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＠三軒茶屋 シアタートラム(2000/2/9-13 6ステージ）2/12S追加公演
全席指定当日のみ4,500円 SePT会員4,000円 ユース割引3,500円
原作：Ｇ.ビュヒナー 構成・振付：ジョセフ・ナジ 音楽：アラダール・リッツ
技術監督：レイモン・ブロ ブッキング：マルティーヌ・ディオニジオ
共同製作：国立ブルターニュ・レンヌ劇場、フランス国立オルレアン振付センター
日本側スタッフ 技術監督：眞野純 舞台監督：堀内真人 照明：斉藤茂男ほか
音響：松崎俊章ほか 機構：宇野三津夫ほか 制作：松井憲太郎
主催：フランス現代演劇の一年実行委員会 企画制作：世田谷パブリックシアター
出演：
ジョセフ・ナジ ：ヴォイツェック
アンリエッタ・ヴァルガ ：マリー
ペーター・ゲンザ、イストヴァン・ビケイ、デネス・デブレイ、
フランク・ミケレッティ、ジョセフ・サルヴァリ
2000/2/12(土)晴れ 7:35-8:35PM（1'00) 前方より 客席満員(200人）
客層：20（〜30）才代女性過半数。おじさんちらほら。
客入れ：追加公演、当日券のみ。販売時で90人列。開場は開演10分前（役者板付
きのため）。折り込みパンフ(A5）。作品解説、写真付き役者紹介収録。
フランスのコンテンポラリーダンス・カンパニー。代表作という本作で二度目？
の来日公演（'96にデビュー作「カナール・ペキノワ」を横浜で上演）
舞台。舞台に物置然？納屋？とした小部屋。幅８ｍ×奥５ｍ。中央小テーブル。
真後ろ壁に紐で吊られた鏡。上手端に胸像（粘土）。下手にかご、古風なラジオ。
合間とか、役者が顔をグレーに塗ったり、自ら梱包して、マネキン然とたたずみ。
お話。貧窮の兵士ヴォイツェックは薬物人体実験のアルバイトの果て、幻覚に
悩まされる。ついには、鼓手長と関係していた内妻・マリーを惨殺してしまう。
ベルクのオペラでも知られた１９世紀の戯曲作品。ナジはこれを解体し、
無言劇として再構成。
シニカルな酷さを伴ったユーモア。珍妙なマイム・パフォーマンス。面白かった
ねこ。壁裏やらに隠された人物を含めて、終始たこ部屋に閉じこめられ。貧しさ
体言、心の豊かさもつゆ感じさせず。唯一潤いはエスニックなラジオ音楽のみ。
食べる、寝る、ぐうたらまたは嫉妬する、が全てかのよう。白塗りならぬ芥な
灰色塗りの人物が、こまネズミのようにじたばたと過ごす様は哀しいほど、
可笑しい。
木偶人形のような機械的動き。意味不明にしてるかと思うと愉快にユニゾン
大騒ぎ。壁から人が忍者屋敷よろしく登場、頭上に降りものがあったりの仕掛け
は？？。そんな一見スラップスティックな中、マリー自身と野郎どもの肉欲、
ヴォイツェックの苛立ちがさざ波のように横断。ばたばた笑いの中のグロい感情
にふーんねこ
グロいといえば、マリー殺し、ヴォイツェックの自死さえ、笑い含み。ありげな
同情、哀惜の念を抱かせない。マリーはいつしか生き還り茫然自失。
ヴォイツェックはナイフで自らの内蔵をえぐり、試食してトレビアン。死さえ救済
とはならない生き地獄を、黒い笑いとともに描いて面白し。
主な進行構成（裏覚えなんで、間違ってたらすいません。）
１なんか粉っぽい部屋。役者は白塗りならぬ芥な灰色塗り。懐かしげなペルシャな
調べがラジオから遠く聞こえ。マリーは上手壁に張り付き。中央テーブルでは
男どもが木偶人形よろしくぎこちなく動き。オノをもつ男が上の空の目線で危険。
全身ラッピング男は、天秤で羽根を一方に乗せると傾ぐ実験したり。テーブルで
向き合う男２人。椅子は足を半端に切られていて、前傾または後傾。不自然ポーズ
で着席。みんなでとうもろこしを食べては、だらしなく吐き出す。舌の上になんか
置かれてる男あり。ヴォイツェックは見事なナイフさばき後、床屋よろしく
そり方始めたり。
２どさくさにヴォイツェックの見えないところで、マリーにモーションかける男。
後ろの鏡でそれを覗こうとするヴォイツェック。黒服の鼓手長に嫉妬からか、
ヴォイツェックは頭に棒を当ててへし折る。なんか緊迫。棒で壁をみな叩き始める。
３ヴォイツェックと真男は、テーブルに座り、林檎を握りつぶす勝負開始。なんか
ばか下らないほど必死にして。マリーはといえば、無表情に壁際でたちんぼう。
ヴォイツェックは、頚から鉄の縄ばしご（タイヤチェイン）を引っかけ。足をかけ、
次第に腰をかげめながら昇るマイム。天井から袋が降りてきて、とうもろこしが
多量にこぼれる。
４壁の中から、キリストのような風貌の男が登場。ヴォイツェックに極端に前傾した
ポーズ。キリスト男は脇の下につっかえぼうを当てられて、みなに起たされる。
わらで体を磨かれる。なんでか、全員でずっこけポーズ後、キリスト男を棒で振り
回す。みんなでキリスト男に軍服を着せ、わらの馬に乗せる。へんな格好で敬礼。
別の男が戸板にのせられて登場。戸板は立てるとドア。男がくぐる。顔に布を
のせて、口をぱくぱく。布を食べ始める。
５みんな、ばたばたと手や足をふって、踊り。マリーが後方から目覚めてやってくる
紐で繋がれた男２人が喧嘩。それをみて、おどけるヴォイツェック。みんなで並ん
だりして、ユニゾンで踊り始め。終わって、マリーの奪い合いを始める。
６ヴォイツェックはマリーを愛撫する。わらでマリーの頚を締める（だったか）。
わらの投げ合いを真男とする。真男はなわを食べてしまう。ヴォイツェックは
憤慨して、わらを頭でへし折る仕草をする（NO.2の棒と一緒）。
７真男と誰だっけ？が、生卵をテーブルに落とし、ぐちゃぐちゃにする競争？。
真男のだけ、なぜかもとの卵に戻っている。感心する周囲。男２人、頚の締め合い
机の上に１人倒れ伏す（だったか）。ヴォイツェックは上手の半身像を抱く。
マリーは、脇でなにかぶつぶついってる。ヴォイツェックは、マリーに鏡で光を
反射させてあてる。ヴォイツェックは、半身像の顔の部分（粘土）を切り取る。
みんなそれをみて、びっくり大騒ぎ。１人の男が戸板の上に寝る。マリーは仰向け
に反り返りながら、四つ足で歩く。胸には鳥かごをのせて、ラマーズ法のような
すーはーした息づかいで。キリスト男の頭上に水が落ちてくる。
８男達は、ばたばたと動き始める。ほうきを煽って涼んだりしながら。つぎはぎの
自転車もどきをもちだし、男２人が必死にこぐ。サドルがないので、痛かったり
する。舞台の中心テーブル上では、キリスト男が周囲を見渡している。マリーは
鼓手長の頚に紐をつけ、向き合う。自転車もどきを、男２人は必死にこいでいる。
なんかおばかに。マリーは、鼓手長の頚に紐をつけ、馬のようにまたがって練り
歩く。マリーは、茨の冠を鼓手長に被せる。ヴォイツェックは、そんなマリーを
みて、突然高笑。残りの男３人は床にうつ伏せになる。鼓手長は石を掲げて、
男達の体にのせ、彼らは呻く。マリーは壁際で、手にガラス細工？を掲げてみて
いる。男達は立ち上がり、石に息を掛けると粉が多量に舞い上がる。男達は
ユニゾンで動き、手足をぱちぱちと叩く。マリーは鼓手長に再び跨りながら、
それらをみている。その後、マリー殺され？、テーブルに寝かせられる。
８ヴォイツェックはマリーをかき寄せ、抱きしめる。天井から粉が落ちる。ヴォイ
ツェックは男に払いのけられ、喧嘩。その最中、誤って自らを刺してしまう
ヴォイツェック。驚く周囲に、まあまてと仕草、腹の肉を引き出し食べはじめる。
なんか喜悦満面で、これは美味しいと。
９全身包装男はうーんと考え込み。なぜか全員、脱力する。男３人は下手に居並び、
頭上の袋からの砂を浴びる。これが長く、延々と浴びる。壁の鏡をとり、マリーの
胸におく。真男とヴォイツェックは笑い合う。包装男は、やけにちいさなほうきで
周囲の掃除を始める。
１０マリーは起きあがり（再生？）、鏡を見入る。鼓手長は後方から心配げにみて
いる。男３人は頭から袋を被った男（冒頭から、壁際にずっと黙って座っていた）
を椅子を片づける要領で、テーブルに逆さまに置く。キリスト男も後ろの壁に
片づけられる。残った男達はマリーを揚げ上げ、憂い顔で退場する。
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