演劇集団 円「赤い階段の家〜F･シューベルト「死と乙女」第二楽章をめぐって」
＠品川・六行会ホール (1995/10/6-15 12ステージ)
前売、当日4200（学生2800）
作：岩松了 演出：國峰眞
1995/10/7(土)7:00-9:00PM 曇 ４列めから 客席４割（100人）
２年前の「鳩を飼う姉妹」（ねこ未見）の続編・裏話。ここでは、姉妹は登場せず、
二人が添い遂げられなかった男性の家族が描かれたそう。
舞台。漆喰の壁。小さなステンドガラスをもち窓がある、ちょっとした回廊。
階下への赤い階段。その下には畳敷きの居間。外には竹林があるのが伺える。
古びた洋館の不思議でいてしっくりくる折衷、○。
お話。二人が思い続ける男の息子を軸にした、男女の因縁愛憎世界。婚約者の
いる男に狂おしく恋する娘。娘を掴めない父親。男を繋ごうとする婚約者の女
それらに姉妹の行き場ない思いが重なり、共鳴して・・・。
まったく、岩松了。いつものように説明なしで素顔を見せない展開。よくわからない
不安感と高まる好奇心、想像力。緊縛、泥沼な関係はスリリング。演出が
岩松了じゃないせいか、エキエントリックの加速はほどほど。シューベルトの
高揚とともに、姉妹の思いと娘のそれがシンクロする場面は、◎。効果も◎。
屋外の笹の葉すれ、甲高い成長音や雨、雷音が増長する静寂と緊張感、
素晴らしい。地の利悪いせいか、お客すくなくて残念ねこ。
役者。岸田今日子の姉が、ぼろぼろになっていくのもまったく岩松了で○。
彼女がいると岸田今日子の舞台って感じになるのに、今回はアンサンブルが
前面これも○。
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