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＠目白 アイピット目白(2001/12/19-23 6ステージ)
http://www.jp-geki.net/stage/
全指定 前売当日とも3500円
作：スエヒロケイスケ[tsumazuki no ishi] 演出：松本きょうじ[t.p.t]
美術：大津英輔 照明：小木曽千倉 音響：岩野直人 宣伝美術：岩崎絵里
写真：武藤奈緒美 演出助手：松浦栄子 制作：ネルケプランニング
企画：ロマンチンコ（ハートマーク）
出演：
松本きょうじ[t.p.t] ：サクゴエ ヨシロー（老人ホーム 社長）
井沢希旨子 [流山児★事務所]：キシコ；ハブテル妻（サクゴエ マサル；その息子）
ぽん [石井光三オフィス] ：ムサイ(鈴木 ；違法滞在フィリピン人）
林伊織 [アルターエゴ] ：ダダクサ（ただくさ君。バイトに応募して採用され）
寺十吾 [tsumazuki no ishi] ：オサム（他人の家で引きこもり。マサルの恋人）
井関佳子 [フルミニ３] ：アミ（デリヘリ嬢）
？ ：ハブテル（老人ホーム 只一人の入居者）
2001/12/22(土)晴れ 3:07-4:34PM(1'27) 中段より 客席9割(90人)
客層：20-30才代中心、ときどき中年層。男女半々。
客入れ：全椅子席。前2列は平床、後方雛壇。横に広い舞台、床芝居時々あり。
見渡すなら後方、子細にみたいなら前方が○。誘導は頼めばあり。客入れアナウンス
はデパガ趣向。折り込みパンフ。Ａ５ 4ページ。配役、スタッフ、予定掲載。作家と
佃典彦の寄稿あり。スエヒロケイスケ次回作は6月tsumazuki no ishi公演にて。
物販なし。
くせ者作品を書くと噂のスエヒロケイスケ。佃典彦と組んでの第一作後、はやくも
新作。今回は声も掛けてもらえなかった、と佃氏のぐち文がパンフに掲載。
舞台。ごちゃごちゃとした地下部屋。中央から上手半分。楕円の大きな木製テーブル
パイプ椅子とピアノ用椅子。がらくた、積み木のツインタワー、電話４台。後ろの
壁沿い。食器タンス？の上に種々飾りもの。ガラスケースに花魁人形。日本刀、
トロフィー、レスリングマスク、ピコピコハンマーほか。脇に雑誌の山、灯油の
ポリタンク、ＣＬＡＳＨのポスター。上手壁に天井まで収納タンス。脇に出口、
浮世絵の暖簾、額には墨書で「百酒凌欄」。手前にビールラックの山。転じて、
下手。壁に沢山のフリスビー、間にゴミ缶の蓋とか。カーテンで仕切られたセミ
ダブルベット、脇にバット数本、ソファの椅子。
お話。いらつく奴らのその訳は腹がへっているから。それは「介護」している老人・
ハブテルが行方不明になっちゃたから、らしい。新人バイト君がおいおい知らされて
く、しりたくもない企みの数々、なんか駄目な人たち。偽装結婚で女になろうと
してる、ゲイの子。その恋人で居候してる他人の家で引きこもりしてる男。気位は
高いが口ばっかり、そのことに自らコンプレックスをもってる外国人。束ねる
「社長」は自転車操業、ベビーシッターのバイト。テレクラ、デリヘルも電話一本で
新人バイト君は呆れるばかり。彼はホームレスがために炊き出しをライフワーク、
のボランティ生き甲斐青年。も共犯に巻き込まれてく。
行方不明の老人は元ホームレス。宝くじで３億を当てた、らしい。金もってるし。
死ねばゲイの子な妻に遺産相続でがっぽり、のすんぽう。でも今は行方不明。どう
やってもみつからない老人。ホームレスへの炊き出し場にいたと目撃され。皿の中に
金を仕込んでいたという。引きこもりの告白、ホームレス達にベティ（地雷）を
作らせてる、それを工事現場を利用して地面に埋めてるだと。爆発するか、どうか
知らないが、テロる夢なわけだ。
さて、老人はホームに戻り。すっかり女性になって介護する、元ゲイの子。彼女の
作戦で社員は、今日も密かに地雷を工事現場に埋めてる。生き生きと現場に向かう
彼らに、かつての閉息感はない。相変わらず、老人は金を出しちゃくれないが。
さあ、今日もホームレス達に金をばらまく時間だ。
テロる理由は不明、でも、今の空気反映してなるほろ。大金せしめの犯罪が明らかに
なるにつれ、落ちこぼれ達の生きるに必死な姿が浮かび。真剣であるほどに可笑しい
様に、人を描いてく。喧嘩腰の会話、演技がドタバタ行き交い。ダメ人間逆切れて、
なお情けない笑い、ぽつぽつ。そんな荒くれと哀感を取り混ぜつ、突拍子も無い
パンキッシュな進行が魅力。
信管のない地雷を埋めていく、大金を無造作にばら蒔く。テロる夢、生活に必要の
ない行為が人生一杯一杯の人々を再生させて、皮肉。不可解ながら、世間と時代への
テロ、復讐ら負の行為に快感を感じさせるとこあり。理屈じゃない衝動、やんなっ
ちゃったからやっちゃえ、な今を映してふーむ。ちとロマンティック過ぎ？なとこ
は、演劇してるからかしら。
役者。常になく過剰な役者芝居。寺十吾さん。体温差が激しいキャラをものにして、
自由自在。怪しくも理性的、胡散臭さ◎。井沢希旨子さん。キレた男子、しっかり
もの女性を演じ分け、あったようでなかったキャラがお楽しみ。惚れ直しねこ。