199Q太陽族「ここからは遠い国」
＠新大久保・Ｐグローブ座 (1997/3/1-2 2ステージ)
全自由前売り\3000当日\3300
作・演出 岩崎正俗
出演：森本研典、南勝、金田典子ほか 全１３名
1997/3/2(日)晴れ 3:00-5:00PM 前方より 客席6割(300人？)
客層：男女半々。関係者多い？。客入れ：劇場のおねえさんがそれなり誘導。
お客少な目なんで係員多印象。珍しくフロッピ台本(\1000)あり。
初見。名前のみ聞いてた大阪の劇団。昨年初演作。好舞台の評判あり。
舞台。工務店のガレージな設定。中央、軽トラック、背後に大型シャッター。上
手一段高く、道具置き場。下手、階段あがり、母屋へのドア。がらんとして、寒
々な雰囲気がそれぽい。上手前方席だと、トラックで死角あり△。
お話。犯罪行為なカルト教団を逃げ出した、元信徒。どこへも行かず、トラック
で寝泊まり。３人姉妹、と会話可能な人が限られる、成仏できない母親は、時に
彼を戒め、気遣う。でも理想の世界から遠い今、家族の心遣いもいらいらのたね。
特に長男に期待な父親との隔絶大。そうこうしてるうち、脱走した仲間はお上の
犬に、家族も不幸のずんどこ。明日はどうなるのかしら。どっか遠くにいければ
ねえ。
全編関西弁って珍しい。東京公演、ともかくありがとう。やわらかく、辛い気持
ちも癒されるよう。特に女性、おばさん役○。お話に救いないから助かるねこ。
直球と変化球とりどり。直球。誠実な父親は病死した妻を思う。亡くして知る悔
恨、無力な医療へのやる場のない怒り。死者となった妻は夫を気遣う。が伝わる
わけもない。悲しくて、もらい泣きねこ。気持ちわからずの子へは不安、不満。
息子は、ばかなり。わが身の親不孝も省みちゃったねこ。
変化球もあれこれ。ちと興味深い。死者との無為でさりげな日常会話。兄と妹の
秘められたなにやら。ハムレット、三人姉妹の引用台詞に凝縮する絶望の思い。
とくにチェーホフは、悲嘆なラストにぴたりはまり○。ただ、多くのほのめかしは、
行方わからず、置き離し。興味の範囲を出なかったねこ。
なすすべもなく、ただ絶望を待つ家族。戦うでもなく、受け入れるでもなく。この
へんはリアルな今の家庭劇。でも普通すぎ。カルト教団題材な意図が？。ちと
印象希薄だったなと生意気におもうねこ。
役者。三女役の子・金田典子、いいっス。悲惨な状況もなんのそのな脳天気さが
すばらしい。父親役：南勝。味のある演技◎。この二人をみるためだけに大阪
いってもいいと思うねこ。
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