。中央斜に大テーブル、パイプ椅子ら。
左手に母屋へのアルミドア。頭上にトタン屋根、後方に高く黒い壁。
下手にヘルメットら機材置き場、手前に灰皿スタンド。
お話。架空の日本、難民受け入れ政策で区域分けされる在日外国人達。
解体業を営むキリノ一家は日常、さらに娘の将来の進学でも制限を
受けている。そんな中、自由と開放を謳うトラックドライバーマキに
娘は惹かれていく。一方、政策が変わり、一家は苦境に立たされ、
在日外国人へのヘイトは激化していき。
3号さんの劇作素敵、もっと色んな舞台を書いて欲しい、観てみたいねこ。
来るべき日本、難民問題を取り上げるけど、何より生きている人の物語として
隅々まで血が通い、息づいているのが素晴らしい。思索、言葉で重くしない、
独特の「軽味」はしぱしぱ笑いを誘うほどで、小気味いい生田演出がマッチして
2時間超えも苦にならない。面白みと滋味のあるスパイシーさを堪能するねこ。
ミキ役・森尾さんがカッコイい、性差を超えて惚れるほどに。みのすけさんの
刻むような、しかし暗くはしない演技は流石。
アフタートーク 4:15-5:04PM(49)
ピンク地底人3号、生田みゆき、名取敏行 司会 濱田元子（毎日新聞）
3号（呼び方、関西では皆3号さん 3号 地底はやめてほしい。感想。）
書いたのは僕だけど、生田さん、俳優さん、スタッフさん達のお陰で手放せたな
思って見てた。観客の皆さんにも感謝。
3号（苦労が報われたと）フィードバックは細かくなく、名取さんからニッポンの
未来を書いてほしいと。なにをどう書くねんと。僕がOKしないとだめなので。
これじゃだめをとりあえずフィードバックしてもらい、最終的にこれに。
名取（現在進行形の問題）3年前、渡辺弘さんから川口のクルド人問題に興味ある？
と電話が来た。これには伏線があって、レパートリーで生田さんが演出した、
パレスチナの囚人問題を描いた「占領の囚人たち」、入管問題を描いた「ホテル・
イミグレーション」をやっていた。演出は生田さんとして誰に書いてもらうのか。
渡辺さん、生田さん共にピンク地底人3号と言ってきた。それは誰？と。
移民局問題に対する試金石になるかなと決めた。
生田 最初にプロットを読んで難しいと。燃える人が変わって、マキが別の人に
なったり。最初の読み合わせの時、素直に面白くなるなと。俳優への当て書きが
嵌まっていて。今日も沢山笑ってもらった。
生田（パレスチナとはちょっと違う問題のある戯曲。就労権のこと。）
持っている人間が描いてゆく居心地の悪さ、それとは別にクオリティーの両立が
ある。劇中のヘイトスピーチは実際の声を加工した。パレスチナと違う別の身近な
現実をいつも考えていて。
3号（日本人、在日、一種類かもしれないのに「壁」がある。）
私の企画なら在日の方に出演してもらう。出来ないなら、喋っている体（てい）は
イヤ。部屋の中は日本人だけ、外は異なるというやり方もある。「ざじずぜぞ」が
違うは、関東大震災の、から、危険とは思いながら書いた、生田さんOKだった
ので、ならいいかと。
名取 4回だめを出すと、作家は（名取の）好きにしてくれと投げる。今回最高の
8.5回、こんなにガッツのある作家は今までいない。
3号 書いたら何かしら出てくる話。
生田（時空をシームレスに展開）3号さんも考えてくれて、そうしていないところも
ある。屋根は落とすしかないと。
生田（みのすけさんの入管の場面でリアルからふと抜けたのがファンタジック
だった。生田さんのスタイリッシュな演出が良くて。）みのすけさんが歩幅など
計算して正確に歩く稽古をしていた。難しいのはあれ（収監されたこと）は
「私たち」のせいであって、演じているみのすけさんもそうだということ。
どうすれば誠実に痛みを伝えられるのかと。
（立場が逆転すると私達もそうなると、考えられる構造、普遍性のある戯曲。）
名取 好きな俳優を8人決めて当て書きしなさいと。アンサンブルを保てる人を
集める、役があってるかは興味がない、そこはプロだからあわせてよと投げる。
ベストキャスティングはいけない、幅がない。
3号 女だけで8人と言われて、渡していたプロットと違うと。男性社会の表象にも
したかったので替えてもらった。
3号（川口など現地にいってみて）(前略）僕は生活が書きたい、血が流れていて。
イギリスに半年住んでいたとき、日本人だと英語で言い返したことがある。
場所によってマイノリティ、マジョリティが変わる。知らずに傷つけている
だろうし。
生田 皆で在日クルト人を撮った映画を見にいき、帰ってからユーチューブの
予告編をみたら、コメントが露骨にヘイトばかりだったこと。
質問Q1 壁の意味。A生田 マックの解体での粉塵防止シート。最後のマック前で
記念写真を撮る場面は私が追加した。
質問Q2 意図 A名取 未来の日本。若い人は海外に出稼ぎに行く。自衛隊は65歳以上
で武器も持てない。今、現実に言葉が追いつかない、ならば未来を書かざるを
得ない。
A生田 観客に委ねている、一緒に考える問題。重いテーマならばこそエンタメに
したい。
A 3号 生田さんと同じ。問いかけで立ち返ったのは出会いと別れのこと。