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 アンファン・テリブル エリート 「主婦マリーがしたこと」

 @渋谷・シードホール (1994/7/15-26) 
 原作:フランシス・スピネル「主婦マリーがしたこと」 作・演出:前川麻子
 音楽:巻上公一
 出演:渡辺杉枝、加藤忠可、今江冬子、小林三四郎、松田環、小市慢太郎、
 村松克己、高橋広司、渡辺真起子、中島花代、稲増文、いしかわじゅん、
 落合ひとみ、和久田理人、加藤尚美、若杉宏二、井沢希旨子、町田正明、
 鈴木浩司、鶴巻万里、森山力夫
 声の出演:西山水木、柴田理恵、田口トモロヲ、前川麻子、みのすけ、北村魚、
 斉藤晴彦、木村日向

 1994/7/17(日)7:30-9:20PM 晴  客席7割?

 いろいろ役者さん、観れた嬉しさ。楽しめたけど、ちとつらい幕切れ。
 
 お話し。主婦売春のお世話役、渋谷夫人と関係、無関係な人達の日常と破局。
 50年前のヤミ堕胎マリーの事件が底にあって。共通するのは「あるまじき行為」
 当時の人関係をそのまま現代の舞台にのせるのが面白い。マリーと渋谷夫人が、
 オーバーラップするラストは、スリリングで○。

 一見、幸福なカップルを描く前半。男、女、友達、自分、金・・、それらのためを
 思ってやっていたことが、破滅を招く皮肉な後半。のぞき見た家の幸福と不孝、
 これは楽しめる底意地悪いねこ。その先に砂漠をみようとは。良い悪いじゃなく、
 この幕切れは好きじゃない。ねこは、微かでも安堵が欲しい。好き勝手わがまま
 なだけだけど。

 好きな役者さん、いっぱいで嬉しい。黒テントの村松さんは、いつもの饒舌だし
 加藤忠さん、和久田さんは冒頭、なんだようてな飛ばし方。いいね。小林さんは
 ひさしぶり。いしかわ画伯はたしかに役者じゃない。なんか不安そうな顔、女の
 腕をもって真剣な変態行為など、なかなかいい感じ。また、舞台に上がって
 ほしい。今回のこと書くだろう漫画も楽しみ。男の子の3人はただの背景だった
 のかなあ。

 何といっても主役は女。渡辺さん、たばこを煙たがるしぐさと顔に見とれました。
 かわいらしい人。中島さんのふわりとした感じ、砂糖菓子のようなと言うのは、
 こんな子?。だから後半辛い役所で、心が痛む。井沢さんって、こんなきれい
 だっけ。それ渡辺さんもだ。セクシーで○。パンフの写真は、何考えてんだか。
 今江、松田、加藤のおばさん井戸端がたのしい。ところで「11人いる」?と、
 アメリカンTVショー(笑い声SEとしぐさ)のあのギャグも、前川さんの
 センスなんですね。あれれと思った。落合さんもひさしぶりで・・・。
 
 と、いろいろ取り留めなく、ラスト以外は楽しめた芝居。確かに一回じゃ、
 見過ごしありそうだなあ。