＠渋谷・青山円形劇場(1997/9/30-10/5 8ステージ）
全指定前売り3500当日3800
原作：中島らも 脚本：山内圭哉 演出：わかぎえふ
出演：小市慢太郎、内田淳子、木下政治、野田晋一、三好大角、関秀人、
中井重文、及川直紀（復帰）、山内圭哉、磯川美樹、わかぎえふ 中島らも
1997/10/4(土)雨 3:00-5:00PM 舞台より下手席から 客席満員（300人）
客層：20才代中心。２、３人組が多そう。女性過半数。
客入れ：当日券、開演１時間前から。５０枚（掲示あり）。並び方やら丁寧に書
いた張り紙あり、親切。客入れ音楽は加藤和彦？。本編の前にＣＭビデオ。端の
席だと観にくくて、寂しいねこ。青山円形でちくわ投げって、なんか変ね。今回
もごちそうさま。
舞台。円形客席の奧２ブロックが舞台。中央円形部分の石畳舞台を馬蹄型客席が
囲む。西洋館お屋敷・前庭な造り。ブルーの柱、飾り付き窓と壁。蔦が絡まる。
テーブルと椅子、黒ソファ、ブロンズ頭像。
お話。人面魚なんて怪異な噂を追ってるライター。ろくでもないネタで流石に嫌
気な昨今。そんな折り、「白いメリーさん」の噂が。３度名を呼び、振り返ると
その者の命はないという。
らもさんのモダンホラーって面白い。こてこてゆるゆる中華ものは学芸会のり。
それもたまには○。けど、精神世界の深淵覗かせる、ホラーのがぐっと見せて
くれて、好みねこ。お茶の間呪術が登場。ナンセンス、と思っても呪いは恐い。
今回なら、振り返ろうとしてる、信じるつうか破滅を願望してる自分に気づいちゃう
から。今回は「白い」メリー。白はなんでもない、どこでもない。死でも生でもない、
宙ぶらりん。これは恐い、けどそんな状態を魅力とも感じることもあろうから、
人は不思議。哀しくもあったりする。なんか面白い。
で結局、ライター男は振り返っちゃう。下司な周囲に精錬潔白な性格、仕事や女
性に振られて×なきっかけ。それだけじゃ陳腐。だけど、説明をなくしたり、道具
立て：男の精神疾患を示唆したり、電波系老人の言葉を入れたりな趣向あり。
これがなんか得体の知れなさを醸し出してて○。上昇が止まらないエレベーター
に閉じこめられた２人も、無関係そうでその一片として、面白かったねこ。淡々と
過ぎる展開と演技が、日常的でしっくり。その分、潜在するものを際だたせて○。
鬼畜な人達のブラックな味わいもそう。
後半、ＴＶ番組場面で息抜きタイムがあったりと、ちょこちょこ笑いなサービス
忘れず。リラックスしながらもの緊張感が○。
役者。客演（小市、内田、木下 他）いてこその今回公演。内田淳子さんが◎。
やさしげでいて男二股な酷さ。計りがたい感じがミステリアスで○。
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