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＠新宿 シアターサンモール(2004/5/29-6/6 11ステージ)
http://www1.ocn.ne.jp/~sunmall/
全指定 前売り4800円 当日
作・演出：堤泰之[プラチナ・ペーパーズ] 原案・プロデュース：鈴置洋孝
美術：皿田圭作 照明：松田直樹[MG5] 音響：稲垣静明[魔法使いサウンド]
衣裳：渡辺まり 演出助手：田中完、佐藤愛 舞台監督：野口毅
宣伝美術：広田アツノリ 制作：ぷれいす 製作：鈴置洋孝
公式ＨＰ http://www.quinbaya.com/suzuoki/
出演：
ねたばれあり
・１話
黒川 薫：池聡太（帰郷する若い男性）
田村奈緒[豪勢堂ヒート]：宮前由紀（その元同級生）
金子カズ：津川研（テンションの高い若い男性）
吉祥美玲恵[オフィスもり]：大根田葵（津川の年上の恋人 歌手？）
・２話
四大海[劇団S.W.A.T！]：中原昭信（優柔不断。義理母を見送り）
佐藤しのぶ[劇団昴] ：中原睦子（その勝ち気な妻）
麻生美代子[俳協] ：中原房江（睦子の母親。旅行好き）
藤本喜久子[無名塾] ：氏家美紗子（健康食品販売 経営）
塩塚晃平[桜丘社中]：京極光太郎（へろへろなのによくしゃべる男）
江間直子[無名塾] ：藤崎真夕（その新婚妻）
・３話
中尾隆聖[81プロデュース]：矢作啓介（ＴＶ番組プロデューサ）
土井美加[トモダチ] ：矢作朱美（その妻）
相原美奈子 ：吉沢ルミカ（タレント）
内海賢二[賢プロダクション] ：氏家謙作（老鉄道マニア）
・共通
青柳文太郎[俳協]：田ノ上隆（ムーンライトながら 車掌）
和田太美夫 ：渡彰吾（酔っぱらい）
矢崎まなぶ[ラッキーリバー]：豊島守（鉄道マニア）
2004/6/5(土)晴 3:06-4:50PM(1'40) 中段より 客席超満員（310人)
客層：老若善男善女。家族的な幅の広さ。グループ、二人連れ多し。
客入れ：当日券不明。前方と中段通路に補助椅子20ほど。カーテンコール、なりやまず
2回４分。鈴置氏から簡単な挨拶あり。折り込みパンフ。B5三つ折りサイズ ５ページ
挨拶、写真付き配役、スタッフ、予定掲載。次回公演。来年3/5-13＠シアターサンモ
ール KAKUTA・桑原裕子書き下ろし「ムーンリバー」。物販。堤氏戯曲いろいろ。
バラ座出身、声優としても活躍中の鈴置洋孝・プロデュース公演シリーズ。
舞台。東京駅、ムーンライトながら発着ホーム。をそれっぽく再現。横に長く白御影
石ホーム。正面、向こうにステンレスにオレンジラインの車体。座席など車内のつく
りこみあり。袖側の高い柱に信号灯など標識。ホーム上、上手に工事柵、真中にベン
チ、下手に地下への階段上側。
お話。駅ホームでの出会いと別れのオムニバス３話と後日談。駅員、酔っ払いら駅に
ゆかり人が通しで登場。
１ミュージシャンのカップル、若い男は夢を信じて猪突猛進。かと思えば、一方では
憂い顔の若い男性。偶然？出会ったデザイン学校の元同級生の女性は彼が夢を諦め、
田舎に帰ることに憤り。男性は未練あるものの、自作ＣＤジャケを破り捨て。彼女と
自分の夢を思い切り、乗車してしまう。
２早くも尻に敷かれる新婚カップルと、舅と嫁にはなから負けている夫。やかましい
彼らの脇にお疲れ顔のスーツ女性。がんばっている事業主な彼女、家族達に薦められ
たお酒でちと乱れ。気が張る仕事、虐げれた母親のようにならないため、がんばって
きた。そして父親との確執。父親からの優しい手紙と同封された郷里への切符を捨て
てしまった彼女は、ホームのベンチでうな垂れたまま（だっけ？）
３中年男性と若い女性のカップルはこれから旅行か、ちとエロエロ。一方、人を探す
憂い顔の優しそうな中年女性あり。実は彼女、中年男性の妻。家出中の夫と再会、
後悔顔をする夫。しかし、夫婦の心は離れたまま戻るすべなし。夫は若い女性の後を
追いかけて、取り残される妻。佇む彼女に声を掛けたのは、ホーム常駐すっかり駅員
とお友達の酔っ払い中年男性。実は、二人は元恋人通し、ふとした誤解から別れっぱ
なしとなっていたのだ。郷里に帰るという彼女、男の意地から別れを告げる男。
本当は後ろ髪ひかれまくりだろうに。
４後日談。廃線となった駅を探す旅行者は２の経営者女性。廃線マニアだった亡き
父親が残したノートを手がかりに、果たせなかった旅をしているのだ。そこでは１の
都落ち男性が造られることがなかった幻の駅舎を「スケッチ」中。絵と交換にと見せ
てくれたノートから、破り捨てたＣＤジャケが補修された形で現れ、驚く男性。
作品を気に入り、若い二人のことをかわいそうに思った酔っぱらいが繕い、友人で
ある廃線マニアに譲ったのだ。そうとは知らぬ女性は、感極まり泣き出す若い男性に
不思議顔。ＣＤジャケと幻の駅舎の絵を交換する二人。彼ら胸には父親と同級生の
笑顔が懐かしい優しさとともに蘇るのだった。
切なくも暖かい、小さな奇跡に感涙。させられちゃう堤マジック健在。タイトルの
通り、実らない恋と愛のオムニバス。等身大のほろ苦い思いが行き交うドラマを、
青春またはメロな設定、曲者キャラで彩り。賑やかな笑いのうちにも、しみじみと
沁みてきて心温まる、美味しく出来たおでん定食。化学調味料なあざとさがあるんだ
けど、巧く使って、それぞれに共感させる味付けとしてさすが。とりわけ、心残り
続きの末、思い充たされるなラストは等身大の奇跡。つらい現実と夢の幕切れに
演劇のよさを感じさせもして、じんわりねこ。
役者。実年齢相応の役者をそろえて、新劇な配役。それぞれきっちりと役柄をこなし
て、安心安定。個々、アンサンブルとも○。
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