演劇集団円 〈円・こどもステージNO.17〉「帰ってきたピノッキオ」
＠両国・シアターX (1998-12/18-27 15ステージ）全指定前売り当日共4500
当日大人桟敷3000 こどもさじき(3歳〜小学生)1800・高校生以下3000(劇団のみ)あり
作：別役実 演出：小森美巳 企画：岸田今日子 装置・照明：皿田圭作
衣裳：川本喜八郎 音楽：小森昭宏 音響・効果：斎藤美佐男
ステージンク：村田 大 舞台監督：田中伸幸 宣伝美術：中地 智
チラシ絵：ススキコージ 制作：桃井よし子ほか
出演：
男1：三谷 昇（人形遣い） 女1：立石涼子（人形遣いの連れ）
男2：吉見一豊 女2：福井裕子
男3：田原正治 女3：込山順子
男4：荒川大三郎 女4：高橋珠美子
男5：関 貴昭 女5：高橋佳奈子
男6：伊藤昌一 女6：南 美江（亡霊）
男7：高木 均（ゼペット？） 女7：横尾香代子
楽士：小森創介 女8：鈴木佳由
人形の声：小森創介 遣い手：関 貴昭、鈴木佳由
1998/12/26(土)晴れ 2:00-3:30PM(1'30) 前方補助椅子より 客席９割(250？人)
客層：小学生低〜高学年のお子さまが３、４割な子供ステージ。
客入れ：当日券はなから完売、キャンセル待ちのみ。昼間公演だからかな。大人桟
敷は釣り椅子の通路席。子供達は前方の桟敷席に集められ（100人超）、係員が
適時誘導。なんか大人な子供ばかりで神妙、静かなもの。
別役実の童話あそびシリーズ７。ねこは久々の子供ステージ。子供向きといっても
別役実書き下ろしにベテラン役者と本公演同様の顔ぶれ。
舞台。書き割りの白茶けた煉瓦壁の家が上手下手に（前側に展開すると家並みと
なり）。中央に公園ベンチ、街灯。太鼓橋下のようなぽっかり空いた空洞が背景。
お話。ピノキオ二世というマリオネットを連れた人形使い（三谷）と連れ（立石）
は人間になったピノキオを探している。宿泊する当てのないある日、ゼベット爺さん
の遺品という太い丸太を持ち帰ろうとする老人に誘われ町へ。そこではみな人間
になったピノキオが帰ってくるのを待っていた。何故ならそこが彼の古里だからと
いう。ピノキオは人形使いになって帰ってくるとゼベット爺さんに聞いていた彼らは
、人形遣いこそピノキオと信じる。しかし、当の人形遣いにその記憶はない。
ゼベット爺さんの家に住むコオロギの亡霊らは一計を案じ、ピノキオ二世に人形使い
がピノキオではないと言わせると、まあ伸びる鼻。やはり人形遣いはピノキオ。
それではと、人形遣いにゼペット爺さんが最後になにおか彫ろうとしてた、件の丸太
を託す。幾日かしてできあがったのは、なんと一本の爪楊枝だけ。爺さんが最後に
ほしかったものがこれ！？。ところがそれだけじゃなく、木彫りのゼベット爺さんも。
その爺さんはといえば狂暴化、町を爆破したり暴れまくる始末。まるで昔のピノキ
オのように悪戯に。はてさて飽きたのか満足したのか、大人しくなった木彫りのゼ
ペットと人形遣い実は人間になったピノキオ２人。爪楊枝をつくっては新しいもの
を創造すること、流れ星をみてはまた命が失われたことを、つらつらと考えるのだ
った。
シニカルな物語を心優しく弾むリズムの唄、とほほな亡霊やらキャラの笑いで包む
別役さんの本らしい、小理屈会話や結構無責任キャラが大人もおかしいおかしさ。
ピノキオの成りたい自分探しを逆転の設定でみせたりは面白し。狂暴化ゼペットの
行く末がいつのまにか収まるところに収まっちゃったり、きれいな幕切れなのが物
足りないない。子供向きじゃしょうがないか。子供向きといえば、終盤の会話中心
展開は子供には辛いかも（やけに子供桟敷が静かなのは寝てたから？）カーテンコ
ールは高齢の南美江さんを囲みみんなで歌って。老若男女取り混ぜ、アットホーム
なのが円らしくて微笑みねこ。
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