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＠静岡日本平 舞台芸術公園 野外劇場「有度｣(2013/6/1,8,15,22 4ステージ）
http://www.spac.or.jp/schedule
全自由 一般大人4000円 大学生・専門学校生2000円 高校生以下1000円
演出：宮城聰 原案：プロスペル・メリメ、ジャン・ルノワール 台本：久保田梓美
音楽：棚川寛子 空間構成：木津潤平 美術：深沢襟 衣裳デザイン：駒井友美子
照明デザイン：大迫浩二 照明操作：松村彩香 音響：水村良、山﨑智美
ヘアメイク：梶田キョウコ 舞台監督：三津久 舞台：山田貴大、佐藤洋輔
制作：大石多佳子、尾形麻悠子 製作：SPAC－静岡県舞台芸術センター
出演：
阿部一徳 :座長
石井萠水 :役者、村人、演奏
大内米治 :フェリペ、演奏
加藤幸夫 :役者、大臣、演奏
木内琴子 :役者、村人
小角まや :役者
鈴木真理子:役者、演奏
大道無門優也 :役者、演奏
武石守正 :領主、役者、演奏
舘野百代 :公爵夫人、役者、村人、演奏
永井健二 :ラモン、貴族の客、演奏
中野真希 :役者
本多麻紀 :イネス、村人、演奏
牧山祐大 :マルチネ、役者、村人、演奏
美加理 :カミーラ
二島景太 :公爵、村人、演奏
森山冬子 :役者、演奏
山本実幸 :役者、演奏
吉見亮 :役者、村人、演奏
米津知実 :役者、村人、演奏
若菜大輔 :役者
若宮羊市 :役者、村人、演奏
渡辺敬彦 :検事長、村人、演奏
2013/6/8(土)曇 7:32-9:22PM(1'47)中段中央 客席満員（400人）
客層：高校生～じじばばまで幅広く。女性過半数。
客入れ：ロビーで新茶の振る舞いあり。カレーほか販売。開演定時30分前に番号
プラカード前に整列。20分前開場。ＳＰＡＣ俳優がテンションあげて案内、拍手沸き。
通常と逆配置、ベンチ20列、サイド2列。舞台の幅高さともフルスコープ、中程通路
も使うので中段位まで引いてみた方が○。折り込みチラシそれなり ビニール袋入り。
パンフ Ａ４縦折り 6ページ。カーテンコール1回3分。
宮城聰新作。
舞台。中央に小さな神楽舞台、2人でいっぱいの櫓を組み。後方の階段客席と通路を
お屋敷内などに見立てて展開。最上段に宝物=黄金馬車がある設定。上手に演奏場所。
お話。旅芸人一座のバックステージもの。都から四万十の村へ旅芸人の一座がやって
くる。演目は古事記ゆかりだが、地元客、治める国司とも理解されず。とはいえ、
中心女優カミーラの美貌には皆虜となり、とりわけて国司はお宝の黄金の馬車まで
与えてしまう始末。奥方、家臣とも面白かろうはずがない。
舞台の虚構が現実という俳優達の物語と出逢う、覗くメタ演劇趣向。没入するあまり
本当の自分は誰と自問自答のカミーラ。錯綜しながら、女優として確固として立ち
軽やかに舞う鮮やかな相対に痺れるねこ。賑わいつつ、クール視点で描くてんてこ
舞いの物語、演技合戦も大いに楽しむねこ。
アフタートーク 9:27-10:06PM(39)120人ほど居残り
柳家花緑、宮城聰 司会：横山義志（SPAC文芸部）
花緑 自分は演劇ファン（感想）トークを聞かず帰る人がこんなに多い、残ったのは
本物。見てるだけで視覚を刺激される。ムーバースピーカーの黄金比率。儀式を
みてるかのよう、浄化される。品のなさの庶民の下世話な感じもあり、いろいろな
ものを感じさせる。宇宙を感じさせるようで素晴らしい。
宮城 花緑さんはク・ナウカ時代からみてくださっているので。ＳＰＡＣの最初の
7年は言動分離をやらなかった。別れると戸惑ってしまう。「言動一致体」、
普通のやりかたですが、は17年目にして普通が新しい気持ちでやってみた。
最近はごちゃごちゃ。
作品の最初のヒント。日本の旅一座に移し替える場合、原作のテイストがイタリア
の一座でまず違うなと。小津安二郎が「浮草」という旅芸人の世界を描いている。
小津のイメージと正反対の作品。サイレント場面は世話をやっても抽象化される。
しかし、劇中劇になるとトーキーと同じようにみえ、逆転が起きる。
一人二役をどう使うが考えるようになり、別れている方が自然にみえるのでは
ないかと考えるようになった。オンとオフ、言動の不和、貧富の格差、芝居を
つくるうちに嘘くさい方が稽古場は盛り上がる。どっちがリアルか判らなくなる。
仮面と素顔の対比、俳優は素顔のようでも仮面をかぶっている、みられるための
仮面、仮面の下にも仮面がある。どっちがリアリティか、稽古場で考えた。
花緑 祖父（小さん）が亡くなっても泣けなかった、でも人情噺でなける。どっちが
リアルなのか。
宮城 芝浜も嘘くさいが泣ける。落語はシンプルな演劇。
花緑 お客の頭にゆだねる、ある哲学者は落語の将来のために、お客の成長も大事と
いってらした。
宮城 円朝は明治になって道具を捨てたが、ほかは逆に明治になってわかりやすく
なった。円朝は抽象化したのがすごい、お客を育てようとしたのかもしれない。
花緑 今はわかりやすい方向へ、またチャレンジして古典をそのまま語る人も居る
その時の客に寄り添うのも古典、原点回帰と思う。落語は不思議でバーチャルで
お客を連れて行ける。
宮城 観客がわからなくとも維持したい矜持はある。
花緑 客席のことはコントロールできているときにわかる。
宮城 劇中劇が変わっていく、当時の観客が知らないものとなっている。落語の
貧乏は今はわからない。
花緑 それは話芸、芸を感じる時。長屋の花見は貧乏をしらない自分はできない。
でも自分は若旦那ならリアルでできる。長屋の花見は虚構で手の内にない。
宮城 貧乏はフィクションだがリアリティを炙り出す。
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