全自由(整理番号付き） 前売2500円 学割2000円 当日3000円
作：サジキドウジ 演出：東憲司 美術：塵芥
照明：松本 永[光円錐] 劇中歌作曲：川崎貴人 音響：もりちえ
チラシ画：宮坂 猛 チラシデザイン：山田 武 舞台監督：吉田フユノ
制作：劇団桟敷童子事務所
公式ＨＰ http://www8.plala.or.jp/s-douji/
助成： (財)東京都歴史文化財団 平成16年度創造活動支援事業
出演：
池下重大 ：簗瀬誠司（やなせせいじ 清治の甥）
川原洋子 ：瀬野霞 （誠司の恋人）
飯塚澄子 ：不知火早智子
稲葉能敬 ：不知火浩輔（早智子の弟）
原口健太郎 ：中村清春（誠司の叔父）
外山博美 ：中村一郎（清春の息子）
鈴木めぐみ ：赤城コノミチ（幻燈影絵・東亜）
もりちえ[75W]：赤城ドノミチ(同上)
ヨネクラカオリ[劇団阿佐ヶ谷南南京小僧]：赤城ソノミチ(同上)
板垣桃子 ：虹色蜻蛉(同上)
川田涼一 ：中村源治（中村家の頭）
山本あさみ：中村道子（重行の妻）
桑原勝行 ：中村日出男（源治の息子）
東 憲司 ：中村重行（清春の親族）
小野瀬弥彦：中村裕樹（清春の親族）
もりちえ ：中村の御婆
板垣桃子 ：童女
2004/11/6(土)晴 2:02-3:47PM(1'43) 前方より 客席満員(95?人)
客層：20-30才代最多に家族的な幅広さ。男女半々。
客入れ：白塗役者が入り口前歩道で案内。２Ｆで受付、整理券発行(ネット予約は
事前に番号付）。狭い歩道で開場時まで待機。10人ずつ呼び出し、２Ｆで整列して
入場。待ち客は3、40人ほどなので、中の階段までいれるなどは今回不要。
元映画館のくたびれた跳ね上げ式椅子6列×14、最後尾にベンチ1列。平床も舞台が
近く、高めなのでどこでもよさそう。場内はやや暑くほどで防寒不要。荷物預かり
の声掛けはなし。内外とも丁寧に誘導、会場には3,4人が常駐して空席案内。
上演時間とトイレいきを再三アナウンス。アンケートは下敷きと鉛筆付き。
もろもろの心配り○。
折り込みパンフ。B5 3ページ。配役わかりやすし。次回公演。7月「博多湾岸台風
小僧」＠スズナリ。初の劇場公演とか。野外公演は秋。物販未確認。
カーテンコール1回2分。
初見。元唐組・飯塚澄子の久々出演もあり、観にいったねこ。
会場、舞台。グレー一面の鎮守の森。角材を縦横に組んだ「木立」が客席側まで。
小さいサイズのぼりや社にかわいげあり。家屋座敷を横スライドさせて、神社境内
と場面切り換え。
お話。恋人を伴って、１０年ぶりに里帰りをした誠司。神隠し伝説、大祭の入山
禁忌の風習が変わらず残る里。誠司もまた妹を山で見失っていた。神隠し、実の
ところ妻を寝取られた誠司の叔父・清春は、その男の妻・早智子と境遇同じくして
親しんでいる。が、清治の息子・一郎は「神隠し」と信じ、今も母親の帰りをまっ
ている。折しも、村の大祭に影絵の一座がやってくる。夜の大人の部には、神隠し
にあった女性が出演するという。一郎は母の可能性を信じて、誠司に頼み込み、
紛れ込むこととする。ところが件の女性は、誠司の失踪した妹と瓜二つで…。
地味もしみじみ、けれん味控えた会話劇が○とも△とも。ぐっと堪え、色彩が爆発
するラスト。生へのエールに思えて好感ねこ。捨てられた男と女、蔑まれる部落故
見捨てられた家族の記憶を持つ若者。欠落感を抱えた者通しの心の惑いを中心に、
再生の物語を描いてく。影絵、影法師、神隠しら、光と影のイメージに、生とその
しがらみを重ね。それぞれのパートナーを互いの希望の灯とし、影を濃くある時、
生もまた強しと、人同士の結びつきを謳う。
なんだろうけど、さらっと過ぎて、物足りなさあり。困っちゃてる主人公達は、
いい人がちゃんといるからそう不幸でもない？と切実感もひとつ。しがらみ部分、
因習や差別の現実も追い込み程々で、心の闇のほどがよくわからないとこあり。
芝居の濃度を中庸に、コントラストを弱めにしたことで、万人向けのいい案配に
仕上がってるとは思うけど、うーん。
ラストの照明と演出効果、鮮やかで○。グレーな夜から、紅葉色錦な夜明けに
一変。うじうじ主人公青年へ、妹似の女性が「生きろ」と放つ台詞を活かして○。
影絵の透明感ある色合いも○。しみじみ会話に、ピアノ（だっけ）のミニアル音楽
がさりげに合い。全体、きれいで叙情的なビジュアルを随所にいれてて、心地
よくみるねこ。
役者。寝取られ妻役・飯塚澄子さん。持ち前の朗らか笑顔は健在。心和むねこ。
神隠し帰還女性役・板垣桃子さん。ちと浮世離れして愛らしく、印象に残った
ねこ。
久々の光座にはバーガー屋、携帯屋も。 隣の怪しいマッチョ看板は撤去（残念）。
