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 劇団四季「ウィキッド WICKED」

 @汐留 電通四季劇場[海] (2007/06/17〜ロングラン公演)
 http://www.shiki.gr.jp/theatres/umi/
 会員 S10500円 A9450円 B6300円 C3150円 一般 S11550円 A9450円 B6300円
 C3150円 ウィークデイマチネ S10500円 A8400円 B5250円 C2100円

 出演:
 沼尾みゆき :グリンダ
 濱田めぐみ :エルファバ
 山本貴永  :ネッサローズ
 武木綿子  :マダム・モリブル
 李涛    :フィエロ
 金田暢彦  :ボック
 前田貞一郎 :ディラモンド教授
 飯野おさみ :オズの魔法使い

 男性アンサンブル
 須永友裕、西野誠、齊藤翔、斎藤准一郎、成田蔵人、白倉一成、賀山祐介、
 清原卓海、三宅克典
 女性アンサンブル
 服部ゆう、長島祥、鳥原如未、木村智秋、黒崎綾、有美ミシェール、
 石野寛子、柴田桃子、増山美保
 コンダクター:井上博文

 2008/8/14(木)晴 1:35-4:35PM(1'30/休22/1'05)2F後方中央 客席満員(1100人)
 客層:20-30才代中心に女性8割、子供連れ1割。
 客入れ:新橋駅からだと汐留シオサイトまっすぐ奥。思ったより案内掲示が少なくて
 、きょろきょろねこ。エントランスとロビー狭くて△、上階は椅子も結構あって、
 比較的まったり。休憩時間の女子トイレはげんなりな長蛇、外へ出た方がいいかも。
 折り込みチラシは四季関係だけ少々。本日の出演者置きあり。
 物販。パンフ 2000円 内容不明。ほかグッズ関係たくさん。2階席は急勾配で舞台
 が近く、千鳥配置でさらに見易く。2F後方席でも、授業場面の黒板年表がちゃんと
 読めたねこ。カーテンコール 5回3分。グリンダとエルファバが一緒なのをみて、
 ほっとするねこ。

 海外完全輸入・日本語版、遅ればせにみたねこ。日本初演頃のキャストとか。
 舞台。まさにマジカル。舞台全体がドラゴン型時計で機械仕掛け体裁。歯車の上に
 世界が乗り、動かされているかか、動かしているのかな。頭上には翼を広げた巨大
 ドラゴンが鎮座。エルファバ=「西の悪い魔女」のピンチになると、じっとはして
 おられない仕掛けあり。正面に文字盤の大スクリーンな扉機構、平台にのってスピー
 ディに運ばれるオブジェやら装置。大量投入の照明は全体、とりわけ床面に魔法効果
 を文字通り描き、美しい。

 お話。オズ(この世ならN.Y.?)の国、2人の魔女の友情と成長物語。生まれもって
 肌の色が違う、意志強き女・エルファバ。苦労知らずで天真爛漫、ちょっとおばかな
 美女・グリンダ。相容れない2人はやがてお互いを知り、友情を深めていく。
 しかし、エルファバは圧政をしくオブの魔法使いへ反旗を翻す。2人はオズの魔法
 使いが言うところの「善」「悪」それぞれの魔女として、袂を分かつこととなる。

 まず辛口の物語、ついで含み事の多彩で豊かなことに驚くねこ。女性の成長物語を
 基本に、善と悪の葛藤、権力を保つため共通の敵をもうけ、圧制を敷く等政治風刺
 マイノリティへの視点の立ち方、彼らの抑圧と解放 など多彩多義。人は見た目で
 はなく、風評で決められない。自分で本質を考え、決めなさいの強いメッセージは、
 ブッシュ政権下では切実なものとも思われ。
 
 対となる要素のちりばめ、伏線が様々。ワンダフルとそうじゃない・邪悪=ウィキッ
 ド、脳がなくなった案山子(フィエロ)が誰より頭を使う、心がなくなったブリキ男
 (ボック)がもっとも悪心をもつ など。見る人、観た毎に発見があるだろう、
 含蓄ある味わいに感心しきりねこ。

 眼目の2人の女性の関係もまた二面性あり。エルファバは、正義を貫こうとするも、
 恋心いかんともし難く、恋人を奪い、グリンダを傷つけてしまう。グリンダは現実に
 目をつむり無邪気を装うが、結果エルファバをウィキッドとして陥れることとなる。
 すったもんだしながらも、友情を絶やさない強さ、成長ぶりに胸を打たれるねこ。
 喪失感と、思いの暖かさない交ぜラストもひとしお。

 物語は辛口も、音楽はメロディアスで親しみのわくものばかり。エルファバの決意
 「Defying Gravity」、2人の心が解け合う「For Good」が印象。ムードではなく、
 会話以上に雄弁に心情を物語り、これもまた滋味深い。

 役者。トランペット・ヴォイスで圧倒する、濱田めぐみ・エルファバ。劇団四季にも
 こなれたコメディアンヌがいるのね、沼尾みゆき・グリンダ。


 オリジナル・プロダクション
 作詞・作曲:スティーヴン・シュワルツ 脚本:ウィニー・ホルツマン
 原作:グレゴリー・マグワイア 演出:ジョー・マンテロ
 ミュージカル・ステージング:ウェイン・シレント
 装置デザイン:ユージーン・リー 衣裳デザイン:スーザン・ヒルファティ
 照明デザイン:ケネス・ポズナー 音響デザイン:トニー・メオラ
 プロジェクション・デザイン:エレイン・J・マッカーシー
 ウィッグ&ヘアー・デザイン:トム・ワトソン
 音楽スーパーバイザー:アレンジメント スティーヴン・オリーマス
 オーケストレーション:ウィリアム・デイヴィッド・ブローン
 音楽アレンジメント:アレックス・ラカモワ
 ダンス・アレンジメント:ジェームズ・リン・アボット
 演出補:リサ・ルグイヨー ダンス・スーパーバイザー:マーク・マイヤース
 プロダクション・スーパーバイザー:トム・ウィドマン
 装置デザイン補:エドワード・ピアース プロデューサー:マーク・プラット
 
 日本語版歌詞・台本:劇団四季文芸部 日本語版演出助手:横山清崇
 振付スーパーバイザー:古澤勇 音楽スーパーバイザー:鎮守めぐみ
 

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