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＠池袋 シアターグリーン[小劇場](2005/11/16-21 8ステージ）
http://www.theater-green.com/
全自由 前売3500円 当日3800円
作：大正まろん[流星倶楽部] 演出：高澤良則
照明：福田恒子 音響：ノノヤママナコ 美術：小野雅彦 方言指導：松木伸仁
舞台監督：井上義幸[FF企画] 衣裳：佐山妙
宣伝美術：栗原智幸[タッタタ探検組合]
制作協力：J-Stage Navi プロデューサー：高澤良則
企画・制作：シアターグリーン エグゼクティブプロデューサー：朝比奈安成
出演（配役不明確）：
吉田テツタ[文学座] ：水野（アイターンした男）
渡辺美佐[青ニプロダクション] ：水野みどり（その別居妻）
小代恵子[X-QUEST] ：白石（水野の元部下）
山像かおり[文学座] ：カナイセイコ（その家の前持ち主）
黒宮万理[少年王者館] ：カナイフジコ（聖子の妹）
高嶋みあり[ケイエムシネマ企画]：桃田（アイターン・コーディネイター）
佐藤潤平 ：水野せいじ（息子）、荒川ゆうや（その家の元持ち主の息子）
2005/11/20(日)晴 6:05-7:54PM(1'49)中段より 客席9割(60人)
客層：20-30歳代中心、コア演劇ファン？、男女半々。
客入れ：劇場初見、こじんまりといい感じ空間。ロビーは猫の額も椅子を起き。
トイレは117への通路側、個室１のみ。客席。雛壇に7列×10。3列目位置に通路。
折り込みチラシ、それなり厚さ、鉛筆添付。折り込みパンフ。A4 2つ折り。挨拶
、写真付き役者プロフィール、スタッフ。配役表がほしいねこ。 物販なし。
カーテンコール1回。
いつも機会を逃しちゃう、大正ろまん＝流星倶楽部の昨年上演作品（大阪カラビン
カ)。元劇場支配人・高澤良則氏による企画とか。
舞台。築100年の蔵、その屋根裏部屋を小劇場空間に当てはめ。天井高さ、間口とも
すっこりと収まり加減やよし。リアルな美術とも、既に公演成功寄与な出来映え。
どっしりとした天井梁が前後2本、渋い色合いの年代物床。木造の壁に、山口百恵
ポスター、往時ニュースが掲示。棚にはウルトラマン、模型飛行機など。
下手手前にコミックスとか並べた座卓、正面には「一日三回まで」と、なんかの
目標の墨書。中央に囲炉裏。後方に空にむいて開いた窓。手すりとかなしで満開。
その右手壁際に、昔のステレオが棚代わりにおかれ。壁にはコルトレーンのレコ
ジャケとか。上手袖は階下からの階段設定。
お話。縁もゆかりもない過疎地にIターンした男。購入した廃屋を手ずからリホーム
の志。工事の間、間借りした隣家屋根裏は、離散した一家の息子勉強部屋とか。
その息子の元恋人・今は出戻り女と、Ｕターンした役場の女性担当は、なにかと
Iターン男の世話を焼き。自分もまた、村では肩身が狭い立場ということもあるから。
さて、田舎暮らしの準備を進めるIターン男だが、いっこうに家族がやってこない。
実は、息子は摂食障害で入院中、夫よりキャリアを積む妻は、多忙で家庭不和・
別居中。Iターンの目的は、息子の問いかけ「お父さんは将来何になるの？」への
応えと転地療養、妻とのやり直しをかけたものなのだ。
そんなところに、退職した会社の部下が訪ね来て、不倫な愛を告白。昼メロ？と
浮いた話ではなく、Iターン男の息子と同じ障害で通院、上司である彼に親しむ内の
恋らしい。むろん、受け入れられないIターン男、もてもて君だねと冷やかす出戻り
女の妹は、姉の悲恋を連想、物語。その後まもなく、悲恋相手の息子が父の危篤を
告げ、捨てた部屋を一目とひょっこりと訪ねてくる。甘くよみがえり、元恋人の葬儀
を経てほろ苦く終わる、出戻り女の恋。
一方、Iターン男の勝手な転居計画に立腹の妻がやってきて、一悶着。でも、子は
かすがいと申しますがと、腹蔵のない気持ちをぶつけ合って、双方折半。なにおか
善きことをなさんと、家族３人でやっていくことに収まり。よかったね。
作家の優しい眼差し、丁寧な演出演技とも気持ちのよい舞台。登場人物たちの哀傷を
見据え、そっと優しく包みこむ。きつい現実の把握、正直な想いのぶつかりあいを
経ての、その感触はしっかりと暖かい。しみじみ沁みて、このおでんいい味出して
ますな〜な、ほっこり気分ねこ。
登場人物に役者キャラ合い、気持ちに添った演出は丁寧、演技は誠実。切な系の音楽
屋根裏してる「包み込み」空間がわかりやすく、ムード伴奏。開きっぱの窓装置が、
開いた心の清々しさと不安感を醸し。なによりはシリアスな題材なるも、生きる活力を
感じさせる明るさを終始失わないのに好感。囲炉裏端の食事とアルコール、スパイスな
軽い毒舌…と、大人のお楽しみ付きなら、尚のこと。
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