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＠大阪 森ノ宮プラネットホール(2000/4/22-23 4ステージ)
全自由 前売 一般1500円／学生1200円 当日 一般1800円／学生1500円
中高生・浪人生・新入生は、前売当日とも500円
作曲・脚本・演出：大野裕之 演出助手：末石貴広 舞台監督：かもちゃん、
北村有子 振付：ミス・イヴォンヌ、ますだ美季、きぬきぬ
編曲：非足鼻、ブライアン・タン、川口智士、今西鬼監督
舞台美術：大瀬藍、蒔田梓、かもちゃん 照明：薄井めぐむ、手嶋綾乃、三澤祐史
音響：末石貴広 プレジデント：中屋宏隆 名誉制作：みさちゃん
名誉ついてないぜ：竹内充春
出演：
ますだ美季 ：みゆ（スター女優。昏睡に至る難病を患っている）
のむらしんいちろう：なおき（脚本家。みゆの夫）
毛呂功 ：ゆうり（俳優。なおきの親友。）
後藤裕子 ：きのこ（女優。みゆのアンダースタディ）
大野裕之 ：岩谷編集長（なおきの本の出版担当者）
セミマール秋葉 ：ベンザリ（プロデューサー）
中山拓 ：映画監督
山下多恵子：こなて（みゆの家の老女中）
服部有希 ：医者
榊阿希子 ：看護婦
谷口千春、林美織：秘書
三澤隆志、八田幸恵、吉田悠来、伊藤恵一、本所恵：その他
2000/4/23(日)晴れ 1:05-2:40PM(40/休15/40） 中段より 客席７割(90人)
客層：20才代中心、女性過半数。学生さんが多そう。
客入れ：受付、過不足なく応対。きちきちしてないのが学生ぽい。折り込みパンフ
詳細なスタッフと役者紹介あり。初見ねこにはありがたい。主宰・大野氏の経歴は
なかなか凄くて、へー。物販。失念（テープ？）。三々五々埋まる緩め客席。
全階段状＋長座布団を千鳥配置し、見やすさ配慮。舞台が近いのもいい感じ。
初見の会場。大阪城公園隣接、駅から５分。中途いくつか案内板あり親切。半球に
天使埋もれなオブジェが壁から突き出し、なアートビル。外の張り紙からも学生
会館な活気が伺え。１Ｆロビーにはストレッチする若い役者達。奧の軽食コーナー
でイカ焼きやら販売、中庭があって、ひなたぼっこも良さそう。途中階はリハーサ
ル室、学生一杯。ホールは４Ｆ。コンクリート打ちっ放し、天井にメタルオブジェ
内部は木を基調としたいい感じ。
ここを会場に「大阪春の演劇まつり」（2000/4/10-7/30)開催中。ラインナップなど
詳細は、「関西観劇ネットワーク」を参照方。
東京では劇作家というより、映画評論で知られた大野裕之主宰のミュージカル劇団
氏は京大のドクターコース就学中（映像、舞台芸術、哲学専攻）。５月から
朝日新聞朝刊に月一映画評論を連載予定とか。その他、頭から磁気多量放出など、
プロフィールには並々ならぬものあり。
舞台。レモンイエロー幕。持ち込み式で一面の菜の花畑や、お屋敷の寝室（ベット、
クローゼット、なぜか彫像、壁に花鳥風月なタペストリー）に。チープだけど
手作り間隔の素朴さあり。
お話。ぱっとしない脚本家。原稿ボツの落胆帰路、怪我で休んでいたスター女優
みゆと出会い、ほどなく心通じる仲に。彼女の寝物語を小説化、これが思わず
しらずの大ヒット。次々舞い込む新作依頼。そんな内、妻・みゆは眠るばかりの
病を患い、日々症状悪化。慰めに一時の覚醒を得る薬を処方。が、週一回が限界。
新作の期待に焦る作家は、罪悪感とともに薬を与えつづけ、寝物語を引き出して
いく。いつしか、吾を忘れ、妻への愛さえ知らず状態に。悪化するみゆの容態を
訝しく思う友人は脚本家をいさめる。休筆、投薬をやめる決意。しかし、休息は
脚本家を焦りを増すばかり。死に近い妻は、追い詰められた夫に全て知っていた
と告白、そして出会った頃のように優しくほほえむのだった。
一見「正統派」ミュージカル志向な外観。切な系のバラードにのせて贈る、甘やか
なラブストーリー。もう小恥ずかしいほど、丁寧に純愛。スタイルに新味なく
、オリジナルはセルフメイドという意味以上はなし。照れ笑いなく、しごく真面目
顔なのがちとむずがゆいねこ。
芝居やダンスは素人然でもひとつ。隙間風がたまに吹くのにうーん。冒頭に
シーケンシャルなダンス。手など変な動きをちょっといれ。ユニゾン中心、ソロパート
の絡みなど、構成に変化がほしかったねこ。照明、装置、音響の力でちょこざいに
カバーしない心意気は買い。けど、少しテンポと密度をあげてほしいねこ。
物語は外観に似ず、ハード。甘い語り口で過酷な現実を描き、夢に逃げ込まない。
シリアスシニカルな進行に興味ねこ。ラスト。愛を受けると廻るという女優の日傘
を、女優が倒れ臥した後、虚ろな表情の脚本家自身が回す。同じ空（願い）を見つ
めている２人なのに、決して向き合うことはない。醜いエゴ、関係不全を、奇麗な
花畑と曲を背景に描いて哀切。どこかはっきりしない不安を感じさせる、嫌〜んな
とこも含めてふふーんねこ。
役者。みゆ役、ますださん。朗らか顔の美人。柔らかい歌声○。寝てばかり設定が
もったいない。脚本家役、のむらさん。しょぼしょぼした感じが役にあい。真摯で
丁寧な歌唱。大野さん。作家が一番自由に遊ぶの理の通り、余裕の脇役。一番
目立つ。サービス？してる妙な仕草、ダミ声。このくらいの濃いキャラの役者が
もう数人ほしいねこ。
劇団ＨＰ：http://benri-web.com
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