シアターナインス「実を申せば to tell the truth」
＠渋谷 PARCO劇場（2003/8/30-9/26 32ステージ）
http://www.parco-city.co.jp/play/
全指定 前売り当日共9000円
作・演出：マキノノゾミ[劇団M.O.P.]
美術：堀尾幸男 照明：服部基 衣裳：黒須はな子 音楽：川崎晴美
音響：堂岡俊弘 ヘアメイク：小島裕司 演出助手：山田美紀 舞台監督：菅野将機
宣伝美術：高橋雅之 宣伝写真：三浦憲治 宣伝イラストーター：平田利之
プロデューサー：佐藤 玄（パルコ）・寺川知男（松竹パフォーマンス）
企画：シアターナインス 製作：（株）パルコ・（株）松竹パフォーマンス
出演：
松本幸四郎 ：藤田風太郎（詐欺師）
杉浦直樹 ：秋山サネトモ（藤田の古くからのパートナー）
水野真紀 ：秋山奈緒子（秋山の娘・銀行員）
松本紀保 ：突然パセリ（藤田が連れてきた小劇場劇団「東京マヨネーズ」女優）
木下政治[劇団M.O.P.]：キューピー宮下（「東京マヨネーズ」座長）
2003/9/6(土)晴 7:02-9:37PM(68/休15/70) 最前列より 客席8割(360人?)
客層：老若男女、男女半々。おじさん結構多い感じ。
客入れ：当日券不明。後方左右ブロックに空席多数。ほぼ定時開演なので遅刻注意。
折り込みパンフなし。物販。パンフ(A4 40ページ 1500円) シアターナインス絡み
で染五郎×松たか子 兄妹対談収録。ポスター大小500円。Ｔシャツ2000円。
久々の松本幸四郎一家シリーズ。当て書き台詞（幸四郎→紀保 いい役者になりなさ
いよ、とか。）もお楽しみ。
舞台。昭和30年代してる木造の屋敷。慎ましい和洋折衷ぶり、がらしい懐かしさ。
上手から中程に白しっくい、ガラス引き戸のリビング。雑木林に囲まれた塀内に小庭
枝が剪定された松の木あり。下手庭に面したテラスあり。下に使わなくなった植木鉢
が転がってるのがリアル。リビング。やや煤けた色のソファとテーブル。いずれも
カバーはなし。真正面のガラス戸の向こうに廊下。右手にドア、左手に階段が見え。
廊下を右に進むと、いまは使わなくなった事務所につながる設定。
リビングに戻り、上手奥にアップライトピアノ、上に写真や箱が置かれ。手前の小熊
アクセサリーが吊られたドアは娘の部屋。三面鏡など調度も設え。正面ガラス引き戸
の左隣に当主・おやじさんの部屋ドア。脇の壁に亡き妻の肖像画、下のチェスト
（だっけ）に家族の写真。
お話。秋山サネトモ・おじさんは仕事を引退、妻に先立たれてから、家に引きこもり
たまにいくコンビニもパジャマで行っちゃうから、娘は心配を通り越して、危機感。
旅行でている間になんとかしようと、偶然出会った父親の旧友・風太郎に、留守中の
気付けを頼み。ところがこの二人、元・名うての詐欺師ペア。金を巡るトラブルで
今や仇敵同然。
そんなことは露ぞしらぬ娘が出かけるやいなや、でていけの一点張りのサネトモ、
とりつく島もない。それでも、調子がよくて弁が立つ風太郎。サネトモに自分の作り
話を見破らせては事情を告白。そんな見え透いた詐欺の手口でサネトモを呆れさせつ
気を引き、飲み屋に行っての翌朝。サネトモのベットに若い女性が。小劇場の女優と
いう彼女、サネトモが自宅の事務所を稽古場に提供すると言ったという。サネトモに
記憶なし。実は、これも風太郎が入れ知恵しての一芝居。サネトモ呆れるけど、
稽古場の件は結局ＯＫ。稽古の代役をやったりする内に、サネトモはマジで嵌って
しまう。娘と風太郎には、しかたなく顔してるけど。と、上手くいってる感じだった
んだけど…。
スティングな話を笑いとほろり風味でまとめた、ウェルメイドプレイ。嘘ばかりの
コンゲーム。でも痛い部分、恋や家族への思いに真情が覗いて、しみじみ沁み。
人情芝居の美味しいポイントを押さえてて○。幸四郎がライトタッチ（従来比）。
軽佻浮薄のいい加減野郎をしても、育ちの良さがでちゃって、も一つ。服が体にあっ
てない感じあり(特に前半）。角田パパはがんこ親父、実は人情家な重層演技をきっ
ちり演じ、さすが。おでんなら、しっかりつゆがしみ込んでいい案配。紀保さんは
見るたびによくなり。適度にメリハリある等身大演技○。水野さん。過剰な表情つく
りは持ち前？演出？。判り易す過ぎて、問題あり？どんでん返しあり？と悟られちゃ
うのが△。
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