上海太郎舞踏公司「パラドックス」
＠大阪 旭区民センター小ホール（芸術創造館）[公式ＨＰ] (2000/6/16-18 4ステージ）
全自由 前売3,300円 当日3,800円
構成・演出・振付：上海太郎 舞台監督：サコ
音響：三好里美[Studio SHIN co.,ltd.] 照明：大川貴啓
衣装：真鍋マキ[STUDIO U-RANUS] 宣伝美術：東学[g'Az inc.]
主催：旭区花しょうぶフェスティバル実行委員会、上海太郎舞踏公司
出演：上海太郎、若草鹿、応仁康子、新石器素子、湯殿純、後白木原達仁、桓武可
2000/6/17(土)雨 7:35-8:50PM(1'15) 中段より 客席ほぼ満員(200人）
客層：老若男女。20-30才代、飛んで50才代以上。女性過半数。
客入れ：立派な御影石のエントランス、広い階段あがって会場。客入れは１０番
ずつ、滞り無く。場内中央よりに詰めるよう、誘導あり。三々五々と埋まる客席。
前４列平床、その後ろ緩い階段状。背もたれが短い座椅子状態の椅子。床にカー
ペットなし、開演中の入場にハイヒールは禁物。折り込みパンフ。Ａ４を短辺側で
折った見開き。正面に10cm弱の覗き穴あり。中に別紙。イソップ「亀と兎」のウサギ
が負けことから一発奮起、原因を考えるに至るまでを掲載。他プログラムタイトル
（舞台上にも開演前に看板）、前回からのパフォーマー写真が親切。物販なし。
昨年、本格復活した上舞。客演なしの少数精鋭メンバーでの今回。かつての若手達
が充実の舞台を作ってて、嬉しいねこ。
舞台。素舞台。ベンチを持ち込み式。銅像や小立はみんなマイムで表現。
なんでやねん、なパラドックス・シーケンスが併走オムニバス。山登り慎重派は
楽観派に置いてきぼり（２ほか）。マイムにまんま実演で対抗、でもマイムより
なぜか嘘臭い（３ほか）ＴＶに喜怒哀楽、現実はとほほ、でもいいこともある
（４ほか）。亀になぜか負けてしまうウサギ、うーん。でも亀は勝負はおいて
いいやつで…（５ほか）。
群舞はあんまなし、マイム演技中心。ユーモラスなシークエンスが中心、お気楽
お楽しみ。展開とってもスピーディ、テンポ快調、それだけで嬉しくなるアンサン
ブル◎。シンプルなるも成長した、役者の個性で彩り。豊かな身体表現、表情が
とてもキューティ。微笑みねこ。ウサギ（上海）とカメ（若草）がとりわけ愛ら
しい。ちゃきちゃき悪戯なウサギ、とろーんと呑気でどこまでもマイペースの
カメ。周囲との時間差を描く場面など、ほとんどアニメのようで面白し。悪戯、
じゃんけん（後出し（そのつもりはないけど）勝つカメ。）、あっちむいて
ほいのずれた（けど妙に合う）やりとりとか。今回、若草さんを大幅起用、なん
とも和みの可愛いらしさが嬉しいねこ。
そろそろまた東京公演、と在京ファンのためにも希望ねこ。そんな気にさせる、
ますますいい感じな新生上舞なり。
プログラム
＃１ レース
ベンチで寝てる男（上海）、長身男（桓武可）が後ろで斜め上に指さしポーズ。
ぎゅっとしておずおずと帰る男。ピンクのウサギ（上海）走る、追うカメ（若草）
小立（マイム）を走りすぎ。ウサギのりのり。バレエしたり。遙か彼方なウサギ
をジオラマとヌイグルミで遠近法表現（かわいい）。結局、負けてしまったウサギ。
がーん。暗転。ウサギは考えた（白衣を着るウサギ）。出会う人毎にきいてみた。
なぜ早い者が遅い者にまけるの？、それがパラドックスだよ。パラドックス…。
貧しさに負けた、いえパラドックスに負けた。このままでわいけないと、ウサギは
考えた。
＃２ 悲観隊vs楽観隊 第Ｉ部
山道をゆく三人組。慎重な組（若草）と遊びまくりの組（応仁）がいて。
＃３ どっちがリアルでＳＨＯＷ 〜壁〜
ぐるぐるスポットライト〜。黒ずくめの２人。上手、上海は「壁に」閉じこめ
られるマイム。対する新石器、ベニヤの壁に実際挟まれながら演技、つうか演技
以前にふざけ半分で…。憮然とした表情の上海。
＃４ 哀しい時は笑え
ＴＶで悲劇、赤ん坊を拾い哀しみ深くする、上海。はっとＴＶ前で現実に、これで
いいのか。外出。女の子（応仁）が待ったー、えっおれ？、って当然違いました
しょぼん。あーと頭抱える。自販機、お金取りこぼす、溝に入ってしまう。
あーと頭抱える。
＃５ カメの時間、ウサギの時間
公演ベンチにカメのんびり。周囲は慌ただしい、早送り。いつのまにか銅像がたて
られて、いつのまにか撤去されちゃう。ウサギの廻りは逆にスローモーション。
停まってるような彼らにしたい放題の悪戯するウサギ。
＃６ どっちがリアルでＳＨＯＷ 〜綱〜
上海と応仁。綱引き演技勝負。へろへろで実際に綱をひく応仁。若草もぐるぐる
巻きになってどさくさに登場。もうみそも糞もなし（失礼）。
＃７ 嬉しいときは泣け
ストリングス濃くなロマンティック曲。デートなの、とお嬢様する上海。そして
屋上に駆け上がると雄大な光景が〜。はっ、ＴＶをみてる上海。なんか感動って
いいわねえ。外出。女の子が続々声をかけてきて、もてもて。自分を引っ張り合い
の取り合い。感動〜してると、女の子達は呆れて帰る。なんなの？、とほほ。頭、
抱える。自販機。お金を落とす。挟まった板をとって改修、こっちにもお金が
おおもうけ、感動〜（ポーズ）。
＃８ 悲観隊vs楽観隊 第II部
登山する三人組。断崖絶壁をそろそろ、楽観的な三人組は怖くないのか、笑い
ながら先にいってしまう。えー。吊り橋、それもロープだけの。そろそろ怖すぎ
で帰ってきてしまう。楽観的な人達は連なり、ユニゾンで軽々と渉りきって
しまう。どうして〜？。はぐれていた三人再会。道がわからない。楽観的な人達
に聞くとおしえてくれる。直ぐ遊びだす三人、靴をとばして行き先決めてるみたい
だけど…。
＃９ 白昼夢
冴えないリーマン（上海）。とぼとぼとあるいて、ベンチで新聞。若い女性
（応仁）が定期入れを落とす。拾ってあげると、突然恋に落ちちゃう（大夢想）
、訳がない。女性はいってしまう。自販機で食べ物。胸につかえて困ってると
ギャルソンがワインをもってくる。アロハの男が通り過ぎる。男は機上の人。
スチュワーデス（若草）のサービス。ハワイだ。レイをかけた女性に浜辺で
指圧してもらう。虫取りをしてる少年に手助け。しくじってしまう。これも
また夢。
＃10 出会い
夜、ベンチにカメ。ブロンズ像に興味津々。同じポーズとったりして。なんか
ウサギがばたばたと。カメと遊び。じゃんけん、カメ２テンポは遅れてだし。
かくれんぼ。もういいなかな、返事がないけど。なんども振り返るウサギは、
首の筋を違えちゃう。キャッチボール。ウサギ暴投、追っかけたカメはいつに
なっても帰ってこない。自分で拾いに行っちゃうウサギ。そのうち、投げては
走って１人キャッチボール。なんなんだ。おっちむていほい。カメ遅すぎ。
カメのゆっくりさにうとうとするウサギは寝てしまう。夢の中で２人は同じ
早さ。駆けっこの互角の勝負で。目覚めてみれば、カメいない（実はジュースを
買いに行ってた）。裏切られた気持ちで帰るウサギ。
＃11 どっちがリアルでＳＨＯＷ 〜水〜
上海と後白木原達仁。水を飲む演技勝負。マイムでどんどん呑んでいく上海。
実際に呑む方も健闘、がぶのみ。マイムではコップがバケツに化けてしまう。
実物バケツをもってこられて、後白木原達仁は逃げ出してしまう。
＃12 怒った時は優しく微笑め
サスペンスな音楽。決闘、手を切られてしまう男、だが、なぜか不適な笑いを
浮かべて…。ＴＶの前で上海。手をなめて、気が抜けた笑い顔でまね。外出。
カップルが通り過ぎ、意味なく血をなめる仕草したり。自販機。お金を落とす。
挟まれた石をのけて、もう一枚みつけてやったあ。でも脚をくじいてしまう。
脚の血をなめて、はあーと微笑み。
＃13 悲観隊vs楽観隊 第III部
冬山。雪崩を恐れながらのおっかなびっくりの三人組。の横をスキーで滑り
降りる楽観的な三人組。うわーと見てる間に雪崩がうわー。
楽観的な組のひとりがはぐれて、やはりはぐれた悲観的な組のひとりと出会う。
そのころ楽観的な残された２人は、遊びながら凍り付いてしまう。彫像のように。
救助のへり。楽観的な組のひとり、は１人で吊り橋を怖くて渡れない。
＃14 リターンマッチ前夜
ウサギ、爪切り。神社で神頼み。カメからの？手紙を破り棄てる。カメはそれを
見つけて訝しく。ウサギ、さらにトレーニング。カメと再会、競争。もちろん、
カメは追い抜かれ、ウサギはどんどん引き離していく。でも、結局疲れ果てて
ねてしまうウサギ。カメは心配げに見やりながら抜いていって。
＃15 アキレスの夢
登場した人達みな登場、光景をリプレイ（だったかな。）
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