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 テアトル・ド・アナールvol.2
「従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に
 弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行
 ─およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて
 人は沈黙せねばならないという言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?
 という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語」

 @駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2013/3/29-4/7 15ステージ)
 http://www.komaba-agora.com/
 全自由 前期(-3/31)3000円当日3300円U25 2500円
 後期(4/11-7)3500円当日3800円U25 3000円

 作・演出:谷賢一[DULL-COLORED POP] 舞台監督:川田康二
 照明:松本大介 美術:土岐研一
 WEBデザイン:仮屋浩太郎(HiR design) WEB作成:三浦学
 宣伝美術:今城加奈子 写真撮影:引地信彦 ドラマトゥルク:野村政之
 制作:小野塚央 赤羽ひろみ プロデュース:伊藤達哉〔企画制作〕
 テアトル・ド・アナール、ゴーチ・ブラザーズ 
 出演:
 榊原毅[三条会] :スタイナー軍曹(小隊長)
 山崎彬[悪い芝居]:ミヒャエル(兵士)、ビンセント(ルートヴィヒ親友)
 伊勢谷能宣:ベルナルド(兵士)
 西村壮悟 :ルートヴィヒ(志願兵 哲学者)
 井上裕朗 :カミル(兵士)

 2013/4/7(日)晴 11:05-12:46PM(1'40)中央後方 客席超満員(90人)
 客層:20-30才代中心、男女半々。
 客入れ:桟敷1、椅子6 通路に補助席追加。折り込みチラシそれなり、パンフ A4
 1枚。物販。パンフ 500円 台本700円 セット1000円。カーテンコール1回。

 舞台。ぐるり鉄製二段バッド、青年団 冒険者達連想も闇に沈む案配。
 中央にテーブルと丸椅子。客入れ時に戦場ジオラマとまではいかないが戦士、戦車。
 お話。用件はタイトルでなタイトル通り。ヨーロッパ 西部戦線、ロシア兵が迫る中、
 明日が決戦かという緊迫焦燥状態での人間模様。の中思いがけず浮かぶ、甘い哲学者
 青年と親友の友情を越えた結びつき。

 イケてはいないが、まったく濃いメン5人の濃縮密室劇。朝からこってりデスよ、
 な死に直面した緊迫感を、闇と閃光、音声、発声でたまんなく演出。もろん会話劇
 緻密、相対的箸休めを忘れず、ぐいぐいと引き込み。ギムナジウムと少年、な純愛の
 香りがまさかの驚き。意地の悪い演出家は恋い慕う相手(の夢想)と、毛嫌いする
 戦友を同じ役者(山崎)に演じさせ。演劇好きの琴線をくすぐりまくり。相対と
 いえば、どろどろの人間模様に対する、哲学や戦争と科学もそう。全方位で問いかけて、
 ウェルメイド新古典作といいたいねこ。

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