[ホーム](個別ページができ次第、そちらにリンクします。)

 スヌーヌーVol.2「モスクワの海」

 @下北沢 ニュー風知空知(2021/12/26-28 5ステージ)
 全自由(1drink付)2700円 学生2200円

 作・演出・映像・制作:笠木泉 チラシ・スライドイラスト:タムナデ姉
 出演:松竹生、高木珠里、踊り子あり

 (スライド投影 各場名)
 1 ちいさな一軒家
 2 ハッピーハウジング
 3 男の名前はフジオという もう一人はハシモト
 4 どうでもいい
 56 多摩水道橋返却
 7 出立/おれは煉獄/10年と10分

 2021/12/27(月)晴 7:04-8:11PM(1'07)入口より 客席ほぼ満席(25人)
 客層:3世代、年齢層高め、男女半々。
 客入れ:感染対策。検温、手指消毒、エレベータ3名に制限。当日パンフ A5 3ページ
 常時換気のため、使い捨てカイロ配布。カーテンコール1回。

 コロナ禍で中止となった公演、1年を経て上演。
 会場、舞台。カフェ内コンクリ床、焦げ茶の丸いラグ、脚立1。一端が上がった3方で
 囲み、馬蹄形にとりどりの椅子を配置。もう一端に板敷の居室、テーブルと椅子、
 ベッド設置。奥の窓からは下北沢の空がチラ見え。
 お話。座り込んだままの老女、傍らには中年男性。通りがかっの若い女性は、介助を
 申し入れるが断られ。ほっとけないところに老女は独り言のようにあれこれモノ語り
 始めて。

 ミクロとマクロの大胆で繊細な同居、小空間から拡がる想と深掘りする観察眼、
 笠木泉の冴えた演劇を堪能するねこ。リアル10分を伸張、息子との10年の追想、
 生死を越えた出会い。視野の拡張、渡り鳥が俯瞰する世界のありさまなど。
 シームレスで自由な展開をし、観客の想像力を請わずとも引き出し。軽やかな
 自由さには、やがて老婆が抱えている、ままならぬ現実が重くかかり。その
 冷徹な観察眼。そうしても心の自由は失わず、いっそう切なく胸に迫り。
 生者も死者も渡り鳥も交わす眼差しには、慈しみが感じられて暖かなものが残った
 ねこ。老婆役・高木珠里が憑かれたように演じて、終始引き込まれ。

[月間一覧