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 札幌座・道産子男闘呼倶楽部「五月、忘れ去られた庭の片隅に花が咲く」

 @浅草 浅草九劇(2022/09/22-26 7ステージ)
 全自由 一般4500円 学生2800円
  @札幌 扇谷記念スタジオ・シアターZOO 9/9-16 11ステージ

 作・演出:鄭義信 演出助手:常本亜実 (札幌座)
 舞台監督:高橋詳幸(アクトコール) 舞台美術デザイン:柴田隆弘
 舞台製作:アクトコール(株) 照明プラン:増田隆芳 (ブライト)
 照明:秋野良太 (祇王舎) 音響プラン:藤田赤目 音響:鈴木三枝子
 殺陣師:栗原直樹 (WGK) 衣装:磯貝圭子(札幌座) 小道具:熊木志保(札幌座)
 宣伝美術:若林瑞沙(studio COPAIN)
 制作:富岡尊廣(NPO法人札幌座くらぶ)、小島達子(tatt)、
 秋元けい子(MyrleArts)主催:公益財団法人北海道演劇財団、NPO法人札幌座くらぶ
 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)
 独立行政法人日本芸術文化振興会 共催:共同制作:道産子男闘呼倶楽部
 企画制作:北海道演劇財団
 出演:
 犬飼淳治[道産子男闘呼倶楽部]:春彦(スーパー店員)
 智順  [ファザーズコーポレーション]:アケミ(春彦の母)
 斎藤歩 [札幌座]:タツ(春彦の伯父)
 黒沼弘己[フリー]:クニ(春彦の伯父)
 津村知与支[道産子男闘呼倶楽部]:中村松雄(春彦の上司/恋人)
 泉陽二 [札幌座]:ハヤシ(炭鉱会社社員)

 2022/09/25(日)晴 5:04-7:14PM(2'10)上手中段 客席満員(80人)
 客層:2世代、20-30才代とベテラン、男性過半数。
 客入れ:感染対策。検温、手指消毒。雛壇に4列。空席誘導随時あり。当日パンフ
 なし。物販未確認。カーテンコール2回。

 北海道拠点の2劇団合同、東京でも活躍の俳優達により、鄭義信書き下ろし新作を
 上演。
 舞台。一軒家、玄関上がってすぐの居間。正面上手にガラス引き戸。路地向こうの
 トタン壁が至近。調度は座卓、茶箪笥、時代のついたレコードプレイヤー、上に
 カーペンターズレコード。松田聖子のポスターや北海道のペナント。上手に台所、
 下手に母屋の設定かな。
 お話。北海道の炭鉱住宅、かつて暮らした炭鉱夫と家族の姿は今は無く、寂れ果てて
 いる。そんなある家に失踪した元炭鉱夫が帰ってくる。残されていた親類親子、取り
 わけ長じた子は猛反発するのだが。1981年の北炭夕張新炭鉱ガス突出事故をモチーフ
 にした過去と、20年後を往還して展開していく。

 言葉では語り得ない災禍を数字、歴史としてでなく、生きて暮らした人のありさま、
 心情から描く。喪失と再生の物語を身体に刻むような演技でそこに現して、震える
 ねこ。鄭義信らしく、明暗メリハリ、おかしみのさじ加減サービスがたっぷり。
 1時間55分がアドリブ?!加味で伸張、今回はいささか過ぎる感あり。俳優はさすが。
 黒沼さん、斎藤さんの舞台は久々。津村さんのカメレオン俳優振りも堪能するねこ。

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