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 台湾・日本国際共同企画 川端康成三部作「片腕」「少年」「水晶幻想」

 @駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2014/4/16-21 8ステージ)
 http://www.komaba-agora.com/
  全自由 前売3300円 当日3800円 学生2800円

 原作:川端康成 舞台監督:宮田公一 照明:森規幸(balance,inc.) 音響:井上直裕
 美術:羅智信 衣装:摩耶 音楽:Blaire Ko 演出助手:吉中詩織
 プロデューサー:山縣美礼 主催・制作:アイビスアソシエイツ
 共催:李清照私人劇團 提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
 助成:公益財団法人セゾン文化財団 台北市文化局

 「水晶幻想」24分?
 初演:URS127芸術空間@台北
 演出・振付:山縣美礼 音楽:Blaire Ko,Thomas Bloch
 出演:卓庭竹(Cloud Gate Dance Theatre出身)
 
 「片腕」52分
 演出・脚色:ノゾエ征爾[はえぎわ] 
 初演:2012年森下スタジオ、グーリンチェ小劇場@台北
 出演:
 菊沢将憲:読む男
 陳元元 :女
 中川晴樹[ヨーロッパ企画]:男

 「少年」31分
 初演:2012年森下スタジオ
 演出・脚色:劉 亮延[李清照私人劇團] 出演:川口隆夫

 2014/04/17(木)晴 7:31?-9:19PM(1’47?)最前列 客席9割(40人)
 客層:20-30才代中心、男女半々。
 客入れ:開場時数人。椅子5列 中央にカメラ。床の演技があるので、前方が
 見やすいし。折り込みチラシそれなり。パンフ A5 3ページ。物販未確認。
 カーテンコール各回と最後に1回1分。

 国際共同製作、それぞれショーイングを経ての再演。独立したオムニバスも転換は
 リレー形式で繋ぐように工夫され。
 「水晶幻想」
 舞台。上手床に白い盛り砂、上手長机に茶器、ゆで卵、同様の盛り砂。
 原作。不妊が続く妻と、犬の受胎を研究する夫のダイアローグ。
 構成。舞踊作品、発話なし。食卓で家事、卵の殻が小山状、すくって上手の山で
 注ぐ。ぐりぐりと小山を踏み、散らし。コントラバスの低音、弦楽三重奏。
 恐れるように周囲目を配り、ロール、仰向け。一時、陶酔の仕草眼差し。
 アベマリア♪。くびきから解き放たれたかのよう。砂に臥し、砂を降り散らし。
 降ってくる砂に浴び。また、恐れるような眼差しで周囲。卵を口にくわえ、暗転。

 ストイックに内に向かい、恐れと憧れの狭間で踊る。健康的肉感的な肢体がままなら
 なさを一層感じさせ。砂、殻のかけらのほのかな生々しい香りは未練とアクセントを
 添え。

 「片腕」
 舞台。1人用ロッカーを持ちこみ、大いに活用。長机1。正面奥に縦に黒板。
 原作。女が恋人に片腕を貸す、離れた片腕が我が儘に喋り、男翻弄する。やがて、
 自分の腕とすげ替えたいという欲望にとらわれるようになって。

 とってもキュート、そしてブラックでスパイシーな自在立体演劇。健康的で女丈夫な
 片腕/女と、彼女にスケベ心抱き、翻弄される情けない男達のやりとり。原作テキスト
 で語り演じ、出たり入ったり担いだりのダンスめく身体表現をふんだんに、小ネタや
 映像を程よくまぶし。川端康成はどこにいるんだ?な笑劇テイストとしつつ、男の
 欲望はしっかり底に置いて原作踏襲。ノゾエ征爾、才人だね。キレのいい個性派の
 役者の持ち味もまたたっぷり。濃口にキャラを彩って魅力的。

 「少年」
 舞台。素舞台に砂の残滓一面。上手に裸電球。
 原作。少年時代、少年を愛した作家の追想。
 構成。コンテンポラリーダンスしばし、テキスト紙片(日記)を読んでは床に並べて
 いく。じたばたと身もだえ。
 陶酔、忘我と現実の気づきを揺れ。身体から零れる情熱と抒情を強く感じるねこ。

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