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＠下北沢・駅前劇場 (1998/7/17-20 7ステージ) 全自由 前売り当日共2800
作：第六感事務所 演出：芳賀隆幸 出演：松下修、石井悦子、ミズタニ灰次郎
丹羽由香里、柴田晴美、山本政保、岡崎ヨウジ、嘉成義孝、小柳基、八木鉄也、
秋葉正子
1998/7/20(月祝)くもり 2:05-3:30PM 前方より 客席３割(30人)
客層：20-30才代中心にとりどり。男女半々。客入れ：特記なし。
２劇団合同公演？。ホンが柄澤太郎氏(value-zero)から劇団員創作に。役者も一部
変更あり。
舞台。アパートのやたら広いワンフロア。斜になった前方には、窓があると知られ
る外壁の一部。内装は白い壁、グレーのカーペット。上手にソファとテーブル、下
手にパイプ椅子とテーブル。背後に出入口とクローゼット（観音扉設定なのに何故
か引き戸）、電話おいたカラーボックス。住宅にしちゃ生活感なしな？装置。
お話。自分は連続爆破犯人。冴えない風采の男（松下）は自白電話後、妻や周囲に
告白。なぜか乗りのいい周囲はすっかりアウトロー気取り。武器マニア、忍び込ん
だ三文記事記者も加わり、イベント気分。外に集結する警官隊を煽りだす始末。そ
こに演出家きどりの刑事（向坂）登場。デキレース？のお膳立てを言い含め始める
もつかのま、ふとしたはずみで群衆を殺してしまい、一気に情勢悪化。デキレース
の筋書きは変わり、当の刑事でさえ御仕切れない事態に。極限状態での憤まんやる
かたない、それぞれの犯罪荷担理由の告白。どうしようもなく武器をもつ彼らに、
一網打尽と掛けられる攻勢。虫けらのように殺される人たち。
役者芝居に思いをこめる運び。展開の仕方やバランスは△、ベテラン在籍の劇団に
しちゃ残念。前半は脳天気なコメディ乗り。でも、悪のりギャグの連発には辟易ね
こ。ナンセンスでもなかろうに、無邪気に犯罪荷担してることに疑問をいだかせつ
つ、ヘビーな後半に進行。爆破真犯人な武器マニアが、愛する妹を巻き込んだこと
の苦悩、理不尽な会社や社会への憤りなどが噴出し、救いのないラストへと。その
辺の芝居は役者熱演の直球、ラストは虐げられた者への鎮魂と怒りのモロつか芝居
判るけど、気持ちが素直に伝わらない、もどかしさあり。エナミーゼロの切な系音
楽を背景、小さき星の輝きに愛おしい命への慈しみを重ねるモノローグは○。声高
でなくても、胸にすっと悲しい気持ちが落ちてきたから。