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＠下北沢OFFOFFシアター (1998/1/14-18 8ステージ)
全自由前売り3200当日3500
作：鈴江俊郎 演出：流山児祥[流山児★事務所] 美術：加藤ちか
出演：山本亨、植野葉子、米山恭子、岡島哲也、小林あや、佐藤和子
1998/1/18(日)雨 5:05-6:30PM 最前列より 客席超満員(100人、立ち見あり)
客層：老若男女。平均年齢層は高め(30才代？）。客入れ：開場開演１５分前。キ
ャパを把握した時間設定○。整列、入場の誘導はきっちり。
少人数でオリジナル戯曲をかける、流山児祥の新ユニット。鈴江氏1986年の作品。
舞台。舞台の壁一面にチョークで子供が描いたような絵。彩りなその内容は戦争。
飛ぶ戦闘機、投下される爆弾、破壊される家、兵士に撃ち殺される人。正面に大き
な瞳。夢にでてくるような、シャガールしてる人の姿も。
お話。戦時下のそばや。騒然とする周囲から切り取られたような場所。月見、星見
する親子の浮世ばなれなのどか。たわいなく騒がしく、おどけた中にある真摯な恋
生き別れた人との再会を願う、切ない切なる思い。ささやかな希望も叶わない過酷
な現実。そして戦争責任者への市井の人達の怒り、憤り。
ロマンティックな響きを感じさせるタイトル。その実は、手では自分が痛いと、靴
のかかとで顔を殴られる、その時目から星や月が出る、な残酷な所業のこと。この
印象はお芝居にそのまま当てはまる。あっけらかん、ユーモラスな味わいの「喜劇
」仕立て。微笑みには悲惨な現実が裏打ちされてる。
学徒動員に反骨の学生（山本）はいっそと志願し軍人に。恋しく思う子（植野）に
送る手紙には過酷な軍隊生活と、意味無く撲たれるリンチの苦しみが。勇気凛々、
ユーモアをもって綴られる、その文面の皮肉と悲惨。泣けてくるねこ。生き別れの
父親の消息を新聞に探す、双子の姉妹。尋ねる先で出会う陰惨な現実。その中で、
海のカモメをたわいなく眺める姿、死亡通知書を淡々と「埋葬」する姿にも涙ねこ
でも、生きて行く人の逞しさ、恋の高揚、怒りのばねが、全編にあり舞台を沈ませ
ない。これは生きていく人の喜劇だからなのね
役者の勢い○。山本亨さん。もうハイテンション。軍艦で波に揉まれる場面は、壁
にぶち当たり、はね回りの縦横無尽。ご苦労様でした。おばさん役の米山さん。も
またハイテンション。乗りが楽しい。植野さん。お団子、月が似合う、弓形の目に
なって笑う姿が愛らしい。