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＠三軒茶屋 シアタートラム(2011/12/3-26 33ステージ)
http://setagaya-pt.jp/
全指定7500円
作：武者小路実篤 演出：河原雅彦 美術；松井るみ 照明；小川幾雄
衣装デザイン；伊藤佐智子 音響；大木裕介 ヘアメイクデザイン；勇見勝彦
舞台監督；瀧原寿子 プロデューサー；北村明子
提携；公益財団法人せたがや文化財団・世田谷パブリックシアター 後援；世田谷区
企画･製作；シス・カンパニ―
出演：
市川亀治郎：野村広次
蒼井優 ：静子(広次の妹)
段田安則 ：西島(広次の友人。作家)
秋山菜津子：芳子(西島の妻)
鈴木浩介 ：高峰
水野あや ：女中、老婆(声のみ)
内田亜希子：綾子(高峰の妻)
西尾まり ：小間使
2011/12/13(火)晴 6:30-8:57PM(57/休10/1'24)後方上手 客席超満員(270人)
客層：20-30歳代中心に女性8，9割。中年層も結構。
客入れ：トラムシート満席、立見1名。きっかり定時開演なので遅刻注意。
折り込みチラシそれなり。パンフ A4 1枚。物販。パンフ A5 30ページ 700円。
読み物充実。稽古場レポートあり。収益は全て大震災義援金として寄付とのこと。
カーテンコール1回。
襲名やらで話題の市川亀治郎始め、キャスト衆目の公演。日本近代文学から武者小路
実篤作品というのが意外ねこ。
舞台。畳8畳とぐるり回廊の島舞台。両脇に廊下延び、袖で奈落階段に繋がり。
後半のアパート場面ではずっと奥まで廊下を延ばし、下り階段に接続。
お話。戦争で失明した画家の兄と、再起を献身的に支える美しい妹の物語。清い志と
金の苦労と自己犠牲、周囲からの恋慕と嫉妬ですったもんだの一部始終とも描く。
井戸の中の蛙達の悲喜劇。もっとも物言いも生活力、現実性のない男ども。対して
女達は賢く逞しいが、自分で決める自由がない。悲劇的喜劇な趣はチェーホフ世界
そのまんま。回りくどい台詞が多いため、1.5倍速の早口とした時短演出。悲惨さを
見た目笑えるものに転化するさじ加減。さらに芝居っぽい演技を種々繰り出す、
亀治郎さん効果も相乗。がっつり会話劇一本なので、このスパイスは有難し（うざい
人もいそうだけど）。後半スピードダウン、繊細な演出と役者の熱演でじっくり
観ることができ。健気な少女から、時に女を武器にもし、逞しく自律していく妹・
蒼井優。思いの外骨太の芝居に感心ねこ。
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